Power Apps と Power Automate はどちらもMicrosoft365のサービスなので、連携して簡単にアプリ開発が可能になっています。 今回はアプリのロジック部分はPower Automateで、インターフェース部分はPower Appsという構成で簡単ローコードアプリ開発方法を紹介します。
目次
Power Automateの弱点
Power Automateには様々なクラウドサービスを利用できるコネクタが豊富に用意されおり、認証手続きなどをアプリに実装する際の面倒な手続きなどを簡略化できるので、ローコードと併せてアプリ開発のハードルが格段に低くなっています。一方、残念なことにアプリを公開してユーザーに利用してもらうという点において、ユーザーインターフェースの部分では実質開発者用のみ用意されているだけなので、この点がPower Automateの弱点となります。
例えばメール送信アプリを作成してみると、宛先、件名、本文、添付ファイルの入力はこのようにプアインタフェースとなります。
Power Appsと連携するフローの作成
まずは、PowerAppsから呼び出されるロジック部分をPower Automateで作成してゆきます。今回はメール送信するフローを作成します。
新しいフローの作成から、「自動化したクラウドフロー」を選択して、「スキップ」を選択します。
コネクタの一覧から「PowerApps」を選択します。
トリガーから「PowerApps(V2)」を選択します。
メールアプリに使用するメールアドレス、件名、本文の受け渡しの設定をします。
「入力の追加」を選択します。
「電子メール」を選択します。種類を選択することで、メール形式としての文字列の入力チェックが可能となります。
件名、本文は「テキスト」、添付ファイルは「ファイル」を選択して項目名を変更しておきます。
次に「新しいステップ」を選択して、「Office 365 Outlook」を選択します。
アクションから「メールの送信(V2)」を選択します。
宛先を選択して「動的なコンテンツの追加」を選択します。上のステップで定義した「電子メール」を割り当てます。
同様に件名と本文、にも動的なコンテンツを割り当てます。
詳細オプションを選択して、添付ファイル名には送られてくる添付ファイル名として
triggerBody()?['file']?['Name']
こちらの式を設定します。
添付ファイルコンテンツには「添付ファイル」を割り当てます。
ついでに左上の名前を変更しておきましょう。
さらに、このまま添付ファイルが無い状態でメール送信をしようとするとエラーとなってしますので、添付ファイルがある場合とない場合の分岐を追加します。
条件式としては “添付ファイル=null” を判別して、分岐します。
以上でフローの作成は完了です。忘れずに保存しておきましょう。
Power Appsアプリの作成
続いてPower Appsを開いてアプリを作成してゆきます。
「挿入」メニューから「テキスト」-「テキスト入力」を選択して、メールアドレス、件名、本文用に3つ配置します。
メールアドレス用テキストボックスの名前と既定プロパティーを設定します。
同様に件名の設定を行います。
本文のモードは「複数行」を設定します。
添付ファイルのアップロードを可能にするにはひと手間工夫が必要です。Power AppsではSharePointリストの添付ファイルカードを利用する時だけ「添付ファイルコントロール」が表示されるようになっています。一時的にSharePointのリストに接続して「添付ファイルコントロール」を表示させて再利用する方法になります。
「挿入」メニューから「フォーム」-「編集」を選択します。
「データソース」から「コネクタ」-「SharePoint」を選択して、適当なリストを選択して一時的に接続します。
「挿入」メニューから「フォーム」-「編集」を選択します。
「添付ファイルコントロール」が表示されます。必要なのはこの「添付ファイルコントロール」だけなので、選択して「Ctrl+C」でコピーしておきます。
コピーした「添付ファイルコントロール」を「Ctrl+V」で貼り付けます。
エラーが出ているので、エラー該当箇所は全て数式を空白にしてしまいます。
追加した編集フォーム(Form2)は不要となるので消去しておきます。SharePointへのコネクタも不要となるので、左メニューのデータから削除しておきます。
「挿入」メニューから「ボタン」を選択して配置します。「テキスト」を“送信”に変更します。
送信ボタンを選択した状態で、「アクション」-「Power Automate」を選択します。
先ほど作成したPower Automateのフローが参照できるのでこちらを選択します。Power Appsのコネクタを利用しているフローは自動的に表示されるようになっています。
数式入力待ちの状態になるので、以下の数式を入力します。
各テキストボックスの値をPower Automateのフローに引き渡します。
ファイルは「添付ファイルコントロール」が取得したファイル本体とファイル名を格納して引き渡します。
PowerApps連携_メール送信.Run(txtMailAddress.Text,txtSubject.Text,txtContent.Text,
{file:{
contentBytes:First(DataCardValue3.Attachments).Value,
name:First(DataCardValue3.Attachments).Name
}
}
)
以上でPower Appsでのアプリ開発部分が完了しました。
動作確認
実際にアプリを起動して確認してみましょう。
それぞれの項目を入力、添付ファイルをアップロードして送信します。
問題なくメールと添付ファイルが送信されました。
以上、Power Apps と Power Automateの連携で簡単アプリ開発方法を紹介しました。実はPowerAppsでのメール送信アプリはもっと簡単な開発方法がありますが、今回はあえてPower Apps と Power Automateの連携でチャレンジしています。 両方の良いとこ取りでほとんどコードを書くことなくアプリ開発ができました。Microsoft365の各サービスは単体でも様々な機能を提供してくれますが、複数のサービスを組み合わせることで、さらにリッチで高機能なシステム、アプリへとレベルアップが可能となります。また、一度作ってお終いではなく、色々な機能を取り込んでどんどん機能アップして育てていく楽しみもあります。是非お試しください。
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