Difyのコミュニティ版をConoHaで起動する手順

1. Difyとは?

Difyは、AIアプリケーションの開発を支援するオープンソースのプラットフォームです。GPTsのようにノーコードで開発も可能です。Difyでは主に以下の2つのエディションが提供されています。

  • クラウド版: Difyの公式サービスとして提供され、手軽に利用できる。無料プランもあるが機能が限られる。
  • コミュニティ版: 自前のPCやサーバーに構築して運用可能。自由度が高く、カスタマイズが容易。Dify自体は無料で利用可能(使い方によってはサーバーやLLM APIの利用料が発生します)。

今回は、コミュニティ版をConoHaのVPS上で構築する手順を解説します。

2. ConoHaとは?

ConoHaはGMOインターネット株式会社が提供するクラウドホスティングサービスです。ブログやホームページ作成に最適なレンタルサーバー「ConoHa WING」をはじめ、高性能な仮想専用サーバーがかんたん、リーズナブルに使える「ConoHa VPS」等、用途に応じた様々なサービス形態があります。今回はConoHa VPSを使ってDifyを構築します。

3. ConoHaのセットアップ

3.1. ConoHaにログイン or アカウントを新規作成してログイン

https://www.conoha.jp

3.2. サーバー追加

Difyの最小システム要件は以下です。

  • CPU >= 2コア
  • RAM >= 4GB

今回はConoHa VPSの4GBプランで構築します。

  • サーバースペック:メモリ4GB, CPU 4コア, SSD 100GB
  • OS:Ubuntu 24.04

※ConoHaには長期割引プランがあります。長期であればあるほど、月単位の料金が割引になりお得になるのでおススメです!

3.3. セキュリティーグループの作成と適用

サーバー起動後、仮想ファイアウォールであるセキュリティーグループを設定します。今回はDifyの利用に最低限必要なSSH用の22番ポートとHTTP接続用の80番ポートを開放します。

※セキュリティ侵害を防ぐためにIP/CIDRで接続元を限定してお使いください。

次に作成したセキュリティーグループをサーバーに適用します。サーバーの詳細からネットワーク情報のセキュリティーグループを編集し、作成したセキュリティーグループを追加してください。

4. Difyのセットアップ

4.1. サーバーにsshログイン

作成したサーバーにrootでsshログインしてください。サーバーのIPはConoHaのサーバーリストから確認できます。

4.2. 一般ユーザの作成とsudo権限付与

一般ユーザーを作成し、sudo権限を付与します。以下は一般ユーザーをkuwaharaとしたときの例です。

一般ユーザーを作成
# adduser kuwahara

sudoグループに追加
# usermod -aG sudo kuwahara

ユーザーの切り替え
# su kuwahara

作業ディレクトリへ移動(一般ユーザーのhomeディレクトリとする)
$ cd ~

4.3. Difyのソースをダウンロード

$ git clone https://github.com/langgenius/dify.git
$ ls
difyディレクトリが作成されていることを確認

4.4. Dockerのセットアップ

Difyの実行にはDocker EngineとDocker Compose(v2) pluginが必要です。Qiitaに掲載されている Ubuntu24.04へDocker Engine 一式をインストール (Compose含む)こちらの記事を参考にセットアップしてください。非常によくまとまっており、記載の通り実行してDockerのセットアップできることは確認済みです。

4.5. DifyのDockerコンテナ起動

dockerディレクトリへ移動
$ cd dify/docker

.envファイルを.env.exampleのコピーによって作成
$ cp .env.example .env

composeでdockerコンテナ作成&起動
$ sudo docker compose up -d

4.6. ufwでHTTPのポートを開放

$ sudo ufw allow http

4.7. ブラウザでDifyの管理者設定画面にアクセス

http://<VPSのIPアドレス>/install

上記から管理者アカウントを作成してログインすれば、最低限のDifyのセットアップは完了です。

まとめ

本記事では、Difyのコミュニティ版をConoHaのVPS上に構築する手順を解説しました。思ったより簡単に構築きたのではないでしょうか?Difyは、GPTs相当の機能を無料で利用できるオープンソースプロジェクトであり、 独自のAIアプリケーションを開発するのに最適な環境を提供します。 また、オープンソースであるため、開発スピードが速く、新機能やバグ修正が迅速に行われるのも大きなメリットです。

本記事を参考に、ぜひDifyを活用し、柔軟なAI開発環境を構築してみてください!

ブログの著者欄

桑原 謙吾

GMOインターネット株式会社

2016年にGMOインターネットグループ株式会社に中途入社。 システムの運用を経て、いまはインターン等の採用周りのテクニカルな企画と運営、また大学で単位制の授業をしたり。

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