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Splunk Observability Cloudを用いてシステムの可視化を実現

旧来のIT運用からの脱却を目指し、日々奮闘しているプロジェクトマネージャーの視点から、Splunk Observability Cloudの導入によるシステムの可視化と、AIによるトラブル原因分析について初心者向けに解説します。

はじめに

現代のIT環境はますます複雑化し、さまざまなシステムやアプリケーションが相互に依存しています。このような環境を効率的に管理し、問題を迅速に特定・解決するには、高度な可視化とモニタリングが不可欠です。そこで登場するのが、 Splunk Observability Cloudです。

本記事では、初心者向けにSplunk Observability Cloudを使用してシステムの可視化を実現する機能を紹介します。また、AIによるトラブルの原因分析も併せて取り上げます。
※具体的な導入手順や画面ショットは、Splunk社無料トレーニングコースでも閲覧可能ですので、そちらも合わせてご参照ください。

Splunk Observability Cloudとは?

Splunk Observability Cloudは、システムの状態やパフォーマンスをリアルタイムで監視し、データを可視化するための強力なツールです。Splunk Observability Cloudは以下のような主な機能を提供します

  • メトリクスの収集と監視
  • トレースやログの可視化
  • 異常検知とアラートの設定
  • ダッシュボードの作成とカスタマイズ

これにより、運用チームはシステムの健全性を常に把握することができます。

システムの可視化の基本手順

では、Splunk Observability Cloudを使用してシステムの可視化を実現する基本手順を見てみましょう。

1. Splunk Observability Cloudの導入

まず、Splunk Observability Cloudのアカウントを作成し、必要なソフトウェアを導入します。公式サイトから無料トライアル版も入手できるので、初心者でも気軽に始めることができます。

※公式サイト画像(こちらから利用登録申請できます)

2. データの収集

次に、監視したいシステムやアプリケーションからメトリクス、トレース、ログを収集します。さまざまなデータ収集エージェントが提供されており、簡単に組み込むことができます。

※データ収集に関する公式サイトの説明のリンク

3. ダッシュボードの作成

収集したデータを基に、Splunkのダッシュボードを作成します。これにより、複雑な情報を一目で把握できるようになります。ドラッグアンドドロップで簡単にカスタマイズできるため、技術的な知識が少なくても直感的に操作できます。

※デフォルトでダッシュボードのテンプレートが複数準備されています。

4. アラートの設定

異常を迅速に検出するために、アラートを設定します。特定のメトリクスがしきい値を超えた場合に通知を受け取るように設定することで、問題が深刻化する前に対処することが可能です。

※アラート設定に関する公式サイトの説明のリンク

5. Splunk Observability Cloudの各種機能の紹介

Splunk Observability Cloudはアプリ・インフラ双方の監視/管理が可能です。アプリはAPM(アプリケーション パフォーマンス監視)、インフラはIM(インフラストラクチャ監視)を用います。

◆APMアプリケーション パフォーマンス監視

自動的に生成されたサービス マップ、タグ分析、トレース検索を使用して、アプリケーションの依存関係を確認し、問題を切り分け、パフォーマンスを最適化します。

※サービスマップも自動生成されます。これで不具合箇所が一目瞭然です。例えば特定のAPI呼び出しに遅延が発生した場合、その原因がデータベースのクエリにあるのか、外部サービスとの通信にあるのかを特定できます。

※下記はデータベースのリクエストのリアルタイムグラフにおいて、スパイクしているグラフを確認し、具体的のどこの部分で遅延が発生しているかを、サービスマップで確認するサンプル画像です。

◆IM(インフラストラクチャ監視)

集計ビューでパターン、傾向、異常を見つけたり、個々のホスト、コンテナ、データベースなどの健全性、パフォーマンス、容量をリアルタイムで詳細に分析したりできます。

※メモリ使用率やディスクI/Oなど容易に監視することができます。例えばメモリ使用率の急上昇を検知し、どのアプリケーションが原因かを特定することで、迅速な対応が可能になります。

AIによるトラブル原因分析

Splunk Observability Cloudでは、AIを活用した問題解決も可能です。AIによる異常検知、根本原因分析を組み合わせることで、システムの運用管理が次のレベルに進化します。

1. AIによる異常検知

AIを活用することで、過去のパフォーマンスデータに基づいて異常な振る舞いを予測し、リアルタイムで通知することができます。これにより、特定の値に関して閾値を設けるなどの、単純なルールでは検知させるのが難しいものが、AIによって普段の傾向と異なる異常な状態として検知させられるようになります。

2. 根本原因分析

トレースやログデータをAIが解析のサポートをします。対話形式でAIに分析させることで、問題の根本原因を特定のするための情報収集の工数が削減出来ます。これにより、問題解決のスピードが飛躍的に向上します。

※Splunk社によるデモ動画が一般公開されています。

おわりに

Splunk Observability Cloudを使用することで、システムの可視化と監視が劇的に改善され、AIによるトラブル原因分析が新しいレベルの運用効率をもたらします。初心者でも簡単に始められるため、ぜひ試してみてください。

参考URL

[Splunk Observability Cloud公式サイト]
https://www.splunk.com/ja_jp/products/observability-cloud.html

[Splunk Observability 無料トレーニングコース]
https://www.splunk.com/ja_jp/training/free-courses/overview.html#observability

[Splunkの無料トライアル版]
https://www.splunk.com/ja_jp/download.html

これらのリソースを活用して、皆さんもシステム管理を効率化してみてください。

ブログの著者欄

佐藤 悠

GMOインターネットグループ株式会社

GMOインターネットグループ株式会社に入社後、運用チームのリーダーとして実業務面のマネジメントに従事。 その他、障害原因調査と再発防止策の立案、ベンダーコントロール、予算策定などを対応。 現在はプロジェクトマネージャーとして、運用の自動化やシステムの可視化機能を導入するプロジェクトを推進しています。

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