2023年におけるITトレンドの中心は、間違いなく生成AI(Generative AI)です。
カスタマーサポート業務は企業とお客様が直接触れ合う重要なポイントですが、この分野でもAI技術が次々と取り入れられています。
特に注目されているのが、ChatGPTなどの自然言語処理を駆使したAIです。
ホスティングサービスのカスタマーサポートの現場にも、早くからお客様対応に生成AIを活用してきました。
実際の生成AI活用状況を見てみましょう。
目次
カスタマーサポートで活用している生成AIと活用シーン
生成AIツール活用状況
ホスティングサービスのカスタマーサポート業務では、生成AIツール活用はChatGPT3.5が74.1%もの高い割合で使用されており、その利便性と成熟度が高いことが伺えます。続くChatGPT4.0は14.8%の導入率ですが、こちらは最新バージョンであり、より高度な対話と理解能力を持ちますが、カスタマーサポートでは、利便性を重視してChatGPT3.5を主に活用して、最新の技術情報の案内などシーンによって使い分けています。
その他のツールは11.1%で、その他の生成AIツール、Bing Chat AIチャットボットなどを利用しています。
生成AIツール活用シーン
では、生成AIツールを活用するシーンにはどのようなものがあるか見てみましょう。
生成AI活用シーン項目 | 割合 |
---|---|
AIからアドバイスがほしい場合 | 42.4% |
お問い合わせ文章を要約したい場合 | 18.2% |
ご意見(クレーム)対応 | 9.1% |
メールテンプレートが無く1から文章を考える場合 | 9.1% |
その他 | 21.2% |
一番多いのが「AIからアドバイスがほしい場合」で42.4%です。AIにアドバイスを求めるシーンとしては、例えば、回答案やエラー内容の解析などがあります。
お客様のお問い合わせの問題解決にむけAIからのアドバイスが活用されています。
次いで「お問い合わせ文章を要約したい場合」が18.2%となり、お客様からのお問い合わせに対して、AIが鍵となる情報を抽出し、効率的な応対をサポートしています。
また、カスタマーサポートには避けては通れない「ご意見(クレーム)」への対応も9.1%でAIの助けを借りており、冷静かつ適切な応答を生成することで対応品質の向上に貢献しています。
「メールテンプレートが無く1から文章を考える場合」も9.1%であり、独自性や個別対応を求められるシーンにおいてもAIが力を発揮しています。
今後1から作成する業務のAI活用割合が増えてくると効率化が飛躍的向上すると考えています。
その他の用途では21.2%となっており、カスタマーサポートの幅広いニーズに対応するAIの活躍が見てとれます。
カスタマーサポートで活用しているプロンプト
お客様のお問い合わせに対して正確かつ効率よく対応するには、
優れたテンプレートを活用しつつ、AIの活用が不可欠となってきています。
しかしAIの力を十分に発揮するためには優れたプロンプトが必要となってきます。
AIのプロンプトとは、ユーザーがAIモデルに与えるテキストのことです。
つまり、会話や質問に対してAIが応答するために提示されるメッセージや質問のことを指します。
プロンプトは、AIで生成されるテキストの内容や方向性を具体的に指示するものとなります。
ユーザーがAIにどのような情報を提供するかによって、AIの応答が大きく異なりますので、良いプロンプトを提供することで、AIからより適切な応答を得ることができます。
それでは、カスタマーサポートで利用しているプロンプトをいくつかご紹介します。
プロンプト例1:要約プロンプト
下記の2つをお願いできますか。
1:以下のお客さまからのお問い合わせのメールを、箇条書きで要約してください。
2:その上で、お客さまからの要望を箇条書きで記載してください。
プロンプト例2:作成したメールを整える
電話サポート窓口よりお客様へのご連絡です。
下記、メール文章をわかりやすく丁寧なビジネスメールに変更をお願いします
メール文章
プロンプト例3:技術系のお問い合わせ対応
あなたはカスタマーサポートエンジニアの担当者です。
一流であるあなたに、技術的な側面を加えながら、
お客様のご質問に回答してください。
以下の文章が問い合わせ内容です。
“$本文”
プロンプト例4:ご意見(クレーム)対応
当社サービスに対するクレームへの、返信メールの文例を書いてください。以下の条件に留意してください
#条件
・サービスはドメイン提供サービス
・クレーム内容は「」
・当社の返答は「」
また、メール事例からプロンプト事態を作成して次回のメール作成に活かすことも行っています。
作成したメールから手動で言い回しやクッション言葉を追加して修正したものChatGPTにみてもらいそれに対するプロンプトの作成となります。
例はご意見(クレーム)対応で説明不足に対しての謝罪のメールのプロンプトとなります。
###ペルソナ
あなたはプロフェッショナルなプロンプトエンジニアです。
###命令
ChatGPTに依頼してメール1の文章からメール2の結果となるためのプロンプトを教えてください
###メール1
本文
###メール2
本文
最後に
AIはカスタマーサポート業務を大きく変えており、今後も進化するAI技術がさらに多様な業務に取り入れられるでしょう。ChatGPTのようなツールの活用率が高いことは、AIがコミュニケーションの質を向上させる上で、欠かせない存在になりつつあることを示しています。技術をどのように活用していくかが、お客様満足度を左右する鍵になることは間違いないといえます。
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