GMOインターネットグループが今年4月から開始する、年間を通してデザイン・クリエイティブの発信を強化する施策「Creator Synergy Project」の取り組みとして、本ブログでもデザイナー・クリエイターへのインタビュー連載をスタートしました!
第4回は、GMOインターネットでインハウス映像制作に携わる加藤優真さんのインタビューです。学生時代から映像にのめり込み、事業会社で手を動かすことを選んだ理由とは。チームを育て、現場を動かす若手の視点を追いました。
目次
映像に惹かれた原体験とインハウスという選択
—加藤さんが映像に興味を持つようになったきっかけは?

加藤
小さい頃から機械に触れるのが好きでした。機械好きな祖父の影響もあり、家にはビデオカメラやパソコンがあったんです。何かを撮ったり動かしたりすることが日常の一部で、そうした環境が映像への興味の原点になったのだと思います。

加藤 優真|GMOインターネット株式会社 ドメイン・クラウド事業本部 クリエイティブ部 映像チーム リーダー
2000年生まれ。高校時代は放送部に所属し、NHK杯全国大会への出場経験を持つ。大学では放送・映像制作を専攻し、復興支援活動を題材にしたドキュメンタリー制作にも取り組む。学生時代からAdobe Premiere Rushのユーザーグループ代表として登壇や講演、記事執筆を行い、Adobe MAXでは国内外で講師を務める。2022年、新卒でGMOインターネット株式会社に入社。入社1年目から全社集会映像などの主要案件を手がけ、4年目には映像チームのリーダーに抜擢される。2025年にはGMOインターネットグループの技術・クリエイティブにおける活動でインターネット業界発展に貢献するエキスパートにも就任。社内外の映像制作に加え、採用活動や社内向けAIセミナーのライブ配信を通じて発信にも取り組む。渋谷スクランブル交差点での広告映像放映、商材やIRなどコーポレート関連けの映像制作など、成果を数字で示す実装型クリエイターとして、インハウスの映像価値を広げている。

加藤
興味の向くまま、中学では放送委員会に入り、校内放送などを担当しました。活動を通して「これは面白いな」と感じた僕は、高校選びでも「放送部のある学校に行きたい」と考えるようになりました。
こうして進学した高校では、放送部の活動にかなり本気で取り組みました。いわゆる文化部としては珍しく、土日も学校に通って活動するほどの熱量でした。校内イベントの映像制作はもちろん、NHK杯(通称Nコン)などのコンテストにも出場し、忙しいながらも充実した日々を過ごしましたね。
部活動では、撮影や編集はもちろん、企画やディレクションまでも自分たちで手がけるスタイル。しかも、分業というよりは、1人が一貫して制作に関わるのが基本でした。この経験は、今の仕事にも通じていると思います。
—そのまま自然な流れで、大学でも映像を専攻なさったと。

加藤
はい。もっとしっかり映像と向き合いたくて、映像コースのある大学に進学しました。高校に比べて機材も環境も整っていて、関わる人数も一気に増え、スケールが大きくなったことを実感しました。


—大学時代で、印象に残っている制作経験があれば教えてください。

加藤
やっぱり卒業制作ですね。ドキュメンタリー作品として、山の整備や復興活動に取り組んでいるボランティア団体を取材させていただきました。何ヶ月も現場に通って、撮影と編集を重ねながら丁寧にまとめていくプロセスは、学びと感動にあふれていました。今でもその団体とはつながりがあり、活動を手伝うこともあります。
加藤さんが大学の卒業制作として手掛けた「鋸山にかける想い」 復興プロジェクト

加藤
この作品を通じて、人と向き合って話を聞き、その人の思いや背景を映像として表現することが、とても楽しいと感じました。「自分は映像で何を伝えたいのか」という軸が、ここで明確になったように思います。
—それだけのクリエイティビティをお持ちであれば、フリーランスとして活躍する道もあったのでは。あえてGMOインターネットへの就職を選んだ理由は?

加藤
実は学生時代、学業とは別に個人で映像の仕事を請ける機会がありました。テレビ業界、YouTuber、インハウスのクリエイターなど、さまざまな働き方に触れるなかで、それぞれの魅力や難しさを自分なりに感じ取っていたと思います。
そこで、企業の中で映像制作を担うインターンに参加してみたんです。実際に体験してみると、映像専門の制作会社とは違い、事業会社の一員として会社全体やサービスを映像で支えていく立場に強く惹かれました。


加藤
そうした経験から、自分としては、会社全体ともっと長く深く関わりながら、事業そのものを一緒に育てていくような仕事の方が合っていると考えるようになったんです。
上記の経緯から、2022年に新卒でGMOインターネットに入社しました。
—入社前には、GMOインターネットでのお仕事にどのようなイメージを持っていましたか?

