未来のエンジニア育成: 九州大学でのIT授業の成果

GMOインターネットグループ株式会社では、2023年から九州大学にて夏学期および冬学期に単位制の授業を開講しています。本ブログでは、授業の紹介と授業を通じて得られた「学生が求める授業」について記したいと思います。

導入

GMOインターネットグループ株式会社では、2023年から九州大学にて夏学期および冬学期に単位制の授業を開講しています。本ブログでは、授業の紹介と授業を通じて得られた「学生が求める授業」について記したいと思います。

自己紹介

私は2022年から、インフラエンジニアの傍ら採用や技術広報の活動に従事しています。採用活動ではインターンシップを担当、技術広報ではインフラ系のハッカソンであるDevSecOpsThonの主催を通じて、採用と企業認知度向上に努めてきました。

授業の概要と背景

これらの活動を通して、九州大学の岡村 耕二 教授とのご縁をいただき、九州大学で総合科目の授業を開講することになりました。弊社がインターネット・Web業界で蓄積してきた技術を学生に伝授し、本業界を共に盛り上げてくれる未来のエンジニアを育成することが主たる目的です。

授業の詳細

参加条件は特に設けず、学部・学年、知識やスキル不問、インターネット・Web業界に興味がある学生は誰もが受講できるようにしました。

2023年の授業

「インターネットサービスを支える技術」という科目名で、情報モラル、セキュリティ、情報テクノロジーの三要素を包括的に学べる内容にしました。容易に理解を深められるようにマインクラフトを教材として取り入れ、デジタル/情報リテラシーの向上と、ICTを駆使して社会をリードする力の育成を目指しました。各コマのテーマと概要は以下の通りです。

1コマ目では、弊社のホスティングサービスであるConoHaの事業企画担当者を招き、Webサービスを作る際の工程を、実際に利用しているフレームワークやその他の分析手法、観点を紹介しながら説明しました。

2~3コマ目はインフラがテーマで、ConoHa VPSを用いてLinux上でマインクラフトのマルチサーバーを構築し、さらに運用を体験しました。

4~5コマ目ではマインクラフトのMakeCodeを使用して視覚的にプログラミングを体験し、プログラミング的思考を養いました。

6コマ目では、近年の事例を基にSNSでの誹謗中傷に関する授業を企業法務担当者が行いました。

7~8コマ目ではマインクラフトを用いたセキュリティ演習を実施し、脅威から情報資産を防衛する策を学びました。

2023年の授業のフィードバック

以下は最終日に学生から回収したアンケート結果の一部です。
約8割の学生がインターネット・Web業界への関心を示してくれました。また、多くの学生がより高度な授業、特にアプリ開発の授業開講を望んでいることが分かりました。

今後弊社に期待する授業

2024年の授業

2023年にいただいたフィードバックを踏まえ、より高度な授業内容に刷新しました。「TODOリストのWebアプリ開発」を通じて、プログラミングスキルとアプリの実行基盤であるサーバーの構築、運用スキル向上を目指します。

前半はJavaScriptとReactを用いたプログラミングを学習し、実際に自分のPCで開発を行います。後半は開発したアプリをConoHa VPSにデプロイ、さらにWebサーバーを構築してインターネット上に公開します。また、インフラの役割や仮想技術、セキュリティの重要性を学びます。

2024年の授業のフィードバック

予期せぬエラーやトラブルにより進行がスムーズではなかった部分がありましたが、概ね好評に終わりました。いま以上の高度な技術習得を求める声が43%あった一方で、より初心者向けのレベルを期待する声が54%ありました。難易度は今後チューニングが必要なものの、いずれにせよ本業界に対する興味は引けたと考えております。

授業を通して身に付いたこと、今後役立ちそうなポイント

まとめ

学生たちの興味が増加していることから、未来のエンジニア育成という目的は達成できたと考えています(少なくともスタートラインには立ってもらえたと感じています)。また、2年間の授業を通じて、学生たちは企業のエンジニアからより実践的な授業、高度なレベルの授業を求めていることが分かりました。

今後も企業に勤める現役エンジニアだからこそできる実践的な授業を提供し、未来のエンジニア育成に努めてまいります。
最後に、このような貴重な機会と多大なサポートを提供してくださった岡村先生に心から感謝申し上げます。

ブログの著者欄

桑原 謙吾

GMOインターネットグループ株式会社

2016年11月にGMOインターネットグループに中途入社。当初よりGMOインターネットのほぼ全てのサービスのシステム運用保守を担当。安定稼働を信条にして停止しないシステム、停止を極小化できるシステム作りを運用保守の立場から構築している。最近はマネージメントの比重が高くなり現場業務に携わることができない中、隙を見て運用自動化に励んでいる。

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