Japan Drone 2025 出展レポート~陸・海・空を駆けるドローン&ロボット展示会~

こんにちは。GMOインターネットグループ グループ広報部の石井 純です。 2025年6月4日〜6日、幕張メッセで開催された「Japan Drone / 次世代エアモビリティEXPO 2025」にて、GMOインターネットグループはPlatinum Sponsor(プラチナスポンサー)として出展いたしました。

今回は、GMO AI&ロボティクス商事株式会社のコンテンツを中心に、陸・海・空のあらゆる現場で活躍するドローン・ロボット技術と、それを支える通信インフラやセキュリティの重要性を、「体験」と「ストーリー」によって伝える構成で出展を行いました。 本レポートでは、ブースにご来場いただいた皆さまとともに体験した、物語のような3日間の様子をお届けします。

ひとみん(ヒューマノイドロボットの人材派遣型サービス)もノベルティ配りに大奮闘

目次

「すべての空にセキュリティを」──出展テーマに込めた思い

GMOインターネットグループはこれまで、「すべての人にインターネット」をコーポレートステートメントに掲げ、インターネットインフラ、広告・メディア、金融、暗号資産など、多岐にわたるサービスを提供してきました。

そして今、空が新たなフロンティアとして注目され、ドローンやeVTOLが社会で活躍しはじめています。 その安心・安全を支えるのは、変わらずインターネットの基盤技術とセキュリティ技術です。

飛行や機体技術は勿論、通信とセキュリティ、そして“守るための視点”こそが、次の社会インフラの中核を担う上で重要なポイントと私たちは考えています。

セキュリティは“空”でも欠かせないインフラへ

ドローンやロボットは通信を介して動作しており、利便性の裏側にはサイバー攻撃や乗っ取りといったリスクが潜んでいます。

今回の展示では、単なる機体紹介にとどまらず、「社会を守る技術とは何か?」という問いを投げかけ、その答えをステージ演出実機展示に込めました。

陸・海・空すべてにロボットでアプローチ

GMOインターネットグループが所有する6体のロボットに加え、今回ご協力いただいた企業からも9体の最新鋭機が集結。 合計15体の展示により、ドローン・ロボットの総合商社としてのGMO AI&ロボティクス商事株式会社の姿を鮮やかに印象づけました。

<陸のテーマ> 産業・災害現場を支えるロボティクス

DEEPRobotics X30(株式会社 エルザ ジャパン)

災害対応や工場検査など、過酷な現場での運用に対応した四足歩行ロボット。複雑な地形や気候条件にも対応し、リアルタイムモニタリングや緊急対応を可能にします。

DEEPRobotics Lynx(株式会社 エルザ ジャパン) 

IP66準拠の防塵・防水性能と高い機動力を兼ね備えた産業用四足歩行ロボット。段差や傾斜も走破し、自律走行や自動充電機能を備えています。

Collibot(NUWAロボティクスJAPAN株式会社)

Kebbi Airを搭載し、自律走行が可能なロボット。レストランや展示会での案内・配膳業務に対応し、生成AIによるスムーズな対話が可能です。

Kebbi Air(NUWAロボティクスJAPAN株式会社)  

多言語対話が可能なコミュニケーションロボット。自然なモーションと対話で、接客や教育、案内など多用途に対応します。

<海のテーマ> 水難救助と水中支援のドローン

SAKURA(株式会社manisonias)   

水難救助に特化した無人航空機。海上へ迅速に飛行し、救命浮環とシーマーカーを正確に投下。スピーカーによる呼びかけ機能も備えています。

Matrice 300RTK 海難レスキュー仕様(株式会社manisonias)    

救命浮環を自動で空中から投下できる海難救助ドローン。小型パラシュートとの組み合わせで、複数箇所への迅速な物資デリバリーが可能です。

画像鮮明化装置IVCS(株式会社manisonias)      

水中や暗所での映像をリアルタイムに鮮明化する装置。視認性を向上させ、水中ドローンとの組み合わせで高効率な探索を実現します。

水中ドローン海難事故捜索仕様(株式会社manisonias)        

