「ユーザー目線」を習得する!UI/UX向上業務に初めて取り組んだビギナーがニールセンの10原則を「調査・改善提案の指針」にした話

この記事は GMOインターネットグループ Advent Calendar 2025
9日目の記事です。
2025年6月より品質管理グループにJoinした自分が、
初めてUI/UX向上を目的とした活動をし始めて知ったこと。
気をつけていることをまとめました。

1. はじめに:私たちのグループと私の立ち位置 🔰

私は「品質管理グループ」に所属しています。本グループはシステムのバグ発見だけでなく、より「使いやすい」「わかりやすい」体験をユーザーに提供するための活動をミッションとしています。

この記事を書いている私は、今年の6月からこのグループにJoinしました。これまでバグ発見の経験はありますが、本格的なUI/UX向上への取り組みは、私にとって初めての挑戦です。

2. 新しい業務での戸惑いと「テスト」の広がり、私たちのグループ業務の多くは、UI/UXの調査と改善提案に時間を費やしています。

当初、UI/UXの向上は「なんとなく使いにくい」という主観的な意見になりがちで、改善提案に客観的な根拠を示すことが難しいと感じていました。

この課題に直面し、メンバーから「UI/UXの調査をするなら、これを知っておこう」と紹介されたのが、「ニールセンの10原則」でした。

3. 「なんとなく」から「明確な根拠」へ:原則の学び

ニールセンの10原則は、ユーザーがストレスなくシステムを使うための経験則です。私にとって、これは「ユーザビリティ上の課題」を見つけるための「指針」となりました。

しかし、いきなり10個全てに気をつけて活動するのは難しいと思いました。なので、重要度の高い項目を身につける意味も込めて、まず6つの原則を指針にして設定しています。

原則(指針の項目)概要と調査の視点(私なりの解釈)
1. システムの状態の視認性「今、何が起こっているか」がユーザーにきちんと伝わっているか。
2. 現実の世界との一致「見慣れた言葉やアイコン」が使われているか。専門用語が使われすぎていないか。
3. ユーザーのコントロールと自由度「間違っても簡単に戻れるか」。「キャンセル」や「取り消し」はすぐにできるか。
4. 一貫性と標準「同じ操作はいつも同じ」結果になるか。人によって解釈に差異が出る表現がないか。
5. エラーの予防「そもそも操作を間違えさせない」ように、親切な設計になっているか。
9. ユーザーによるエラーの認識、診断、回復のサポートエラーが出たときに、「何が悪かったか」と「どうすればいいか」がわかりやすいか。

残りの4つの原則は以下になります。

6. 記憶よりも認識見てすぐ理解できるようになっているか。
7. 柔軟性と効率性初心者も上級者も、それぞれの方法で効率よく使えるようになっているか。
8. 美的で最小限のデザイン必要な情報だけをシンプルに伝えているか。
10. ヘルプとドキュメンテーション困ったときに、具体的で分かりやすいサポートをすぐに見つけられるようになっているか。

4. 私たちの調査活動と原則の活用事例(提案に繋げる)

この原則を学んだことで、私の業務は大きく変わりました。曖昧な感想ではなく、「ニールセンの10原則の〇〇の観点から、改善したほうが良いと思います」と、明確な根拠に基づいた改善提案ができるようになりました。

特に「2.現実の世界との一致」は私の調査活動に強く影響し、「人によって解釈に差異が出る表現を避けられているか」という視点を新たに得ることができました。

活用事例 1:一貫性の確保

  • 調査時の気づき:結果画面の「トップページへ戻る」ボタンのクリック領域の大きさがページによって違いがあった。
  • 原則の適用:「4. 一貫性と標準」に反しており、ユーザーの直感的な操作を妨げている可能性がある。
  • 改善提案:サイト全体でボタンのクリック領域を統一しようと提案しました。

活用事例 2:システムと現実世界の一致

  • 調査時の気づき:サイト内で使われている専門用語に対し、具体的な定義や補足説明がなかった。
  • 原則の適用:ユーザーが日常では知り得ない言葉が使用されており、補足説明なども無いため、現実世界とサイト内の概念が現実世界と一致していません。これは、「2.システムと現実世界の一致」 に反している。
  • 改善提案:該当文言にマウスカーソルを合わせることで吹き出しやポップアップを表示する。文言の説明ページに遷移するリンクを設置する。

5. まとめ:基本の積み重ねが、ユーザーへの価値となる

私自身、この原則を学び始めたばかりですが、「ユーザー体験を客観的に評価する」というテストの新しいスキルを身につけ始めています。

この原則は、私たちが日々行っているUI/UXの調査と改善提案において、最も基本的ながら強力なツールです。

今後も、この基本の指針をしっかりと大事にし、明確な根拠に基づいた品質向上を提案することで、ユーザーの負担を減らす一助となれるよう努めてまいります。 最後までお読みいただきありがとうございました!

ブログの著者欄

髙橋 恭太

GMO TECH ホールディングス株式会社

システム本部/技術開発部/品質管理グループ 所属 2025年6月GMO TECH株式会社に入社。10月にGMO TECH ホールディングスに転籍。 サービスの機能を確認し、UX向上の提案を行っています。

採用情報

関連記事

KEYWORD

TAG

もっとタグを見る

採用情報

SNS FOLLOW

GMOインターネットグループのSNSをフォローして最新情報をチェック