満足度を向上させる本気のシフトレフト!~CS・ES向上の為の私たちの取り組み~

この記事は GMOインターネットグループ Advent Calendar 2024 23日目の記事です。

はじめに

こんにちは!GMOペイメントゲートウェイ株式会社の小池と申します。

サポートセンター国際認定(SCC)と三つ星格付け調査で7回連続最高評価を獲得している私たちカスタマーサポートの取り組み「満足度を向上させる本気のシフトレフト」について紹介します。

シフトレフトってなに?

カスタマーサポートにおけるシフトレフトとは、お客様が問題なくサービスを利用できる状態に近いほど満足度が高くなる、という考え方です。従来、お客様の問題解決はサポートの後半(サポート担当者への問合せ)に行われがちです。しかしながら、問題が発生してから有人サポートに至るまでに、お客様は様々な労力を費やします。それでは問題解決までに時間と手間がかかり満足度が下がります。
そのため、問題が起きる前や初期段階で解決策を提供し、可能なかぎり有人サポートを必要とする前に解決を促すことが重要です。

シフトレフトへの挑戦~私たちがシフトレフトを掲げる理由

私たちがシフトレフトを掲げるに至ったのは、弊社が経営指標として重視している「年平均25%の営業利益成長」に寄与するカスタマーサポートであり続けるためです。

コスト部門であるカスタマーサポートは、コストを抑えつつ顧客満足度を向上させることが使命です。契約店舗数の増加に伴い、問合せ件数を増加させていてはコストが肥大化します。契約店舗数が増加しても、問合せ件数を増加させずに増員を抑え、問合せ対応以外の改善時間を確保しています。

そのために、私たちカスタマーサポートでは3つの点に力を入れてシフトレフトに取り組んでいます。

  • 問題なく快適にサービスを利用できる状態にするためのVOC(お客様の声)からのサービス改善
  • 不明点が出てきた場合でも、セルフヘルプで解決いただくためのFAQとBOTの充実
  • セルフヘルプで解決できずに、有人サポートが必要となった場合でも一発逆転で満足度を向上させる高品質な有人対応

この3つの点について、詳しくご紹介します。

シフトレフトの取り組みで注力している3つの点

①VOC(お客様の声)からのサービス改善

解決のための努力度合いが最も少なく、顧客バリューが最大になる「問題なく快適にサービスを利用できる状態」に近づけるためお客様のお声をもとにしたサービスの改善に力を入れています。

年1回のお客様満足度調査ではアンケート結果の他に、各部門のメンバーが集まり実際にお客様を訪問してお話を伺い、具体的なご意見に基づいて改善アクションを策定するなど、全社的に満足度向上に取り組んでいます。

また、カスタマーサポートでは日々のお客様対応でいただくご意見や自身で気づいた点からも、改善提案を行っています。実際のお客様のご意見を日々直接伺うことができるカスタマーサポートだからこそできる、「お客様のお声を反映したサービスへの改善」に力を入れて取り組み、メンバーの評価項目の1つとしても取り入れたことで、改善提案件数は3年前と比較して約3倍に増加しました。

②FAQとBOTの拡充

サービスを利用して不明点が出てきた場合でも、解決のための努力度合いを少なくして顧客バリューを向上させるためオペレーターへ問合せることなくセルフサポートで解決できることを目指し日々FAQやBOTの改善を行っています。

【説明1】日次でのコンテンツ改善
 セルフサポートに関して毎日取得している30項目近くの数値とともに、
 コンテンツ評価(Goodボタン、Badボタン)や、検索しても1件もヒットしない
 0件ヒットの単語から内容を分析し、改善の対応を行っています。

