今年で2回目の開催となるGMO Developers Day 2021では、視聴者アンケートや社内投票を元に4つの賞を選出し、登壇したパートナーを表彰する制度を新設しました。本エントリーでは、ベストセッション賞に選出された『わたしたちがエンジニアになるまで』に登壇した5名の女性エンジニアのインタビューをお届けいたします。
目次
セッション・登壇者紹介
GMOインターネットグループには活躍する女性がたくさんいます。
グループ3社から女性エンジニアに登壇いただき、彼女たちがエンジニアになるまでの経緯、今後のキャリア、女性が働きやすい環境についてトークしました。また若手と先輩エンジニアの対談を通して、女性ならではの悩みやエンジニアのイメージの変化なども語り合っています。
- GMOペパボ株式会社 SUZURI事業部 小林 智恵(モデレーター)
- GMOペパボ株式会社 EC事業部 エンジニアリングリード 杉村 文美
- GMOインターネット株式会社 システム本部 アクセス・お名前グループ SOCチーム 関 芙美恵
- GMOインターネット株式会社 システム本部インフラサービス開発部システムソリューションチーム・DBA 木佐貫 春奈
- GMOブライツコンサルティング株式会社 情報部主任 小林 千峰子
登壇までの経緯
女性エンジニアセッションへの登壇をご依頼した際の率直なお気持ちを教えてください。
関
私は、これまでいろいろなイベントに参加し登壇をさせてもらっていた方ではあると思うのですが、グループ企業横断で会社を越えたみなさんと一緒に登壇するというのははじめてでした。
『女性エンジニア』というくくりの中で話すこともはじめてだったので、どんな話をするのかわからなかったという意味では不安の方が大きかった、というのが率直な感想です。
私は、プライベートでRails Girls(https://railsgirls.jp/)という女性を対象としたコミュニティ運営の活動をしていて、これまでにも女性が集まって話したり、発表したり、場所を作ったりといった経験をしています。そのため女性セッションというのは意外な感じではなかったのですが、自分が所属しているグループで女性エンジニアにフォーカスされた企画が立ち上がったということがうれしかったですし、そこに自分が参加できる機会をいただけてよかったなという風に感じていましたね。
小林(智)
杉村
私は登壇のお話をいただいたとき、外部で開催していた女性エンジニア向けセミナーに参加したことがきっかけでちょうど女性エンジニアとの交流の場・情報交換の場を作りたいと思い、弊社内で女性エンジニアのチャットグループをつくっていたタイミングだったんですよ。情報交換やランチ会など交流の場を持てたらいいなと思っていました。なので、弊社内だけでなくグループの女性エンジニアとつながれるとう意味でもこれはいい機会だなということで乗っからせてもらいました。
私はこういう機会ははじめてのことで、最初は不安と緊張しかなかったですね。はじめは、働く環境も条件も違うグループ会社のみなさんと『女性エンジニア』というくくりの中でどんな話ができるのか、求められているのかというのが見えなかったので不安が大きかったのだと思います。ただ、登壇するみなさんの取り組み内容を聞いたりともに会話する中で『女性である』ということよりも『自身のキャリアや生活スタイル』をありのまま話せばよいということを感じ、不安が少しずつ払しょくされて登壇を決意できました。
小林(千)
木佐貫
私は声をかけていただいたときの第一印象として『おもしろそう!』でした。ただ私は新卒3年目で、キャリアについてあまり真剣に考える機会がなかったんです。キャリアという言葉に対する漠然とした不安がありました・・。そういう意味で、私が登壇して大丈夫だろうかという思いは少なからずあったのですが、先輩方の意見やお話を聞ける貴重な機会をせっかくいただけたので、私自身も女性エンジニアとしてのキャリアについて学ぼうといった姿勢で参加させていただければと思っていました。
和気あいあい!グループ・拠点を越えたチームでの登壇
関
登壇までに顔を合わせた機会って2回でしたっけ?
