こんにちは、GMOインターネット株式会社の斉藤です。今回はgophercloudでConoHa APIを利用する方法について書いていきたいと思います。
はじめに
このブログで、以前に私が作成した以下のツールをご紹介しました。これらのツールでは内部でgophercloudというライブラリを利用しています。これはGo言語からOpenStackのAPIに接続するためのライブラリです。
gophercloud/gophercloud: Gophercloud: an OpenStack SDK for Gohttps://github.com/gophercloud/gophercloud
https://developers.gmo.jp/10042/
https://developers.gmo.jp/10303/
このライブラリはちょうどGoが登場したくらいの年に開発が始まり、Rackspace社によってメンテナンスがされていました。Rackspaceは元々OpenStackをベースとしたパブリック/プライベートクラウドサービスを提供していた会社で、ConoHaと同様OpenStackをベースとしたパブリッククラウドを提供している数少ない会社でした。そしてgophercloudのGitHubリポジトリも同社のアカウントの配下にあった記憶があります。
ただ残念ながらRackspaceは経営状況が芳しくなく、株式の非公開化や買収などを経て現在はRackspace Technologyに名前を変えており、サービス内容もAWS等を含めたマルチクラウドベンダーのような形を取っています。私も最近は追っていなかったのですが、報道を見る限り再上場などの明るい話もあるようで、少し懐かしくうれしい気分になりました(記事の内容は必ずしもポジティブではないですが、、)
それはともかく、そういった経緯もあってか現在gophercloudは独立した形でメンテナンスが継続されています。
gophercloudを使ってみよう
ConoHa APIのリファレンスも合わせてご覧ください。
ConoHa APIを使う順番として、まずIdentity APIで認証を行い、その後各サービスのAPI(ComputeやBlockStorageやNetworkなど)を呼ぶことになります。gophercloudはこのあたりを抽象化してくれるので非常に簡単です。
package main
import (
"github.com/rackspace/gophercloud"
"github.com/rackspace/gophercloud/openstack"
)
func main() {
// APIの認証情報を設定する
opts := gophercloud.AuthOptions{
IdentityEndpoint: "https://identity.tyo1.conoha.io/v2.0",
Username: "gncu********",
TenantName: "gnct********",
Password: "************",
}
// AuthenticatedClient() は内部で認証を行い、
// 各サービス(Compute, Network, Storageなど)の
// 接続に使われるクライアントを返します。
client, err := openstack.AuthenticatedClient(opts)
if err != nil {
panic(err)
}
// このclientは内部に token を保持しています。
println(client.TokenID)
}
例としてCompute APIを呼んでみます。サーバー一覧を表示するサンプルは以下のようになります。
// 今回は例としてCompute APIを使います。
// gophercloudでは各サービスへのAPIアクセスをProvider構造体に抽象化されていて、
// openstackパッケージにあるNewComputeV2()を呼ぶと、
// Compute APIへアクセスする情報がセットされたクライアントが返ってきます。
eo := gophercloud.EndpointOpts{
Type: "compute",
Region: "tyo1",
}
compute, err := openstack.NewComputeV2(client, eo)
if err != nil {
panic(err)
}
// Compute APIの各機能は
// github.com/rackspace/gophercloud/openstack/compute/v2/servers
// パッケージにあります。
// 各機能を実行するにはクライアント(compute)を渡す必要があります。
listOpts := servers.ListOpts{}
pager := servers.List(compute, listOpts)
pager.EachPage(func(page pagination.Page) (bool, error) {
serverList, err := servers.ExtractServers(page)
if err != nil {
return false, err
}
for _, server := range serverList {
fmt.Printf("%v\n", server)
}
return true, nil
})
もう1つの例としてVPSを作成してみましょう。servers.CreateOpts構造体にパラメータを埋めてCreate()を叩くだけでとても簡単です。
// VPSを作成するような複雑なリクエストもとても簡単です。
// ただ、gophercloudはConoHa独自のパラメータに対応していません。
// たとえば管理者パスワードを設定する"adminPass"や、
// SSHの公開鍵を指定する"key_name"などです。
//
// これらを指定する場合はuser_dataを使うことになります。
// https://www.conoha.jp/guide/startupscript.php
copts := servers.CreateOpts{
Name: "gophercloud-test",
ImageRef: "b9e54c41-cda9-4d84-8248-808bfaf6c793",
FlavorRef: "7eea7469-0d85-4f82-8050-6ae742394681",
SecurityGroups: []string{
"default",
"gncs-ipv4-all",
"gncs-ipv6-all",
},
Metadata: map[string]string{
"instance_name_tag": "gophercloud-test",
},
}
r := servers.Create(compute, copts)
if r.Err != nil {
panic(r.Err)
}
上記のスクリプトは抜粋で、全文はGistにあります。また、私が作ったconoha-netでは同じ要領でNetwork APIを実行しているので、こちらも参考になるかと思います。参考:https://github.com/hironobu-s/conoha-net/blob/master/conoha/network.go
gophercloudを使うと、ConoHa APIを使った開発がとても簡単になることがわかりましたね。
それではまた次回お目にかかりましょう。