「DEF CON 33」参加レポート|“世界最大級のセキュリティカンファレンス”に行ってみた!

こんにちは!GMOインターネットグループで技術広報を担当している若林です!
先日、アメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級のセキュリティカンファレンス「DEF CON 33」に参加してきました。本記事では、CTF(ハッキングコンテスト)に挑んだチームの裏側、アジア初となる宇宙セキュリティ分野でのブース出展、そして現地でしか味わえない熱気や雰囲気を、写真とともに余すことなくお届けします!

1.「DEF CON」とは?――世界中の“本気”が集まるセキュリティの祭典

「DEF CON」は、セキュリティ研究者・ハッカー・企業のセキュリティエンジニア・学生・政府関係者など、世界中から「セキュリティに本気な人たち」が集うイベントです。

【開催概要】

  • 日程:2025年8月7日(木)〜8月10日(日)
  • 会場:Las Vegas Convention Center West Hall(アメリカ・ラスベガス)
  • 参加者:数万人規模
  • 主な内容:CTF(本戦・Village)、50以上の専門ブース、技術展示、講演など
  • 公式サイト:https://defcon.org/

“ハッカー文化の聖地”とも称され、コミケのようなカオスとギーク感が共存。コスプレ風の参加者も多く、セキュリティへの情熱にあふれていました。

「DEF CON 33」スタッフのおしゃれなファッションが印象的でした|今回帯同した広報チーム集合写真

2.なぜ私が「DEF CON 33」に?――技術広報としての帯同の背景

今回の「DEF CON 33」には、「GMOハッキングコンテスト(CTF)参加応援プログラム」の一環として、GMOインターネットグループの広報部から、PRチーム・SNSチームのメンバーと共に帯同しました。
技術広報として、GMOインターネットグループのパートナーが参加したCTFやブース出展の様子、そして現地でしか感じられないリアルな空気感を発信する広報活動を目的に、現地入りしました。

◆「GMOハッキングコンテスト(CTF)参加応援プログラム」とは?

GMOインターネットグループでは、CTFに挑戦するホワイトハッカーを支援するため、「GMOハッキングコンテスト(CTF)参加応援プログラム」を実施しています。遠征費の補助や競技環境の向上、インセンティブの支給など、多方面から挑戦を後押ししています。
CTFは単なる競技ではなく、実戦に近い環境でホワイトハッカーの技術を鍛え、社会に還元する貴重な機会です。攻撃者視点で先を読み、リアルタイムに対応する力は、セキュリティ診断やプロダクト開発にも直結しています。
また、若手ホワイトハッカーが世界に挑戦し、成長することは、日本全体の技術力向上にもつながると私たちは考えています。GMOインターネットグループは、No.1を追求するホワイトハッカーの挑戦を全力で支援します。

3.世界へ挑むGMOインターネットグループのホワイトハッカーたち――「Cloud Village CTF」で世界1位・3連覇達成!

「DEF CON 33」CTFでは、GMOサイバーセキュリティ byイエラエに所属するホワイトハッカーチーム「GMOイエラエ」が「Cloud Village CTF」で世界1位・3連覇を達成しました!
さらに、GMOインターネットグループの「GMO Flatt Security」や「Blue Water」も各部門で上位入賞し、世界の舞台で存在感を示しました。

【「DEF CON 33」CTF 参加チームと成績】
・GMOイエラエ:「Cloud Village CTF」世界1位(3連覇)
・GMO Flatt Security(個人参加):

「AppSec Village CTF」世界3位/「Hardware Hacking Village CTF」 世界5位
・Blue Water:「DEF CON CTF Finals」:世界2位

私も技術広報として現地に帯同し、挑戦の様子を間近で見ていましたが、本当にどのチームもかっこよくて感動しました…!
特に印象的だったのは、夜遅くまでPCに向き合い続けるメンバーの姿です。
「GMOイエラエ」チームに取材で夜分にホテルを訪れたときも、まだCTFの真っ最中で、緊張感のある空気と真剣な表情に圧倒されました。

深夜まで続く戦いの中でも、チームで連携して問題に挑んでいました

そして、帰国後に実施した出場チームへのインタビューでは、現地では見えなかった舞台裏や、それぞれのチームが挑戦に込めた想いに迫りました。
「GMOイエラエ」の競技中の緻密なチームワーク・「GMO Flatt Security」がAIエージェント「Takumi byGMO」でCTFに挑んだ背景など、それぞれの視点から語られるリアルなエピソードは、とても読み応えのある内容になっています。
ぜひ、以下のインタビュー記事もあわせてご覧ください!