2回ですね!!ディスカッションの内容はリハで簡単に話してはいましたけど、リハと本番結構内容違いましたよね‥笑
小林(智)
小林(千)
そうそう、みなさん内容をリハ以上に膨らませてたから当事者ながらすごいなって思っていました!!!
自己紹介はぶっつけ本番でしたよね!!経歴とか業務の詳細は本番ではじめて聞きました。
杉村
小林(智)
エンジニアになるまでの経緯がみんないろいろで面白かったですよね!
当日まで業務の内容やエンジニアとしてどのレイヤーで仕事しているか知らなかったから、『アプリエンジニア』に限った話とかではなく、もっと広い概念でエンジニアの女性目線の話ができたのが逆によかったなと思いましたね。とっても新鮮でした!
関
木佐貫
わたしはオンラインでの登壇ははじめてだったんですが、どれくらいの人が視聴してくださっているのかわからない不安ではある一方で、リアルタイムで対面に人がいないことでリラックスして望めたというのはあります。笑
わかるー!笑
杉村
グループや拠点、業種が違う人たちとの登壇準備に際して難しかったことや工夫したことはありますか?
小林(智)
個人的にはモデレーターという役割をはじめて経験しましたので、最初は迷いもありました。はじめましての人たちとディスカッションをする際にありがちなのが、緊張したり遠慮したりして意見が出てこないみたいなことかなと思って。円滑に進行していくために、リハ前には時間配分や話すテーマのたたき台をつくって臨んだというのが工夫点です。
時間配分を提示してくださったのはとても進めやすかったですよね!トーク配分の目安とかテーマの共通認識が持てたのでスムーズに話ができたと思います。
杉村
木佐貫
私は普段の業務でグループ企業の方も含め社外の方とかかわる機会がほとんどなかったので最初は戸惑いや難しさも感じました。でも顔合わせでみなさんとコミュニケーションを取ったり、小林さんが配慮してくださった進行のおかげで登壇に向けては不安なく望むことができましたね。
よかったよかった!!
小林(智)
登壇して得られたもの・影響
関
アンケートで生の声を聴けたのがうれしかったですよね。やってよかったなって思いました。
うれしかった!!とても多くの反響をいただいて、たくさんの方に見ていただけたんだなっていうのが感じられましたね!!
小林(智)
アンケート一部抜粋
- これからこう言う部分は大事になってくると思います。いい環境作りお願いします。
- GMOの女性目線からみた制度だったり働き方を知うことができて参考になりました。
- さまざまなサービスが繁茂する時代に女性の視点でエンジニアリングを行うことは非常に重要だと思います。その点で在宅や育休などの支援は非常に重要だと思いますし、女性の当事者の皆様のご意見を聞けたことも非常に勉強になりました。
- 継続的に開催していただき、視聴機会を増やしていただけると益々有効だと思います。
- 女性エンジニアならではの視点で普段自分が気づけない部分であったり、制度の話など充実しているように見えてもまだまだよくできるのではないかなと思う部分もあったのでよりよい会社にしていくために自分も尽力できればなと思いました!女性エンジニアはまだまだ少ないので、現場の方の生の声を聴ける機会を設けていただけて嬉しいです!どういう事で悩んでいて、どう改善したかを聞けてとても参考になりました。
杉村
登壇が終わったあとの反響で、弊社内で作成した女性エンジニアグループのチャットでは生理休暇の話で盛り上がりました。
そういえばリアルタイムのチャットの中でもコメントされていましたが、そもそも「生理休暇」という名前が使いづらいかもしれませんね。承認する方も男性だと抵抗感ある方もいるかもしれないですよね。
小林(千)
杉村
改めて社内でも議論が展開されるきっかけになったので、セッションを通してよい影響が広がっているなと思いました。
あとは、登壇して終わり!じゃなくて、ここの登壇メンバーで後日ランチ会したり、グループ横断で女性エンジニアのコミュニケーションチャンネルができたこともよかったですよね!
