AIで広がる楽曲制作の新しい可能性と題しまして、
“楽曲制作過程”とこれまでの制作に“AIの知識を取り入れ完成度を高める”ということを執筆していこうと思います。
先にお伝えしますが、AIで生成した音は入っておりません。
あくまでも自分が持ち合わせていない知識や表現を知るためにAIを活用した、ということがテーマになります。
目次
前提
この記事の登場するキャラクターと楽曲を軽く説明します。
美雲このは

弊社サービス「ConoHa byGMO」の応援団長 兼 VTuber。
毎年、夏に「このはぴば!」という3Dライブを開催。
合言葉は「清楚可愛い」。
YouTubeは こちら  
「このはぴば!2025」のアーカイブはこちら
楽曲
今回紐解いていく楽曲は今年の「このはぴば!2025」で披露したオリジナルソング「サマーリフレイン」です。
曲のテーマ
今回の楽曲は「恋をする(恋に気づき始める)女の子の夏」がテーマでした。
テーマの理由は「このはぴば!2025」が「学生の頃のような青春夏祭りデート」だったためです。
長くなりましたがここから本題です。
楽曲制作過程
下準備
いきなりコードや歌詞を考える前に、制作の途中で楽曲がブレないよう登場人物の設定やちょっとした物語をいつも書いています。
楽曲の登場人物設定

今回はイベントに合わせて世界観に入り込んで欲しい、共感してほしいという想いがあったためそれぞれの名前はあえて決めませんでした。
楽曲の物語

登場人物を決めた後に軽い物語を書いているのですが最近はChatGPTに書いてもらってます。
以前までの手書きだったのでそれに比べるとかなりの短縮になりました。
ただ一発で思った通りの物語にはならないためなんとなくイメージしている曲の展開と歌詞、それを何度も指示して調整していきます。今回は初期段階で急に戦闘ものになったりしました。
調整する過程で言語化できたり、ふんわりしていたイメージの輪郭が見えてきたりするのでこの時間も結構有意義です。
作曲

下準備をベースにコードとメロディを考えます。
今回はコードから考えました。
明るめのコード進行をベースに恋心の複雑さを表現するためにオンコードを多用しています。
複雑さに加えて、青春のエモさを出すためにセブンスやディミニッシュ、sus4やadd9等も”あえて”入れています。
ChatGPTに考えたコードを伝えて「もっと複雑にしてみて」のような感じで自分にない引き出しからヒントをもらった部分もあります。
今回、メロディはコードを作っている際にスキャットで口ずさんでいたものをほぼそのまま使いました。急に良いメロディが出ることもあるので忘れないようにずっと録音しながらコードを考えることが多いです。
「口ずさみたくなる」「印象に残る」というよりもスッと入ってくるようなメロディを意識しました。
作詞

かなり苦戦したのが作詞でした。
普段ちょっと捻った作詞をしているせいでスッと入ってくるようなメロディに合わせたストレートな歌詞が思い浮かびませんでした。
そもそも「恋」ってどんな感じだっけ…?そこから始まりました。
まず、ChatGPTに「恋」とは何か聞いてみました。
あまり期待してはいませんでしたが辞書に載っているような感じではなく、
しっかり気持ちやニュアンスを言語化して答えてきて驚きました。
その後も初恋や青春等を噛み砕いていき最初にできた歌詞が下記です。
いつからだろう空をなぞったのは
気づけば 同じ景色
混ざりあって
声が届く距離もどかしくて
靴音だけ やけに大きく
響くリズム
悪くはないんですが伝わりにくい。
ストレートな歌詞、スッと入ってくるような歌詞とは乖離していると感じつつも詰まってしまったため、ニュアンスを探るために少女漫画を読み漁りました。
最終巻までではなくテーマである「恋に気づいた瞬間」までを何作品も読みました。
何度も修正を重ねてできた歌詞がこちら
いつからだろう雲をなぞったのは
気づけば 蝉の声
風に乗って
手を引いて走るこの時間が
ざわめき 弾ける
ラムネみたい
夏の風景や高鳴る恋の予感のような描写が浮かぶような感じになったかと思います。
編曲

できたコードにいろんな楽器を乗せていく工程になります。
ここに関しては自分のサウンド感を頼りに1つずつ足していきます。
今回の楽曲に関しては大体80トラックほどになりました。
曲中で2秒くらいしか鳴ってない音も1トラックと数えるので実際同時になっている音はそこまでおおくはありません。
パラmix

ここからは複雑な話になってしまうためしばらく駆け足になります。
編曲までできたらパラmixという作業に入ります。
パラmixとは編曲で重ねた音をより聴きやすく、狙ったサウンド感に近づける作業になります。
今回はバンドっぽいサウンドに複雑な音や花火の音等重めのサウンドも多かったため苦戦しました。
ボーカルmix

パラmixで出来上がった音源に収録したボーカルを馴染ませる作業です。
どんなに歌が上手い人でもデジタルで配信する以上この作業はほぼ必須です。
声をより良くリスナーに届けるために重要な工程です。
ここでも自分の耳が信じられなくなってきた時ChatGPTに聞いたりしてみました。
完璧な返答ではないこともありますが、やっていることが正しいという根拠を提示してくれたり、別のアプローチを提案してきてくれます。
実際に提案されたFXをボーカルに加えたりしています。
マスタリング
最終工程です。
ボーカルmixで完成したものをYouTube等、再生される媒体に合わせて調整をしていきます。
一般的にはあまり良くないかもしれないですが自分の楽曲に限り、「もう少しキラキラした質感が欲しい」「ちょっとだけ広がりが欲しい」という時、0.1db ~ 0.5dbくらいを目安に微調整することがあります。
それ以上の調整が必要な場合はパラmixから見直すようにしています。
楽曲制作の中でAIを活用した結果できたこと
- これまでの音楽経験に引っ張られないサウンドを提案してくれる(コードやmix)
 - 納期がある中、AIを活用したおかげでクオリティアップのための時間が作れる
 - 「ChatGPTに聞くために言語化しなければならない」ということがイメージの洗練に繋がる
 - 1人じゃない!感が少しある(作業中は孤独な戦いことも多いので…)
 
音楽生成AIはまだまだ風当たりが強いですが、
AIの”相談役”という立ち位置は少しづつ浸透してきている印象です。
クリエイターは必ず何かしらの壁にぶつかると思います。
その時に自分と相談、誰かに相談の他に「AIに相談」を選択肢を持ってみてはいかがでしょうか?
最後に
改めて「サマーリフレイン」の宣伝をさせてください。
複雑な恋心の中にある真っ直ぐな想いを描いた曲です。
学生だった頃を思い出してぜひ聴いてみてください!(自分にはこんな青春ありませんでしたけど!)
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