Hyper-VでAndroidも動きます!さて、何をしましょうか?

Androidを仮想マシンとして利用する方法

WindowsやLinux、FreeBSDが、Hyper-VでサポートされているOSとなっていますが、Androidも仮想マシンとして利用することができます。Hyper-Vとしては正式サポートされていないものの、x86系のプロセッサ上でAndroidを動かそうというプロジェクトが公開しているISOイメージを利用して、実際にインストールの手順や設定方法を紹介します。

http://www.android-x86.org/

Windows Server 2012 R2のHyper-Vでサポートされているゲストオペレーティング システム

OSメモ
Windows 10
Windows 8.1
Windows 8
Windows 7 Service Pack 1 (SP 1)Ultimate、Enterprise、および Professional Edition (32 ビットおよび 64 ビット)。
Windows 7Ultimate、Enterprise、および Professional Edition (32 ビットおよび 64 ビット)。
Windows Vista Service Pack 2 (SP2)Business、Enterprise、および Ultimate (N および KN エディションを含む)。
Windows Server 2012 R2
Windows Server 2012
Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 (SP 1)Datacenter、Enterprise、Standard、および Web Edition。
Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP 2)Datacenter、Enterprise、Standard、および Web Edition (32 ビットおよび 64 ビット)。
Windows Home Server 2011
Windows Small Business Server 2011
CentOS と Red Hat Enterprise Linux
Hyper-V の Debian 仮想マシン
SUSE
Oracle Linux
Ubuntu
FreeBSD

サポートされる Windows ゲスト より

ISOファイルのダウンロード

ダウンロードサイトから[Android-x86 4.4]のISOファイルをダウンロードします。

仮想マシンの作成

Hyper-Vマネージャーからウィザードを使って仮想マシンを作成します。仮想マシンのスペックは、おおよそ以下の通りとしています。

ネットワーク仮想スイッチには、前回の記事「インターネット接続の共有(ICS)を利用した仮想マシンのネットワーク接続」で作成した仮想スイッチ[ICSNet]を指定しています。

仮想マシン名Android4.4
保存場所E:\Hyper-V\Android4.4
世代第1世代
メモリ1GB(固定)
ハードディスク容量可変 20GB
ネットワーク仮想スイッチICSNet
CPU

ウィザードを使って仮想マシンを作成していきます。

世代は第一世代を指定する必要があります。

メモリは1GBとします。

インターネット接続の共有(ICS)を使ってインターネットに接続できるようにします。

仮想ハードディスクの容量は可変で20GBほどを指定します。

ISOファイルから仮想マシンをブートできるように、ダウンロードしたAndroidのISOファイルを指定します。

以上の仕様で仮想マシンを作成します。

OSのインストール

Hyper-Vマネージャーから仮想マシンをダブルクリックして、[仮想マシン接続]を利用してOSをインストールしていきます。

カーソルキーで移動して[Installation – Install Android-x86 to harddisk]を選択して[Enter]。

ハードディスクにパーティションを作成します。

GPTは利用しません。

[New]を選択して新しいパーティションを作成します。

[Primary]を選択して起動パーティションとします。

パーティションのサイズを指定します。既定で仮想ハードディスクの最大容量となっています。

このパーティションからブートするので[Bootable]を選択します。

[Flags]に「Boot」が設定されていることを確認して、[Write]を選択して設定情報を書き込みます。

設定情報の書き込みの確認です。「yes」と入力します。

[Quit]を選択してパーティションの作成を終了します。

作成したパーティションを選択します。

ディスクのフォーマットタイプは[ext3]を選択します。

フォーマットの確認メッセージが表示されるので、[Yes]を選択します。

フォーマット開始されますので、完了までしばらく待機します。

ブートローダーにGRUBを利用するかとの問い合わせは[Yes]を選択します。

GRUB2は利用しないので、[Skip]を選択します。

systemディレクトリを書き込み可能にするかの確認です。 [Yes]を選択します。

インストールが開始されます。

インストール完了後[Run Andorid-x86]を選択してAndroidを起動します。

インストール後の設定

インストールが完了した直後にAndroidを起動すると、初期設定のウィザード画面となります。

カーソルキーでスクロールして、言語は[日本語]を選択します。右矢印をマウスでクリックします。

[Wi-Fiの選択]は[スキップ]を選択します。

この時点で、仮想マシンがDHCPからIPアドレスの取得が可能になるため、インターネットへの接続が確認できた場合は、Googleアカウントの設定画面が表示されます。ネットワークへの接続が確認できない場合は、位置情報の利用画面となります。

今回は「インターネット接続の共有(ICS)」を利用した仮想スイッチに接続しているので、ネットワーク接続が可能となっています。

Googleアカウントを入力します。この時点では英語配列のキーボーとなっているので、メールアドレスの「@」は「Shift+2」で入力します。

Googleアカウントのログインが成功すると、サービスの確認画面となります。この時点でタイムゾーンの設定が自動で行われています。ネットワークに接続してない場合は、位置情報とタイムゾーンの設定画面となります。

ようこそ画面が表示されたら、右端の[OK]ボタンをクリックして進みます。

ホーム画面が表示されてインストール完了となります。

Googleアカウントでログインしていると[Playストア]や[YouTube]などのアプリケーションを利用することができます。

Playストア
YouTube

既定でスリープの時間が設定されているので、[設定]-[ディスプレイ]-[スリープ]から
[常時点灯]を選択してスリープをしないように設定を変更します。仮想マシンで一度スリープしてしまうと、リセットが必要となります。

起動時の設定変更

インストール完了後にAndroidを終了するには、Hyper-Vマネージャーから[停止]もしくは[シャットダウン]を選択します。仮想マシンを再度起動する場合は、CDからブートする設定となっているので、ハードディスクからブートするように設定を変更しておきます。

起動画面では一番上がノーマルモードでの起動となります。

Androidがインストールされた仮想マシンは、チェックポイントなどHyper-Vの機能を利用することができます。ただし、Hyper-Vの統合サービスがインストールされていないので、バックアップや、データ交換など統合サービス依存の機能が利用できません。

これで、Hyper-V上でAndroidを動かすことができるようになりました。

この仮想マシンを使って果たして何をするか、何ができるかは、あなた次第です。
ぜひお試しください。

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ブログの著者欄

樋口 勝一

GMOインターネットグループ株式会社

1999年6月GMOインターネットグループ株式会社に入社。Windows Serverをプラットフォームとしたサービス開発から運用・保守まで幅広く担当。講演登壇や出版、ネット記事連載などでマイクロソフト社と強い信頼関係を構築。「マイクロソフトMVPアワード」を15度受賞し、インターネットソリューションのスペシャリストとして活躍。

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