加藤
正直なところ、当時は映像制作に関してあまり情報が発信されていなかったので、具体的なイメージが持てないまま入社式を迎えました。ドメイン登録サービス 「お名前.com byGMO」やレンタルサーバーサービス 「ConoHa byGMO」といった有名なプロダクトは知っていたので、「もしかしたら関わることができるかもしれない」と、漠然と期待していましたね。
そして、その期待はいい意味で裏切られました。1年目の夏に、全社集会で流す映像の制作に携わる機会をさっそくいただけたんです。業務効率化をテーマにした企画で、グループ各社の方にインタビューして素材を集め、1本の映像に仕上げるという、かなり本格的な案件でした。
丸山さん( 現GMOインターネット株式会社 ドメイン・クラウド事業本部 クリエイティブ部 エグゼクティブリード)とふたりでカメラを回しながら、どうにか形にしていった記憶があります。新卒の自分にそうした大きな仕事を任せてもらえたことで、「手を挙げれば任せてもらえる」社風を強く実感しました。
ひとりで完結しないから面白い
—そうして活躍される中で、4年目に当たる今年、映像チームのリーダーを任されたそうですね。

加藤
はい。この春からリーダーを務めています。実は、チーム内では私が一番年下なんですが、役職がついたことで、「自分がどう動くか」だけでなく「チームとしてどう動くべきか」を常に考えるようになりました。もともと人に気を配るのは得意な方でしたが、それが性格ではなく役割として求められるようになった実感があります。視座がひとつ上がったというか、求められる配慮の深さが変わりました。

—そもそも、映像チームはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか。

加藤
2022年に私が入社した当時は、映像チームという明確な組織はまだなく、デザイナーが中心のクリエイティブチームの中に、映像が一部門として含まれているような状態でした。でも、徐々に映像のニーズが高まり、自社内で映像を作るようになっていったんです。インハウスで映像を制作する会社はまだ少なかった時期だったので、GMOインターネットグループの取り組みはかなり先進的だったと思います。
—現在のチームには、どのようなメンバーが所属されていますか?

加藤
実写、モーショングラフィックス、配信、音楽制作など、それぞれ異なる得意分野を持ったメンバーがそろっています。最近はSNS向けの映像制作にも強い方も加わり、テンポよく、見栄えのする映像を短時間で仕上げるなど、チームの幅がさらに広がっています。
GMOインターネットグループにはドメイン登録・販売(レジストラ)事業、クラウド・レンタルサーバー(ホスティング)事業、インターネット接続(プロバイダー)事業があり、商材によってターゲットや目的がまったく異なります。それぞれの魅力を最大限に引き出すには、映像の見せ方や演出のトーンも柔軟に切り替えなければなりません。それがすごく面白いんですよね。
今では、グループ内で「ほぼすべての商材で映像が活用されている」と言えるくらい幅広く制作に関わっていて、充実した毎日です。
▼加藤さんが所属する映像チームが2024年に作成した映像集をまとめたデモリール
—幅広いジャンルに対応できる環境は、いちクリエイターとしても大きな学びにつながりそうですね。

加藤
その通りです。GMOインターネットグループ全体に共通する文化として、「手を挙げれば任せてもらえる」というのがあります。やったことがない案件でも「やってみたい」と言えば、挑戦の機会をもらえる。ちょっと背伸びした経験が積めるんです。
さらに、専門分野の異なるメンバーがそろっていることで、これまで挑戦したことのない表現にも取り組みやすい。たとえば、モーショングラフィックスが得意なベテランメンバーが「SNS向けのショート動画をもっとやろう」と提案してくれて、実際にそのまま担当してくれたこともありました。その時は、2〜3カ月の間に60本ほど制作したんじゃないかと思います。
映像表現の幅は非常に広いので、今後もできることをどんどん増やしていきたいですし、メンバーのみなさんにもそうあってほしいと願っています。商材によっては、自分の得意なスタイルが必ずしも正解ではない場合もあるので、ときに他のメンバーの力を借りつつ、チーム全体で新しい表現に挑戦していける環境は、インハウスの大きな強みですね。
—チームでの仕事の進め方についても教えていただけますか。

加藤
「映像クリエイター」というと、企画・撮影・編集などが分業されているイメージを持つ方も多いかもしれませんが、私たちのチームは少し違います。いわゆる「ビデオグラファー」に近いスタイルで、企画から撮影、編集、納品までを基本的にはひとりで完結させる体制です。
誰かの指示に従うのではなく、自分の頭で考えて、自分の手で最後までつくりきる。これが、私たちのスタンスです。


—案件はどのような流れでスタートするのでしょうか?

加藤
マーケティング、CS、広報、IR、人事など、社内のさまざまな部署から相談を受けます。「こういうことをやりたいんだけど」といったざっくりした話からスタートすることも多く、内容のすり合わせから一緒に行うことがほとんどです。
柔らかい状態からのスタートが多いので、ひとたび相談を受けたら、目的を丁寧に確認するようにしています。会話を重ねるなかで「映像が最適な手段ではない」と判断した場合は、他の方法を提案することもありますね。とにかく、フラットに話し合いながら、「その目的のために何がベストか」を一緒に探っていくようにしています。
納期などの調整も、パートナー(社員)同士なので比較的スムーズですね。難しければちゃんと相談して調整できますし、逆にこちらも、パートナー同士だからこそ「早めに間に合わせるぞ」となることもあります。そういう関係性が築けるのも、インハウスの恩恵です。
映像でサービスを支えるだけでなく、社内のカルチャーやチームの在り方にも変化をもたらす。
加藤さんが目指しているのは、“任せて伸びる”チームを育てることでした。
後編では、リーダーとしての視点、数字と向き合う姿勢、そしてAI時代に求められる映像クリエイター像について深掘りします。
▽インタビュー後編はこちらから
【インタビューVol.5 後編】若手リーダーが挑む攻めの映像戦略


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