【開催レポート・前編】第5回 京大ミートアップ|フィジカルAI最前線

2025年12月12日、京都大学 学術情報メディアセンター 南館4Fにて、「第5回 京大ミートアップ supported by GMO」が開催されました。このイベントは、京都大学 首藤研究室とGMOインターネットグループが共催し、アカデミアとビジネスの垣根を越え、AI・ブロックチェーン・サイバーセキュリティなど先端テクノロジーの「実践知」を学ぶことを目的としています。
今回は、こちらのイベント開催レポート前編・後編に分けてお届けします。

イベント概要

ご挨拶:京都大学首藤教授

第5回 京大ミートアップ supported by GMO
フィジカルAI最前線:自動運転・ヒューマノイドロボット・人とロボットの対話

日時:2025年12月12日(金)17:30~20:20
場所:京都大学 学術情報メディアセンター 南館4F
参加費:無料(学生限定、学生証提示あり)
形式:現地+オンライン配信、懇親会あり(飲食提供)
https://kmu.connpass.com/event/372639/

Session1『ヒューマノイドの社会実装に向けた取り組みと技術的な課題』

GMOインターネットグループ滝澤

滝澤 照太
GMOインターネットグループ株式会社

まず1つ目の発表は、GMOインターネットグループの滝澤より当社が取り組むヒューマノイドロボット開発の最新状況と、その裏側で直面している技術・運用上の課題についてご紹介しました。滝澤は G R & D 本部として、グループ会社であるGMO AI & ロボティクス商事株式会社(通称GMO AIR)が展開するヒューマノイド事業を技術面から支援しており、派遣サービスや展示会運用など、多くの実働フィールドでロボットを動かしてきた経験を踏まえてお話ししました。

まず、国際ロボット展2025で披露したダンス・給仕・箱運搬などのデモを例に、ヒューマノイドの「運用の難しさ」が語られました。機体の重量や姿勢調整の大変さ、安全性・音・振動など、実際に現場へ持ち込むと見えてくる課題は多くあります。また、現在流通しているヒューマノイドは研究用が中心で、二次開発が必須である点も課題として挙げられました。

技術面では、低減速比モーターによる高い応答性やバックドライバビリティの重要性、さらにヒューマノイド制御に欠かせない運動学・逆運動学の考え方を解説しました。特に展示会で披露した“ダンス”は、モーションキャプチャー → リターゲティング → 強化学習モデル構築 → 実機デプロイというプロセスで実現しており、その技術的チャレンジが紹介されました。

最後に、滑りやすさやすり足への弱さなど、今回作成したモデルが抱える課題、産業利用に向けた安定化・省力化の必要性、そして従来のロボット技術との共存の重要性に触れ、GMOとして今後もヒューマノイド技術に注力していく姿勢をお伝えしました。

滝澤のセッション映像はこちらから

Session2 『LLMを活用した教育ロボット研究事例紹介』

京都大学、東風上奏絵 氏

東風上 奏絵 氏
京都大学 大学院情報学研究科 特定助教

京都大学ヒューマンロボットインタラクション研究室の東風上氏は、教育ロボットと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせた最新研究を紹介しました。テーマは“大学の授業を学生と一緒に受講し、その場で質問を生成するロボット”。これまで主流だった子ども向け教育ロボットから一歩進み、**大人の集団授業でロボットは受け入れられるのか?**という挑戦的な問いに正面から取り組んだ研究です。

研究の出発点は、大学の授業が「静かすぎる」という問題意識。教員の多くは本来、学生の発言を促したいが、質問がないか問いかけても教室は静まり返ってしまうそう。そこで東風上氏は、ロボットが“同級生”として授業に参加し、教員が質問してほしいタイミングで質問をしてくれる仕組みを考案しました。

10名の大学教員へのインタビューを通じ、

 ① 質問するタイミングは教員が指定する
 ② 質問のタイプ(簡単・思考刺激・批判など)は教員が選ぶ
 ③ 質問内容はその場でLLMが生成する

という“半操縦型デザイン”に到達。講義音声をリアルタイムに要約し、8種類の質問タイプに応じてLLMが動的に質問文を作り出す仕組みを構築しました。

実際に大学4クラスでロボットを運用したところ、学生が積極的に発言し始めるまでには至らなかったものの、ロボットが質問する瞬間には興味を示す様子が観察されました。教員からは「質問が生まれそうな空気ができた」「授業の振り返りに役立つ」と好意的な反応が寄せられたそうです。

研究はまだ初期段階ではあるものの、ロボットが授業に参加し、人の学びを後押しする未来が現実味を帯びつつあるそう。今後の発展が待ち遠しい領域です。

スタックちゃん
スタックチャンを用いた実演

東風上氏のセッション映像はこちらから

前編はここまでです。お読みいただきありがとうございました!
後編では、Turing妹尾氏のセッションを中心にご紹介します。

ブログの著者欄

加藤 由香子

GMOインターネットグループ株式会社

グループ広報部 技術広報チーム マネージャー
エンジニア・デザイナーの魅力を届ける仕事をしています。

採用情報

関連記事

KEYWORD

TAG

もっとタグを見る

採用情報

SNS FOLLOW

GMOインターネットグループのSNSをフォローして最新情報をチェック