Developer Expertの沼田です。本記事では主催しましたPdM向けのイベントをレポートいたします。
GMOインターネットグループ「プロダクトマネジメント勉強交流会」
GMOインターネットグループは、2024年10月9日に「プロダクトマネジメント勉強交流会」を開催しました。このイベントはプロダクトマネージャー(PdM)についてのグループ内の知見共有を目的とした取り組みで、オンライン・オフライン問わず20社100名以上の参加者が集まりました!
参加者はプロダクトマネジメントへの高い関心を持った方ばかりで、会場は10月ながらも熱気が渦巻いていました…!
イベントの冒頭では主催者である私、沼田が開会の挨拶を行い、グループ全体としてエンジニアやクリエイターの在籍比率を60%まで高めることを目指していることを力説。
加えて、「プロダクトの成否を握るプロダクトマネジメントのノウハウを、会社を横断して共有する場として活かしてほしい」と、イベントの意義を語りました。
セッション1 GMOペイメントゲートウェイ
最初のセッションで登壇するのは、GMOペイメントゲートウェイでシステム企画統括部長を務める鈴木隆志さん。川崎フロンターレとドリップコーヒーを心から愛するPdMです。
鈴木さんは、同社の事業拡大によって「エンジニア主導」の開発が求められる場面が増えてきたことを背景に、3年ほど前からPdMとして取り組んできたさまざまな施策を紹介しました。
具体的には、営業の「御用聞き」からスタートする従来のビジネスモデルから脱却し、抜本的な社内改革を通じて業務効率化・生産性向上を達成した経験などなど……。他では学べない、鈴木さん自身が体験・実践したことが惜しみなく共有されました。
終始腕組みをしながら語る鈴木さん。PdMとしての動き方や役割、その意義について学べる貴重な経験だけに、講演を聞く参加者の目は真剣そのものです。
鈴木さんによれば、「フィードバックを集める体制づくりを含めたサポート体制の強化や、関係各所との連携も、プロダクトマネジメントを推し進める取り組みの一環」とのこと。特に大きかったのは、会社のミッション・ビジョン・バリューに沿ったビジョンをプロジェクトに設定すること。「社長が大事にしているPGイズムを体現するプロダクトを目指すという方向性を示したことで、社内の共通認識が持てるようになり、共通認識が持てるようになったと感じた」と振り返りました。
さまざまな施策を通じて全社の足並みをそろえられたと回顧しつつ、PdMの取り組みはまだ道半ばだという鈴木さん。「今後もこうした取り組みを組織として継続し、体系立てて進めていきたい」と締めくくりました。
ここには書けないディープな話もあり、セッション後には参加者から「非常に内容が濃かった」という声が上がりました!
セッション2 GMOインターネットグループ
続いて、GMOインターネットグループのConoHa事業部でエグゼクティブリードを務める相川文斗さんが登壇。10月から新設されたプロダクトマネジメントチームの取り組みについて紹介します。
元イラストレーターとして、4コマ漫画のモーションコミックを連載していたという異色の経歴を持つ相川さん。講演の冒頭では、プロダクトマネジメントチームを立ち上げた経緯(競合他社の急速なサービス展開に対抗するため)を紹介しました。
相川さんはプロダクトマネジメントチームについて、「プロダクトを軸とした組織の見直しを行うべく、属人化している部分をなくし、全員で連携してプロダクトを作り上げていくためのチーム」だと強調します。
具体的な業務としては、属人化の解消や開発標準化といった普遍的な問題を解決するほか、関係各所と「一体感」をつくるための取り組みも行なっているそうです。
とくに一体感については、「ビジネス部門と開発部門が分かれていると、依頼者と受注者という関係になってしまい、同じゴールを目指せなくなることがある」とのこと。そのため、「依頼や受注といった言葉や、敵対するような言葉は基本的に使わない」といった数々の工夫が語られました。
イラストレーターとしての経験も踏まえての実感だけに、うなずきながら話を聞く方も多く見られました。
講演の最後には、「今回のイベントをきっかけに、GMOインターネットグループ全体で良いプロダクト作りができる仕組みを目指していきたい」と、意欲をのぞかせる場面も。今後の取り組みにも大いに期待できますね!
セッション3 GMOペパボ
最後の大トリとして、GMOペパボのminne事業部から小松智樹さんと齊藤友美さんが登壇。ペパボ独自のプロダクトマネジメントと、その実践について語ってもらいました。
minneはCtoCのプラットフォームで、ファッションアイテムや家具、コーヒーなどのハンドメイド品を売りたい人と買いたい人をつなぐプロダクトです。
minne事業部では各チームごとにPdMやPO(プロダクトオーナー)を配置しており、開発優先順位の決定やロードマップの策定などはチーム内で完結して進めているとのこと。
事業のスケールが大きくなるほど不確実性が高まり、求められる業務や専門性も多岐にわたっていきます。なので、生産性を向上させるにはPdMがしっかりと意思決定を行うことが重要だそうです。
またGMOペパボでは、ディレクター職の3等級から4等級へステップアップする際には、自身の専門性をPdMを含めた4つのエキスパートエリアに対して表明をおこない、それが認められることでPdMになることができるようです。
「プロダクトマネージャーは『決める人』だ」と断言する小松さん。これからの課題として、何が「良い」選択なのかという部分について、ユーザーインタビューなどで精度を上げていく必要があるとしました。
セッションの終わりには、最新のトレンドや他社の事例を学ぶ「Pepabo PM Talk(PPT)」という社内イベントの宣伝もされていました。四半期に一度、外部ゲストを招いての知見共有を行っているイベントということで、「参加希望者はぜひ声をかけてほしい」と募集もかけました。「出てもいいな」という方はぜひご連絡ください!!
懇親会
交流会の後は、登壇者とディスカッションができるラウンドテーブル形式の懇親会が行なわれました。
普段はなかなか会社の垣根を越えることがないのですが、ピザやお菓子(とお酒!)が並ぶ懇親会が設けられたことで、フランクに多くの話ができました。
それだけでも非常に楽しかったのですが、決済や金融、レンタルサーバーなどグループ内のあらゆる分野からの話が飛び交い、普段とは違った観点から物事を考える機会になりました。かなり突っ込んだ話も展開されたので、多くの方がPdMやそれぞれの事業についての知識・経験を共有できたようです。
GMOインターネットグループには優れたPdMが多数在籍しています。今後もそのナレッジを積極的に発信することで、社内のノウハウを循環させつつ、当グループのビジョンやバリューに共感できる方々へと届けていきたいと思います!