GMOインターネット株式会社 システム本部 樋口 勝一が担当するGMO最新ネット業界レポート-ソリューション編。
先日、System Center 2012のSP1がリリースされ、ようやくWindows Server 2012など最新OSに対応できるものとなりました。今回はSystem Center製品の中で、サーバー、クライアントPC、ネットワーク機器、アプリケーションまでも集中管理するための機能を提供する「System Center 2012 Operations Manager(SCOM)SP1」の具体的なセットアップ方法をご紹介します。
目次
セットアップウィザードによるインストール
この製品のインストールはなかなか難しいところがあり、きちんとした手順を踏まえないとインストールが成功しない場合があります。実際のスクリーンショットを掲載しつつ解説していきます。
今回は、一台のWindows Server 2012 Standardに、管理サーバーやレポートサーバー、SQLサーバーなどSCOMのすべてのコンポーネントをインストールする構成としています。
まずは、いきなりですがSCOMのセットアップウィザードを起動してみましょう。
インストールする機能を選択します。ここではすべての項目にチェックを入れます。
事前になにもしない状態でウィザードを進めると、セットアップの前提条件に不足があり、「セットアップウィザード続行不可能」となってしまます。
詳しく見てみると、「オペレーションコンソール」の項目では「レポートビューアーコントロール」がインストールされていないというエラーが出ていますが、こちらは後ほどインストールすることとします。
もうひとつ「Webコンソール」では、多くのエラーが表示されています。
ほとんどがIIS関連のエラーなので、まずはIISをきちんと構成していきましょう。
役割と機能の追加
まずは「サーバーマネージャー」から「役割と機能の追加」を選択します。「役割と機能の追加ウィザード」が起動したら「サーバーの役割」の項目で「Webサーバー(IIS)」を選択します。
次に「機能の追加」項目では、先ほどエラーの出ていた機能を追加していくことになりますが、「サーバーの役割」で「Webサーバー(IIS)」を選択すると、ある程度の項目にはすでにチェックが入っている状態なので、それでも不足している機能を確認しつつ、一つずつ追加していきます。
まずは、「Windows認証」「要求の監視」「IIS 6 メタベース互換」にチェックを入れます。
ここまで追加した状態でSCOMのセットアップウィザードに戻り、前提条件の確認をしてみます。
まだ、ASP.NET関連の項目が足りないようなので、再度「サーバーマネージャー」から「役割と機能の追加」ウィザードで「サーバーの役割」を追加していきます。先ほどWebサーバーの役割を追加してことによって、Webサーバーの項目配下に「アプリケーション開発」の項目が選択できるようになっているので 「.NET 拡張機能 3.5」「.NET 拡張機能 4.5」「ASP.NET 3.5」「ASP.NET 4.5」にチェックを入れます。
次に機能の追加で「.NET Framework 4.5 Features」-「WCFサービス」配下の「HTTPアクティブ化」にチェックを入れます。
「役割と機能の追加」ウィザードを完了します。
ここでポイントとなるのが、一度サーバーを再起動して各機能関連のサービスをスタートさせておくことです。
再度SCOMのセットアップウィザードを起動し、前提条件の確認をしてみます。ようやくここまできました。あとは指定されているサイトからレポートビューアーコントロールをダウンロードして、インストールするたけです。
今度こそということで、SCOMのセットアップウィザードを起動してみましょう。
無事、前提条件をクリアしましたので、ようやく次のステップにウィザードをすすめることができます。
SQLサーバーのインストール
「インストールオプションの指定」では、最初にインストールするSCOMなので、「管理グループ名」を指定します。
次に「オペレーションデータベースの構成」になります。前提条件の確認では項目がありませんでしたが、SCOMにはSQLサーバーが必須となっています。また、レポートサーバーでは、SQLサーバーのReporting Service 機能を使用するため、SQLサーバーと合わせてインストールしておく必要があります。 SCOMのインストールはこのまま中断しておいて、先にSQLサーバーのインストールをしておきます。
>System Center 2012で利用できるSQLサーバーのバージョンはこちらで確認することができます。
今回はSQL Server 2012 Standard SP1をインストールしておきます。SQLサーバーのインストールは、ウィザードに従っていけば特に失敗するようなことはないようです。
途中、「機能の選択」のところで、「検索のためのフルテキスト抽出とセマンティック抽出」と「Reporting Service – ネイティブ」に忘れずにチェックを入れて選択しておきます。
セットアップウィザードで「Reporting Serviceの構成」の部分では「Reporting Service ネイティブモード -> インストールと構成」にチェックを入れておくとすぐにReporting Serviceが利用できるので、こちらを選択しておきましょう。
無事SQLサーバーのインストールが完了したら、再びSCOMのセットアップウィザードに戻って続きをみてみましょう。
SQLサーバーのインストール
「オペレーションデータベースの構成」
「データウェアハウスデータベースの構成」
「SQL Server Reporting Services 用 SQL Server インスタンス」
ここで先ほどインストールしたSQLサーバー、Reporting Serviceの情報を設定します。続いて、「Webコンソールで使用するWebサイトを指定します -> Webコンソールで使用する認証モードを選択します」でWebサーバー設定します。
続いて「Operations Manager アカウントの構成」で使用するアカウントの設定をします。
ここまでくれば、あとはウィザードのボタンを押し進めるだけです。無事SCOMのセットアップが完了しました。
以上、長くなりましたが、SCOMのセットアップを細々とご紹介してみました。ウィザート一発で簡単にとはいきませんので、前提条件で必要な機能を順番通り確実にインストールすることがポイントです。
ようやくSCOMを起動することができます。ここからSCOMがスタートです!
*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
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