高輝度ライトと遠隔操作アームを備えた水中探索用ドローン。IVCSとの連携により、捜索物の発見・回収を支援します。

<空のテーマ> 屋内航行ドローンと空のセキュリティを体感

ドローン屋内自動航行カスタムソリューション『Indoor Quick』2.0(ドローン・ジャパン株式会社)          

GPSの入らない屋内での自動飛行を実現。業種ごとにカスタマイズしたアプリケーションと組み合わせ、点検業務等に活用可能です。

空飛ぶクルマ(VR体験)          

渋谷から用賀までの空中移動をVRで体感。空飛ぶクルマのある世界を想像しながら、空のセキュリティの重要性を直感的に伝えました。

ドローン操縦シミュレータ(VR体験)                                              

国家資格コース準拠のVRシミュレータ。未経験者でも実践的な操作感を体験でき、インフラ点検の模擬体験も可能です。

GMOインターネットグループが所有するロボットも登場

G1(Unitree社)ヒューマノイド「ひとみん」                                             

リモコン操作で動く人型ロボット。歩行や握手、手を振る動作も可能で、倒れにくい安定性が特徴です。

Go2-W(Unitree社)四足歩行ロボ「めぐるん」               

四足にタイヤを装備し、高速移動や段差昇降が可能。逆立ちでの走行もでき、リモコンで障害物コースを走行します。

ugo Pro(ugo社)警備ロボ「まもるん」                    

自律走行とプログラム制御に対応。正面カメラで人物を検知し、PC画面で映像確認・操作も可能です。

GreetingBot Nova(オリオンスターロボティクス社)案内ロボ「なびるん」                                    

顔認識で「何かお困りですか?」と発話。インターネット検索や会社案内も行う、多機能な案内ロボットです。

カチャカプロ(Preferred Robotics社)運搬ロボ「はこぶん」

荷物を載せて自律搬送が可能。スマホ操作対応で、障害物回避機能も搭載。イベント会場内でも滑らかに走行します。


会場が未来を守る舞台になる──2つのステージプログラム

展示ブースだけでは伝えきれない「守る技術」を、もっと直感的に感じてほしい──。
そんな思いから、私たちはステージ演出にも力を注ぎました。

今回のステージは、“物語仕立てのパフォーミングシアター”と“ドローンとロボットのリアルデモンストレーション”の二部構成。どちらも、セキュリティとドローン・ロボティクスがどう社会を守るのかを、物語と体感で伝える内容でした。

第1幕:「ハッキング現場から、ドローンを防衛せよ!」~パフォーミングシアター~

ブース内に突如鳴り響く緊急アラート。
ステージ中央のスクリーンには、工場映像が映し出され、「SYSTEM ERROR」というメッセージが走ります。

観客に突きつけられたのは、まさに“リアルさながらのサイバー攻撃”。
点検中のドローンが何者かにハッキングされ、保安区域内の映像を外部に無断送信しているという、緊迫のシナリオです。中継で登場する「前田さん」からの呼びかけは切実でした。
「このままでは情報漏洩のリスクが…制御端末にも不審な通信ログが…。セキュリティオペレーションセンターの皆さん、復旧の支援をお願いします!」

観客がエンジニアに変わるステージ

ここから、観客の役割が一変します。観客から、GMOイエラエSOC 用賀の一員として対応するエンジニア役に。

ステージに登場するのは、ヒューマノイドの「ひとみん」と、俊敏な四足歩行ロボット「めぐるん」。
「皆さんも一緒に、このドローンを守る戦いに参加してくださいー」

システム構成図や解説者のナビゲートに導かれ、「ドローン運用における脅威の正体」を解き明かしていきます。

守るべきは、機体だけではない

クライマックスでは、「機体」「通信経路」「クラウド」のすべてに対策が必要だと示されます。「ドローンもWebサイトも、“守る構造”がなければ使えない」という現実に、参加者はあらためて納得の表情を浮かべていました。

そして、今回のステージを通して、観客の皆さまにはおそらく、ドローンという最先端のテクノロジーが、いまだに多くの脆弱性を抱えているという現実、そして、それを支える通信・クラウド・認証といった“見えないインフラのセキュリティ”こそが命綱であるということを、実感いただけたのではないでしょうか。


