GMOインターネットグループは、2019年より小中学生向けのプログラミング教育カリキュラムの開発、IT企業4社や東急グループの社員を講師として派遣する渋谷区授業支援、教員に向けたプログラミング教育の研修、そのほかワークショップやイベントなどの実施を通じて、プログラミングへの興味喚起やキャリア教育を行う https://kidsvalley.jp/ の活動に参画しています。
本編では今年度GMOインターネットグループが次世代のリテラシー人財を育てる取り組みについて詳しくお伝えいたします。
目次
現場エンジニア・クリエイターが先生に!次世代教育への挑戦
GMOインターネットグループでは、2019年からプログラミング教育やPBL(プロジェクト型学習)授業の支援に取り組んできました。これまで各地で独自に展開してきた探究学習・プログラミングを軸とする教育プログラムを、より多くの小学生に届けるべく、今年はカリキュラムの全面アップデートを実施。さらに、教育支援に挑戦したいエンジニア・クリエイターをグループ横断で公募しました。
今年は、グループALLで挑む初年度。社内から選ばれた17名のエンジニア・クリエイターが、講師・メンターとして教育現場に立ちます。
現場で培った最先端の技術や思考法を、子どもたちにわかりやすく届けることを通じて、学校教育と社会の現場をつなぐ新しい学びの提供に挑戦しています。
学校教育と現場経験をつなぐエンジニアの役割
AI・IoTの浸透、サイバー攻撃の高度化。
ITが社会の根幹を支える一方で、その本質の理解や応用力は教育現場ではまだ十分に育まれていません。
ここで重要なのは、単に技術知識を教えることではなく、「実際の現場で使われる技術や考え方」を子どもたちに伝えることです。民間企業のエンジニアは、最新の技術動向や実務経験を持ち、課題解決のプロセスやセキュリティの現場感覚を持っています。こうした知見は、教科書だけでは得られない実践的な学びとなり、子どもたちのITリテラシーや探究心を育てるうえで大きな力になります。
プロジェクト活動詳細
渋谷区小学校授業支援:PBL型授業で「考える力」を育む
今年は渋谷区の小学校で全34コマにわたるPBL型授業(課題解決型学習)に講師としてプロジェクトメンバーが参加しています。低学年では「伝えたいことを伝えよう」、高学年では「プログラムで紹介しよう」といったテーマで、対象学年に応じた課題設定や授業運営を行っています。

「なにを、だれに、どんなふうに伝えるか」「なにを、どうしたら、自分の思うようにプログラムを動かせるのか」を考える過程を通じて、子どもたちの論理的思考力や表現力、課題解決力を育みます。
授業では、技術の仕組みや考え方に触れながら、実践的な学びを体験できる構成。
プログラミングや物ごとの組み立て方などの知識を、身近なテーマに落とし込み、自ら考え伝える力を養うことを目指しています。

GMOデジキッズ:小学生向け夏休みイベント

GMOインターネットグループでは、KidsVALLEY参画翌年の2020年から、小学生向けに夏休みイベント「GMOデジキッズ」も開催しています。
今年のテーマは、デジタル時代を生きる子どもたちにとって欠かせない「サイバーセキュリティ」。
講師は、グループでサイバーセキュリティ事業を担うGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社から2名が務めました。
イベントでは、パスワードの重要性を「自分たちを守るための最初の防御線」として伝え、親子で一緒に学べる形式で実施。「サイバー攻撃は遠い世界の話ではなく、身近に潜むリアルな脅威」であること、そして「どうすれば自分たちを守れるのか」を親子で考えながら学んでいただく貴重な機会となりました。


社会貢献の枠を超えた“リスキリング”と“共創”
本プロジェクトに参加したエンジニア・クリエイターが実感したのは、「社会貢献 × 自己成長 × 組織連携」という三位一体の価値です。単に子どもたちに教えるだけではなく、教える過程そのものが、技術者としての新たな学びの場になっています。
1.IT教育の現場で生まれる学びの循環
たとえば、子どもたちにプログラミングの考え方・セキュリティの本質を伝えるには、複雑な仕組みやルールを「比喩」や「体験」に落とし込む必要があります。
- パスワードの大切さ=自宅の鍵に例える
- フィッシング詐欺=”だます技術”の構造を解剖する
- ホワイトハッカー=”ネットの番人”というロールモデルを描く
- ループ処理は「朝起きて歯を磨く→朝ごはん→登校」の毎日のルーティンに例える
- 条件分岐は「もし雨なら傘をさす、晴れなら帽子をかぶる」といった日常の意思決定に例える
こうした「複雑な概念をわかりやすく伝える」プロセスは、単なる授業の工夫にとどまりません。
子どもたちがどこでつまずくかを観察し、伝え方や環境を試行錯誤する中で、エンジニア自身も学びの本質や社会における自身の技術や経験の意義を再認識することができます。
子どもたちはPBL型授業を通して「考える力」や「課題解決力」を育むだけでなく、デジタル社会で安全かつ創造的に生きるためのリテラシー教育そのものにつながっていると現場レベルで実感しています。
2.次世代教育がつなぐ、仲間との社会的価値共創
本プロジェクトには技術領域も役割も異なるパートナーがグループの垣根を越えて集まり、「次世代のために」という共通の目的で動活動しています。この過程で生まれる社内横断のつながりや新たな価値創出は、グループとしても大きな財産です。
教育の現場で子どもたちに教えることは、同時に「自分の技術を言語化し、仲間とつながり、社会と向き合う」機会でもあります。
今後の展望
今後は、GMOインターネットグループが本社を構える渋谷区をはじめ、地方拠点への地域貢献を軸に、より多くの次世代にITリテラシー教育を届けられるよう、活動の幅を広げていきたいと考えています。
地域に根ざした取り組みを出発点として、子どもたちが安全かつ創造的にITを活用できる力を育むための活動を、グループ一丸となって推進してまいります。
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