こちらは、クリエイターを目指す人や、クリエイティブに関わる仕事をしているが一周回ってよくわからなくなってしまった人のための記事です。コーヒーや紅茶を片手に、肩の力を抜いた状態で読まれることを、強く推奨いたします。
目次
はじめに
はじめまして。豆腐は食べられるけど、豆乳を飲むと喉がかゆくなる方の、丸山です。
クリエイターとして成長するための心得として紹介するこの記事は、GMOインターネットグループ株式会社のクリエイターとして成長するための方針として、まとめた内容になっています(でもこの記事をキッカケにちょいちょい変えちゃいました)。
「ちょっとそこはウチとは違うなー」という部分も当然出てくるとは思いますが、そこも含めて「そっちではそうやってるのね〜」という、制作の裏側を垣間見るような気持ちで、気軽に読んでいただけたら幸いです。
その中でも、「あ、これは使えそう!」という内容が一つでも見つかって、あなたの明日からのクリエイティブ制作の一助になれましたら大変うれしく思います。
クリエイターって何をする仕事?
それは「答えではなく、問いをつくるしごと」と考えています。
いきなり禅問答みたいな入りですみません。
この考えは、世界的な広告クリエイターとして有名な杉山恒太郎さんの言葉を引用しています。
AI(人工知能)が普及する時代、人間に求められる力は「課題解決力」ではなく「自ら問いを作る力」。つまり時代は「ソリューション」から「クエスチョン」へ変化している。面白い作品を作るために面白い問題を見つけて自ら作り出す力。この人間にしかない力を身につければ、AIを恐れることはなく、むしろAIを利用できる。したがって、これからのクリエイティブのお仕事は、面白い「インサイト」すなわち洞察力を磨くことで良い「クエスチョン」を作り、良いクリエイティブを生むことである。
私たち、インハウスのクリエイターに当てはめると、「課題・問題を見つけて問いを作り、より良いクリエイティブを生むことで、結果として事業に貢献していく力」を持つ人が、いわゆる「クリエイティブ力がある」と言えるのではないでしょうか。
ではクリエイティブ力を身につけるにはどうしたら良いのか・・・
クリエイティブ力って算数かもしれない
まずはもちろん、会社やサービスにとっての課題・問題が何なのかを知る必要があります。そして、その課題に対して、何ができるのか必要なのかを問いかけてみます。
「おーーーい・・・」
・・・と声をかけても、返事はしてくれないので、私の解釈になりますが、この内容を算数に置き換えてみます。「課題・問題を見つけて問いを作る」を「算数の計算式を考える」に置き換えてみましょう。
「3」が、仮に課題だったして、そのための問いは、「1+2」「3×1」「12-9」などなど、いくらでも考えられます。クリエイティブに答えが無いとよく言われるのも、こういう事なのでしょうか。違うかもしれません。でもなんだかデザインが計算式を作る作業と似ていると考えると、ちょっとだけ身近に感じていただける方もいるのではないでしょうか。
この「式=問い」を考えていき、その見え方、伝わり方が、伝えたい相手にとってベストな形であるかどうか、またはより良く見せるためにはどうしたら良いか、を整理していく事が、クリエイティブ力につながっているようにも思います。
要するに、ただ闇雲に計算式(問い=デザインなど)を並べても、どれが良いのか判断基準はありませんし、なぜその計算式(問い=デザインなど)がベストなんですかと言われた時に、「なんとなく」しか答えられない状態ではクリエイティブ力が高いとは言い難いと思います。そこで、情報をいかに整理しわかりやすく伝えられているかが鍵となってくるのではないでしょうか。
情報を制するものがクリエイティブを制す
課題や問題がわかった後、じゃあどうするべきかを悩む時、解決へと導く手法は様々(TVCM放映、LP公開、バナー掲載、既存のWebサイト改修、イベント企画等)なので、今回は「デザイン」に特化した例で進めたいと思いますが、クリエイターのお仕事には、情報との向き合い方がとても大切、という共通点があると思います。
- いかに早く、適切な情報を収集・ヒアリングし(収集スピード)・・・つくる前
- いかに早く、美しくかっこよく処理し(制作スピード)・・・つくっている時
- いかに早く、的確にわかりやすく伝わるか(伝達スピード)・・・つくった後
上記3つをクリエイターに必要な3つのスピードとして考えています。因みに、ここまでで「わかりやすく」という単語を使ってきましたが、これはあえて入れています。制作物によっては「逆にわかりにくくする」など奇を衒(てら)う手法もあると思いますが、まずベースを考えるという意味で、大事な要素と考えているためです。
話を戻します。この3つのスピードを実現するために、結果としてAdobe製品などのソフトウェアを活用する必要があります。
言いたいことは何かというと、クリエイティブ力を発揮するために必要なことは、情報をいかに整理し伝えるかであって、ソフトが使えるだけがクリエイターではない、ということです。
いくらソフトの知識が豊富でも、その技術が日の目を見るのは、情報がわかりやすく美しく整理されて相手に刺さりやすいものになっているクリエイティブだけなのです(基本的には)。
制作したものがきちんと世の中に触れてもらうためには、まずは3つのスピードなどを意識しながら、情報をいかに整理していくべきかに特化して考えても良いくらいです。その結果、この色を見たらこう感じやすいから、とか、こういう構成にしたらこの順番で読んでくれるから、とか、文字だけだとわかりにくいから挿絵を入れよう、とか、見る人・使う人の気持ちになって考えようと、自然とシフトしていくのではないでしょうか。
「見る人のこと考えなきゃ〜・・」と頭から突っ込むのではなく、まず課題を明確にし、伝えるべき相手や情報の整理方法を考え、その上で最終的な見え方(デザイン)を決めることで、無理なく正解にたどり着くことができるのではないかと思います。
それをより快適に実現させるためにソフト(技術)がある、と考えれば、クリエイターってAdobeがすべてじゃないんだな、と立ち返る事ができるのではないでしょうか。個人的には、ソフトはAdobeがすべてと言っても過言ではない気がしておりますが・・・
おわりに
そんなわけで、ここまで読んでいただいた方はもうお気づきかもしれませんが、最終的に辿り着くのは、クリエイターにとって大事な要素って、別にクリエイターっぽくない!ということです。クリエイターを前提に物事を考えるのではなく、伝えたい相手にとって(またはサービスにとって)何が最善かをより深く想像できる人の方が、よりクリエイティブ力を身につけることができるのではないでしょうか。クリエイターになるために技術を学ぶこともさることながら、まずは身近な人に対して、思いやりを持つ習慣から始めてみる事などが、クリエイターにとって意外と大切なポイントだったりするのではないでしょうか。
最近のお仕事
最後におまけとして、そんなアンタはなんなのよ、ということで最近のお仕事を少しご紹介して終わりたいと思います。最初から最後まで読んでいただいた方も、この部分だけ読もうとしている方も、貴重なお時間を使っていただけることに感謝いたします。ありがとうございました!
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