小林(智)
杉村
本当に!なんとなくみんなが思ってたけど発信しにくかったり相談しにくかったことを共有する場ができたのがよかったですよね!周囲に女性エンジニアが少なすぎて機会がなかったので。それぞれの場所でみんな頑張っているんだなとか、その仲間とつながれたことで登壇した意義があったなと感じることができましたね。
私自身、就活の時にも感じていたんですけど、人生のターニングポイントにおいては会社やめたりしないとなのかなぁ、戻ってこれないのでは・・?みたいな漠然とした不安もあったんです。でもそうじゃないんだなということをセッション登壇を通して感じることができて、先輩方のお話を聞くことができてとても安心できたので個人的にも参加できてよかったなと感じています。
木佐貫
女性エンジニアとして登壇するむずかしさ
小林(智)
木佐貫さんが本編リハのときに話されていたと思うのですが、友人に「女性でエンジニアって珍しいね」って言われたっていってましたよね?
はい、そうでした!どちらかというと私たちよりは周囲の方が「女性なのに」といった感覚を持たれている方が多いように感じますね。
木佐貫
関
個人的な感覚ですけど、実際のところ女性が理系職業につくことってまだまだ少数派だとは思うんですが、ここにいるメンバーってみんな少数派の当事者じゃないですか。当事者側からすると女性エンジニアについて語りましょうと言われたときに『意識したことないかも!』って思いましたね。笑
世の中まだまだ理系は男性、文系は女性というイメージがある中で、女性がエンジニアになる機会が少ないというのが現実なんですよね。さっきちょっと触れたんですがわたしが携わるRails Girlsの活動の目的は「アファーマティブアクション」です。簡単に言えば、性別による格差をなくしていこうということです。女性がエンジニアを目指したり、理系職業につくことももっと選択できる社会、「女性」として登壇しなくてもよい社会が理想です。そうした社会を目指していくために、今エンジニアであるわたしたちが発信する機会を増やしていくことが大切かなと思っています。
小林(智)
小林(千)
今回の登壇機会をきっかけに、社会的に女性エンジニアという枠組みで活動されている方がいらっしゃることを知ったり、同じ女性エンジニアのみなさんの意見や考えが聞けたことで発信することを楽しいと感じることができ勉強になりました。「女性」というと「子育てと仕事」という軸での登壇とういうイメージがあったのですが、とても繊細なテーマであるということが私の中でひっかかっていました。でも、みなさんと登壇を通して、女性エンジニアとしての「キャリアや働き方」という大きな枠組みの発信がとても多くの共感や反響につながったことでこういった機会や取り組みが増えるといいなと思いましたね。
GMO Developers Day開催の意義について
小林(千)
グループ横断のセッションって、やってみて受けてみてよかったなと思っています。こういったグループ内のつながりを持てたこと、輪が広がっていくことって貴重だなと感じていますし、自身の学びにもなりました。
近しい女性エンジニアと話していてハードル高いなと感じていたことがあります。それは、人前で話すこと。怖いじゃないですか、かつエンジニアの登壇ってなると技術的な話題で・・。でも悩みや働き方、コミュニケーション方法などを発信してくセッションであれば幅広く登壇できる人はいると思いますし、求められていることなんだなというのを今回のセッションでつかんだ感覚があります。
技術の発表やワークショップなどはまだまだ自信がない女性エンジニアの、登壇デビューのきっかけにこのイベントがあるといいなと思いましたね。
木佐貫さんが「キャリアビジョンがないです」って言ってたんですけど、それも1つの答えだと思うんです。そういう過程を踏んでたくさんの経験をしてくことでキャリアにつながるということを聞けるだけで救われる人もいると思っています。
だから、若手も発信することの楽しさを感じることができるスモールステップとしてもぜひ活用していけたらいいのではと感じていますね。
関
さいごに
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
GMO Developers Day2021は全セッションYouTubeにてアーカイブをご視聴いただけます。ぜひご覧ください。
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