▶︎ 【前編】「DEF CON 33」 CTFの舞台裏|「Takumi byGMO」が証明したAIの実戦

▶︎ 【後編】「DEF CON 33」CTFの舞台裏|GMOサイバーセキュリティ byイエラエが語る、技術と連携でつかんだ世界トップの景色

4.アジア初出展!GMOサイバーセキュリティ byイエラエ、宇宙セキュリティの最前線へ

「DEF CON 33」の宇宙・航空分野に特化した展示エリア「Aerospace Village」にて、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(以下、GMOイエラエ)がアジア企業として初めてブースを出展しました!
世界最先端の宇宙・航空分野に関わる企業や技術者が集まる中、GMOイエラエがこの場に立っているということの意味の大きさを、私も現地で体感しました。

🛰️実践型展示:宇宙衛星へのサイバー攻撃、リアルタイムで体感

ブースでは、宇宙衛星システムを模した環境を使った、リアルなセキュリティデモが行われていました。

【ブース展示の内容】
異常コマンドで衛星が制御不能に
地上から不正なコマンドを送信し、衛星がぐるぐる回転、アンテナがズレて通信不能になる…という挙動を再現。実際の衛星運用で使用されるソフトウェア・ハードウェアを用いており、「本当にこうなる可能性がある」というリアリティが伝わってきました。

GMOイエラエのブースで行っていたデモのキャプチャ①

観測画像の改ざんリスクも可視化
表示されたペンギンの画像は、衛星ー地上局の通信が適切に暗号化されていない場合、衛星から送られる画像が容易に攻撃者に推察されてしまうというデモを示しています。 「地球を観察・撮影して写真を送る」というミッションを担う衛星システムが抱えるセキュリティリスクを直感的に伝えていました。

GMOイエラエのブースで行っていたデモのキャプチャ②

ブース内CTFの実施
来場者がその場で挑戦できるCTFも用意され、多くの方がチャレンジ。かなり難易度の高い内容でしたが、約5名ほど正解者も出ており、参加者の本気度の高さが伝わってきました。

💬 世界最大のセキュリティイベントで注目の的に!現地で感じた熱狂と手応え

約27,000人が参加した世界最大のセキュリティイベント「DEF CON 33」。その中で、GMOイエラエのブースには次々と人が訪れ、常ににぎわいが絶えませんでした。写真を撮る人、資料を手に取る人、そしてスタッフと真剣にディスカッションする人たち…。宇宙セキュリティへの関心の高さを、現地の熱気からひしひしと感じました。

また、今回はGMOイエラエの提携先である韓国・慶熙大学(PWNLAB)と共同でブースを運営していました。国境を越えた協業体制で、宇宙セキュリティという新たな領域に挑む姿は、来訪者の関心を集めていました。

韓国・慶熙大学(PWNLAB)の担当者との1枚

未知のリスクが潜む宇宙分野に対して、具体的な技術と情熱をもって向き合うGMOイエラエの姿勢が、来場者との対話を通してしっかりと伝わったブース出展でした!

👉 GMOサイバーセキュリティ byイエラエの宇宙サイバーセキュリティ対策支援についてはこちらから

<GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 関連記事>
👉 DEF CONから見えた宇宙のサイバーセキュリティ~「DEF CON 33」Aerospace Village 出展レポート~

5.“好き”が集まる場所。「Village」文化に触れて見えたもの

「DEF CON 33」では、セキュリティのテーマごとに分かれた展示エリア「Village」が多数設けられており、会場を歩いているだけでも会場を歩くだけでも、「こんなにあるのか」と圧巻の光景が広がっていました。
その中から、私が特に印象に残ったVillageをいくつかご紹介します!

