GMO最新ネット業界レポート ソリューション編。『System Center Operations Manager 2012 の紹介』として、これまでのバージョンによるSCOMの機能とSCOM2012の特徴について、GMOインターネット株式会社 事業本部 樋口 勝一が執筆。
目次
はじめに
先日、Tech Fielder 東京にてSystem Center Operations Manager 2012についてお話させていただく機会がありましたので、せっかくなのでこの場でも最新情報をご紹介しようと思います。
System Center Operations Manager 2012 とは
System Center Operations Manager は通称SCOM(エスコム)と呼ばれているマイクロソフトによるWindowsシステムを対象とした性能およびイベント監視システムです。サーバー群の様々のトラブルの事前検知、早期解決を行うための統合監視管理システムとなります。
現在はSCOM2007R2_CU3 が公開されておりますが、SCOM2012はその最新バージョンとなります。現在βバージョンのリリースを控えている状況です(2011年7月1日時点)。
SCOMの利点としては多くのサーバーを一元管理できること、障害をいち早く検知できること、ログ監査によるセキュリティー・コンプライアンス対応、サーバー群のパフォーマンス監視、WindowsだけにとどまらずUnix・Linuxにも対応と、盛りだくさんとなっています。
これまでのバージョンによるSCOMの機能
問題発生から解決までを短時間で
- 管理パックによる製品ノウハウと監視項目の提供
- 様々な切り口からのレポート機能による稼働状況の分析
エンドツーエンドのサービス管理
エンドユーザー視点による稼働監視 擬似的クライアントからの接続検証
- 監視対象のモデル化(サービス志向型監視)
- サービスレベル(SLA)での監視とレポート
- クロスプラットフォーム監視
- 事前対策と組み合わせたクライアントの稼働監視
運用管理の効率化
稼働状況が一目で分かるダイアグラムビュー によってシステムの稼働状況を可視化
- (セキュリティイベントログ収集)セキュリティログの一元管理による効率的な監査
- (パフォーマンス収集)自己調節しきい値モニタによる柔軟な稼働監視
- 保守作業の進捗管理
- ドメインを超えた管理
- 強力なレポーティング機能
SCOM2012 特徴
今回ご紹介する最新バージョンのSCOM2012は、これまでのSCOMの機能に加え以下の特徴が新しく加わりました。
展開トポロジー
SCOM2007R2までは単一の管理サーバーによる管理のため障害に弱い構成となっていましたが、Route Management Server(RMS)が廃止され、SCOM2012からは管理プール(ファーム)による管理が可能となりSCOM自身の障害耐性がアップしています。
監視範囲の拡大
これまでもSCOMはバージョンアップを繰り返しながらその管理対象となる範囲を拡大してきました。
そして最新のSCOM2012ではアプリケーションやネットワークまでもがその監視対象となり、これでほぼすべてのITシステムを監視できることとなります。
- Operations Manager 2007 SP1(サーバー状態 ログ ネットワーク ハードウェア)
- Operations Manager 2007 R2(Solaris、HP-UX、RedHatなどの主なUNIX / Linux)
- Operations Manager 2012
- .NET 、Java Windowsサービスなどのアプリケーションコード や ネットワーク
ネットワーク監視
ネットワークに接続されたスイッチなどを自動検出し、その機器の種類やパフォーマンス、稼働状況などの情報収集が可能となりました。この機能はマルチベンダー対応となっていますのでほぼすべての情報を取得することが可能となっています。
また、マルチプロトコルに対応しており一般的なネットワーク通信であればすべてをモニタリング可能となっています。 ネットワーク機器とそれに接続されたサーバー群の情報を収集し、視覚的に優れたレポートとして参照を可能としています。
アプリケーション監視
アプリケーション監視の機能自体はマイクロソフトが買収したAVIcodeという会社の技術でWindowsベースの .NET、Windowsサービス、J2EE(WebSpehre, WebLogic, JBOSS, Tomcat)アプリを監視対象とすることができます。
特徴としては以下。
- アプリケーションのリアルタイムのモニタリングが可能
- アプリケーションレベルの問題の有無を判断
- 問題の早期切り分け
- アプリケーションエラーの迅速な解決が可能
- 様々なアプリケーションに対し標準化された管理が可能となり追加コストを抑えることができる
- 開発者レベルのデバッグと同様に現場での運用者により問題特定が可能
さいごに
これらアプリケーションの監視によりアプリケーションの品質を数値化し信頼性やパフォーマンスの測定が可能となります。
さらにはバージョンアップの前後でどれだけ性能がアップしたかや、今後のキャパシティープランニングへの参考情報の取得など効率的な投資を可能とします。以上、これからリリースされるSCOM2012の目玉ということでご紹介いたしました。
とくにネットワーク監視、アプリケーション監視の二つは注目ポイントです。
共通しているのは、多くの情報を一度に収集することができ、蓄えた情報を視認性にすぐれたグラフィカル表示で簡単に情報を確認できるという点だと思います。
ようやくこれからβがリリースされるようなので是非お試しください。
*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
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