生成AIで映像制作を加速!After Effects & Premiere Pro新ワークフロー

映像クリエイターが生成AIで進化する! After EffectsとPremiere Proの新ワークフローをご紹介します

はじめに

2025年春からGMOインターネット株式会社にジョインした映像クリエイターの青沼です。
ポストプロダクションのオンラインエディターとして8年、事業会社でデザイナー兼映像クリエイターとして5年──計13年にわたり映像制作に携わってきました。

生成AIが登場し業界内外で盛り上がっていますが、プロの映像現場においてはそこまで効率化できていないかな…と思うことはありませんか?
画像・動画生成ではコスト・クオリティ面などによって中々導入されていないのが実情です。

なので今回は生成AI を活用して、画像・動画生成以外の部分でAfter Effects(以下AE)とPremiere Pro(以下Pr)で、「Claudeを使用したスクリプト制作」と「Google AI Studioを使用した編集補助」の2パートに分けて進化したワークフローをご紹介します!

PART 1|生成AI × AE

‟書けなくても作れる” スクリプト自動生成ワークフロー

AEを触っていて「ここを自動化できたら…」と感じるシーンはありませんか?
従来は有料プラグイン・スクリプトに頼るか、自分でVScodeなどを使用してスクリプトを書く必要がありました。
しかし生成AIなら、コードが書けなくても欲しい機能を“生成”できます!
今回はコードに強いと評判のClaudeを使用して生成していきます。

▶︎ プロンプト:AI に要件を伝える

AEを触っていて「なぜPhotoshopやIllustratorのようにコンポジションのサイズを直感的に変えられないのか?」と思ったことはありませんか?
YouTube用に制作した横長動画を縦長のShortsに投稿したいからと縦横を入れ替えたいと思っても、数字を打ち直すしか手はありません。
なので今回は例としてサイズ変更をもっと楽にするスクリプトを生成してみます。

コンポジションのサイズをPhotoshopのようにサイズを変更できるスクリプトを生成
AEは幅と高さの入れ替えや%でサイズを変更できないためスクリプトが
必須
  • “After Effectsスクリプト“であることを明記
  • できるだけ具体的に箇条書き

▶︎ 生成:Claude (2025年7月現在で最も安定)

プロンプトを投げてあとは待つだけです。
数年前はトライ&エラーで修正していく必要がありましたが、現在は一発で使えるスクリプトを生成することができます。

数秒待って一発で生成。しかもUIの詳しい仕様を書かなくてもAI側が生成してくれる。

通常の生成AIのように修正指示などを出しブラッシュアップしていく事も可能です。
画像などでレイアウトを指示してあげれば、より理想に近いスクリプトが生成できます。
Claude、Geminiの場合は .jsとしてダウンロード可能。そのまま読み込むだけで使用できます。

※エラーが発生した場合

  • AEで読み込み → エラー発生
  • エラー画面のスクリーンショットをAIに(文字で書き起こす必要はなし)
  • 修正版スクリプトを書いてくれる

ポイント

稟議や予算を待たずに“自社専用ツール”を生成することが可能です!
スクリプトであれば資産として蓄積されていくので、組織全体で効率化していくことができます。

PART 2|生成AI × Pr

字幕作成を“あと一歩”進化させるハイブリッド術

Prの文字起こしとキャプション機能は非常に便利です。もう手放せません。
しかし、日本語固有名詞や語尾の修正などはまだ手作業と耳コピが必須です。
今までの制作経験でプログラミングのサービス名称や美容系の成分名などを書き起こしてきましたが、正しく聞きとっても正しいスペルで書き起こすことは困難です。

そこで今回は“Google AI Studio”を併用しこのワークフローを手作業から解放していきます。
Google AI Studioはマルチモーダル形式なので、動画や音声をアップロードして直接解析することが可能です。

PrとGoogleの違い

項目Premiere ProGoogle AI Studio
精度・言語対応話者ラベルありだが固有名詞・専門用語は弱い話者分離なしだが固有名詞・専門用語に強い
ワークフローテキストベース編集→キャプション生成をタイムライン上で一気通貫プロンプトで「フィラー削除」「段落分け」など指定可
Geminiで要約・修正まで完結
ざっとこんな感じですが、それぞれ得意不得意があります。なので2つの機能を合わせ効率化していきます。

ハイブリッド手順(6ステップ)

では実際にPrとAIを使用した手順をご紹介します!
一見すると手順が増え面倒に見えますが、大幅に時間を短縮できます
専門用語に関しては人が耳コピで書き起こすよりも精度は高くなります

▶︎ セクション分けもAIで

長尺の時はタイトルをTC付きで生成すれば大幅な時短に

▶︎ メリット

  • 固有名詞や専門用語の取りこぼしを最小化
  • 文体を統一し、読みやすい字幕に
  • TC付きセクション分けで時短&編集しやすい

注意:
生成AI は万能ではないため、最終チェックは必ず人力で!
また、Google AI Studioは無料ですが学習されて問題ないものや機密情報の含まれていないインターネット上に公開する前提の情報に限定して利用されることを推奨します。

まとめ

  • スクリプト自動生成でAEの複雑な作業をボタン1つに
  • AIダブル起こしでPrの字幕精度と編集効率をバージョンアップ
  • 稟議やプラグイン購入を待たずに、“今すぐ” 自社ワークフローを最適化

生成AIはまだ発展途上ですが、だからこそクリエイターが使い倒す価値があります。
今後はおそらく字幕も完璧なものを一発で入れられるようになったり、MCPでAdobeソフトを自動化させるなどが開発されていくんだと思います。
仕事を奪う敵と見られがちですが、共存すればよりクオリティの高い映像が短期間で制作できるようになるでしょう。

今回ご紹介したものは無料から試すことができるので、ぜひ今日から試してみてください!

ブログの著者欄

青沼 翔吾

GMOインターネット株式会社 映像チーム

長野県出身。CM系ポストプロダクションに8年、美容系事業会社のインハウスクリエイターとして5年。2025年からGMOインターネット株式会社の映像チームにジョインしました。企画から撮影、編集・VFXを一貫して映像を作っています。 猫を2匹飼っているのでストレスフリーの生活をしています。

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