第2幕:“守る技術”がここに。ドローン&ロボット デモンストレーションステージ

ここからは、もしもの現場を想定した“命を守るテクノロジー”の実演ステージへ。
海・水中・陸という異なるフィールドにおける支援技術を、リアルなデモンストレーションとともにご覧いただきました。

【海】──空からいのちを守るドローン「SAKURA」

最初に登場したのは、水難事故を想定した救助シーン。SAKURAは、海難・水難対応に特化した無人航空機で、以下のような装備を搭載しています

  • パラシュート式の救命浮環を最大4基まで搭載し、複数人の同時救助が可能
  • GPS内蔵のシーマーカーにより、流された人の位置も継続追跡
  • 夜間・視界不良時でも、可視光レーザーで確実に捕捉
  • 波間に着水できるフロート構造で、安全な待機も可能

注目すべきはその到達スピード
2025年2月に実施した鎌倉・材木座海岸での実証実験では、1km先の事故現場までをわずか30秒で到達し、従来の人力対応(約3分)を大きく上回る結果を記録しました。

ステージでは海上で溺れている要救助者に向かい、ドローン「SAKURA」が空から急行することをイメージし、ドローンから浮環を投下したデモンストレーションを実施しました。観客にとって“命をつなぐリアリティ”がしっかりと伝わるステージとなりました。

ドローンから浮環を投下する様子はYouTubeでもご覧いただけます

【水中】──見えない世界を“見える化”する「IVCS」

続いては、水中に沈んだモノを探索するデモンストレーション。
水中ドローンが捉える濁った映像を、可搬型の画像鮮明化装置「IVCS」がその場でリアルタイム補正し、対象物の輪郭を明瞭に映し出します。

この装置は、5つの映像モードと画像調整機能を搭載。映像の確認・録画・分析を現場で完結でき、視界ゼロの海底を“見る”現場に変えるテクノロジーです。

水槽越しに映された映像の変化に、観客からは思わず感嘆の声が漏れました。

【陸】──災害現場を進む四足歩行ロボット「X30」

最後を飾るのは、四足歩行ロボット「DEEPRobotics X30」の登場。
想定された災害現場には、煙・水・段差といった障害が待ち構えますが、X30はそれらをものともせず、着実に進みます。

  • -20℃〜+55℃対応の動作温度
  • IP67相当の防塵・防水性能
  • 消火装置などのカスタマイズも可能

こうした特徴により、火災や震災後の建物など“人が入れない場所”に向かうことができるロボットです。
無骨な姿で静かに歩くその姿には、“行けなかった場所に、技術が行く”という強いメッセージが込められていました。

このように、GMOインターネットグループのステージでは「ハッキングと闘う」ステージと「命を守る」実演から、どちらも未来に必要な“守る技術”のあり方を体感できる、濃密なステージとなりました。


今回の「Japan Drone 2025」では、GMOインターネットグループが目指す未来──
「すべての空に、セキュリティを。」というメッセージを、展示とステージを通じて体感型でお届けしました。そこに込めたのは、GMO AI&ロボティクス商事のフィロソフィーと、インターネット企業としての社会的責任の姿勢です。

空や海、陸にドローンやロボットが実装されていく時代に突入し、その“便利さ”を守るためのセキュリティインフラが、次なる私たちの使命です。

ロボットやドローンが広がるほどに、悪意あるアクセスや乗っ取りといったリスクもまた現実のものになります。だからこそ、通信・認証・防御という“守る技術”を、空にも、地上にも、海にも実装していく必要があると考えています。

この出展で伝えたかったのは、「誰かが未来を守らなければ、その技術は社会に根づかない」ということ。そして、その役割を私たちGMOインターネットグループが担う覚悟をもっているということです。

ブログの著者欄

石井 純

GMOインターネットグループ株式会社

東京都出身。国内電機メーカーのハウスエージェンシーにてデジタルマーケティング業務を経験したのち、2024年にGMOインターネットグループ株式会社へ入社。グループ広報部にて技術広報を担当し、イベントや本ブログを中心とした情報発信に従事。Japan Robot Week 2024やCODE BLUE 2024のGMOインターネットグループブースの企画運営を担当した他、GMO Developers Day 2024の開催にも携わる。

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