【説明2】KCSから外部公開FAQへの転用
 弊社カスタマーサポートではKCS運用を行っており、お客様の言葉で社内ナレッジを
 作成しています。問合せ対応でよく利用される社内ナレッジを
 外部公開していくことでセルフサポートでの解決率向上に取り組んでいます。
 ※KCS(ナレッジ センター サービス)とは:
  ナレッジの一連の実践プロセスと方法論。
  お問合せを受けたら、必ずお客様の言葉でナレッジを検索し、
  その内容に沿って回答したり、必要があれば更新、
  該当ナレッジがない場合は新しく作成することで、
  ナレッジの鮮度を保ち組織内の知識共有と問題解決率を向上させます。

 また、KCS運用により「お客様の言葉」でセルフサポートのコンテンツを
 作成できるようになったことで、分かりやすくなり
 閲覧数が4倍以上に増加したコンテンツもありました。

【説明3】動画コンテンツの公開
 ご契約間もないお客様向けにサービスの概要や操作方法など、
 動画コンテンツを公開しています。
 動画コンテンツは、画像や文章だけでは分かりづらい操作方法等も
 直感的に理解しやすく、メールに動画のリンクを張るなど
 活用していった結果、ご契約間もないお客様からのお問合せが
 減少したという結果も出ています。

【説明4】チャットボット出し分け機能の利用
 弊社のチャットボットは複数の画面に設置しておりますが、
 以前は1つの箱に入った回答から各画面の回答を表示していて、
 内容を制限できていませんでした。その状態だと画面に合わせた回答ができず、
 またお客様が条件を選択して深い階層まで辿っていく操作が
 必要となってしまいましたが画面ごとに回答するカードを出し分け設定したことで、
 画面に合わせた回答ができるようになりました。

これによって満足度が30%向上、参照数も向上しお問合せが年間で1000件削減できた画面もあります。

③高品質な有人サポートの提供

有人サポートが必要となった場合でも、一発逆転で満足度を向上させるため、社内視点、お客様視点、外部視点3つの視点から多角的に対応を評価・管理し、高品質なサポートサービスを提供しています。

【社内視点】
 電話、チャット、メールの対応をPGサポートの信念である
 「+αの対応」と「お客様への思いやり」に基づいた評価基準で評価し、
 メンバーへフィードバックを行っています。

【お客様視点
 対応都度のアンケート調査を実施し5段階の満足度と併せて
 その要因やフリーコメントを収集しています。
 アンケート結果から、さらに高品質な対応のための改善を行っています。

【外部視点
 外部機関による三つ星格付け調査を毎年実施し、2024年12月現在、
 7年連続で最高評価三つ星を獲得しています。

シフトレフトに取り組み、得られた効果

企業成長とともに契約店舗数が増加していくと、比例してお問合せ件数も増加すると考えられます。グラフの★の部分が契約店舗数に比例して増加したと想定した場合のお問合せ件数です。

しかし、シフトレフトに取り組み様々な改善を行った結果、お問合せの増加を抑止することができています。シフトレフトの取り組み前と比べてセルフサポートのご利用数は2倍以上に増加し、想定増加分のお問合せを抑止したことで生産性を2.6倍、向上させたといえます。また、生産性の向上によってカスタマーサポートの離職率、ESも改善されています。

このように、シフトレフトに本気で取り組みはじめた結果、ESとCSともに向上させることができ、これにより弊社のサービス品質と顧客満足度が向上し持続可能な成長を実現していると言えます。

まとめ

私たちはシフトレフトに真剣に取り組み、効果を上げてきました。
しかし、更なる進化をしていくために、生成AIの活用などまだまだやりたいこと、課題や改善するべき点がたくさんあります。

これからも、日々改善を行い、No.1サポートを目指していきますので今後も進化するGMOペイメントゲートウェイのカスタマーサポートにご期待ください!

ブログの著者欄

小池 美陽

GMOペイメントゲートウェイ株式会社

システム本部カスタマーサポート統括部サポート企画部サポート改善Grに所属。セルフサポート(FAQ/BOT)やナレッジの運用管理、数値分析などサポート環境の改善に奮闘中。

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