🚢 Maritime Hacking Village

“海のセキュリティ”というあまり馴染みのない領域を、体験型でわかりやすく伝えていたVillage
会場にはなんと、実物の船が展示されていて、迫力満点。実際のシステムを使ったハンズオンや、コンテナ型CTFも行われていて、楽しみながら学べる仕掛けが盛りだくさんでした。

🚗 Car Hacking Village

車載システム(CAN通信など)への攻防を体験できる、実車展示によるハンズオンエリア
シミュレーターやCTFも同時に行われており、触って学べるスタイルに多くの人が集まり、人気の高さが伝わってきました。

💡 AIxCC(AI Cyber Challenge)

「Village」とは別枠で、会場内でもひときわ大きなブースを構えていたのが、DARPA主催のAIサイバーセキュリティ競技「AIxCC」
AIがソースコードの脆弱性を自動で見つけて修正するという、まさに次世代のセキュリティ技術を競うチャレンジです。

ブースの演出はサイバー空間のような近未来的な雰囲気で、その規模も他と比べて圧倒的に大きく、来場者の関心の高さが伝わってきました。
大会の優勝チームには賞金400万ドル(日本円で約6億2,000万円)が贈られたとのこと…!
AI×セキュリティ分野の注目度と本気度を強く実感しました。

🧩 その他にも個性豊かなVillageが多数

「GameHacking」「Retro Tech Community」「Lock Picking」など、テーマごとに専門性の高いブースが並び、それぞれに人が集まって活発に交流している様子が印象的でした。

私視点では一見ニッチに思えるテーマにも、たくさんの人が集まっていて、コミュニティとして成り立っていることに驚きました。現地ではその場での会話や情報交換も盛んで、すごく活気を感じました!

6.“ギーク心”を刺激するグッズがたくさん

会場では、Tシャツやステッカーのような定番アイテムに加えて、専門性の高い層に向けたこだわりのあるラインナップも多数並んでいました。

会場で特に印象に残ったのは、こんなアイテムたち:
・ピッキングセット
・噓発見器
・Wi‑Fiハッキング装置

どのアイテムも「ほんとに売ってるんだなあ…!」と驚くようなものばかりで、見ているだけでも楽しかったです。
ちなみに、一部のアイテムは日本国内では使ったり購入したりするのに注意が必要なものもあるそう。そういうところからも、まさにこのイベントならではの“コアな熱量”を実感しました。

7.おまけの記録 ラスベガスでのあれこれ

今回の「DEF CON 33」は、私にとって人生初のアメリカ、そして初のラスベガスでした!技術広報として現地に帯同するなかで、イベント以外にも街の雰囲気に少しだけ触れることができたので、印象に残った出来事を最後に少しだけご紹介します!

📍話題の“Sphere”に行ってきました

巨大な球体に映し出される映像、SNSでは見たことがありましたが、実物のスケール感と迫力はやっぱり圧巻でした…!本当に行けて嬉しかったです!

🌮人気タコス店でランチ

会場の近くにある人気のタコス屋さんでランチもできました!牛タンのタコスがとってもおいしくて感動だったのですが、一緒に頼んだポテトの大きさが想像の5倍で驚愕!アメリカを実感しました…!
(ちなみにお店はこちらです:https://maps.app.goo.gl/A3zhHh1rAAxyPuV66

8.おわりに

今回、技術広報として「DEF CON 33」に参加できたことは、本当に貴重な経験でした。
CTFの熱気、専門性の高い展示、そして世界中の技術者たちとの交流を通して、現場ならではのリアルな空気感を肌で感じることができました。

中でも強く印象に残っているのは、GMOインターネットグループのメンバーたちが世界を舞台に本気で挑んでいた姿です。
同じGMOインターネットグループの一員として、その姿を間近で見られたことに、素直に感動しました!

この体験を糧に、これからも技術広報として、現場の声や熱量を丁寧に届けていきたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ブログの著者欄

若林 里奈

GMOインターネットグループ株式会社

グループ広報部技術広報チーム所属。グループ横断の開発者向け情報発信に従事しています。

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