10月17日(水)に開催された「技育CAMPアカデミア -Vol.04」においてデベロッパーエキスパートの駒井 直が登壇し「あなたのプログラミングを仕事のコードにするためのTips集」というタイトルで勉強会を開催しました。イベント告知:https://developers.gmo.jp/37619/
チームで信頼されるプログラミングの考え方をお見せしたい
技育CAMPアカデミアシリーズ、自分のテーマは学生さんの日常的なプログラミングでは恐らく気にしない(であろう)仕事の現場で気遣いしてくれると嬉しいポイントについて、簡単な問いを投げかけ思考してもらいながら紹介していきました。エンジニアの卵である参加者の皆様が、未来に"頼れるね、助かるね"と言ってもらえる助けになると良いな、という思いでお話ししました。
登壇者
GMOインターネットグループ デベロッパーエキスパートGMOペイメントゲートウェイ株式会社駒井 直(本稿執筆者)
セッション「あなたのコードをプロのコードにするtips集」より
誤解を解く(あるいはプロを地続きに感じる)
冒頭5分くらいのスライドから抜粋です。能力や素材の良さとそこから生まれる結果は全く別の出来事で、プロの仕事で問われるのは後者ですよ、という事を前置きしました。参加者は学生さんですから、現時点で分かりやすい指標を持っていない事に不安があるかもしれません。先輩として、それらは"そんなこともできるんだ"という指標であって、作ってほしい価値ではない。価値から逆算していこう、という事をお伝えしたかったのです。
上図における”能力”の部分を伸ばすこと自体は、仕事の結果と何ら矛盾するものではないので、個人が能力を研鑽する事は前提なんだよ、という事もお伝えしました。
具体例を問いかける
ここから、いくつか参加者の皆様に問いかけながら、気遣いポイントを示していきました。スライド抜粋します。
プロの仕事はチーム戦
身に覚えあり過ぎるやつ。今でも油断するとやってしまうかも。
はいそうですね、としか言えないコメントはディスクの無駄
コメントは思考のログ。半年後の自分は別人。
プロの現場で仕事をするのはチーム戦。自分以外のチームメイトを意識して作り上げていく事は、参加する学生さんの授業や自宅の開発ではあまり意識しないかなと思います。現場でリアルに助かる事としてお伝えしました。コードの職場見学ですね。
プロの仕事は長期戦
もう1例、スライド抜粋します。
サンプルの力尽き感。もう1つくらいミスリードを仕込めばもっと面白かった。
ここしか指摘箇所ないから、そりゃそうでしょう。反省しています。
経験者から見れば、当たり前ではある
今この瞬間動くことではなくて、将来にわたってなるべく長く動くための配慮をして欲しい。プロの仕事は長期戦。今現在の計算やロジックで未来の姿を表現することがプロのエンジニアの気遣い、違い=価値なんです、という事を(大分デフォルメした)例でお伝えしました。
この視点。もう一例、検索APIのindex/non-indexによる仕事量の違いをお話ししました。
トラブル発生時や新規事業の立ち上げフェーズなど、技術的な選択基準が瞬発力一択になる場面は存在します。しかしながら、この点を軽く見てしまった結果のリアルも見ているので、インターネットの場を提供する事業の真ん中で働く自分の経験として、将来ある参加者の皆様にはぜひ植え付けたい視点でした。
セッションの締め
本セッションはこう締めました。
伝わったかな
登壇後記
今回の内容は、自分が毎年担当する社内新卒研修のコードレビューにおける、フィードバック頻出事項のまとめが下地です。大仰なタイトルに対して、お話ししたのは地味な内容です。今回出演したのは技育(Geek)campであって、その名の通りdive deepな尖ったテーマにすべきか迷いましたが、参加者の現在地から仕事場でコードを書く姿までをできるだけ地続きにしよう、それが自分が一番実感を持ってお届けできる事と思いこのテーマにしました。(dive deepは歴戦のdeveloper expertsにお任せします!)
結果、多数の学生さんに参加していただき、参加後のコメント率も良好だったので、セッションの終わりまで興味を持っていただけたようで安心しました。ソースコメントのくだりに"やさしさコードですね"と参加者からzoomチャットを頂き、そのフレーズを先に自分が思いつきたかったなぁ。。。そんなやり取りなど、参加者の素直な好奇心に講師側が助けていただきました。"君のコードは実践的で安心できるね"と一度でも言ってもらえたら。参加者の将来にそんな形でお返しできたなら冥利です。