みなさん、こんにちは。GMOインターネット株式会社の斉藤です。
さて、GMOインターネット株式会社は2022年7月27日にNFTドメイン事業に参入し、その登録代行サービスであるCryptoName byGMOを開始しました。
「NFT」は聞いたことがあるけど「NFTドメイン」というキーワードを初めて見たという方もいらっしゃるかと思います。NFTドメインとはどういうものなのか、また弊社がこの分野で何を目指しているのかをお話ししたいと思います。
目次
NFTドメインとは
NFTというと絵や写真、オンラインゲームのアイテム、トレーディングカード、または何かしらの権利などをイメージすることが多いと思います。NFTドメインもその一種です。しかし、インターネット上のドメインと同じように、ドットで区切られた文字列であるのが特徴です。
ドメインというと「.com」「.net」「.co.jp」などが有名だと思います。これらはTLD(トップレベルドメイン)と呼ばれます。NFTドメインにはこれらのTLDはありませんが、代わりに上記のスクリーンショットのように「.nft」「.x」「.crypto」「.wallet」などがあります。よりNFTやブロックチェーンを意識したものとなっていますね。
技術的にもNFTドメインとインターネットドメイン(ここでは.comや.co.jpのようなドメインを便宜上こう呼びます)は異なります。インターネットドメインはDNSの仕組みを通じて192.168.0.1のようなIPアドレスを名前解決します(実際にはいろいろなレコードがあるのでIPアドレスだけではないのですが)。
ドメイン名はTLDを頂点とした階層構造になっていて、ドメインの所有者はサブドメイン名などを作成して拡張していくことができます。このブログが利用しているドメイン名は「gmo.jp」で所有者はGMOインターネット株式会社ですが、「developers.gmo.jp」というサブドメインが割り当てられています。
一方で、NFTドメインはブロックチェーン上にあるトークンです。DNSは全く関係ありません。解決するものもIPアドレスでは無く、基本的にはブロックチェーンのアドレスです。アドレスはイーサリアムの場合は42桁の英数字です。このアドレスは人間が覚えるには長すぎるので、ドメイン名を当ててわかりやすくしようというのがNFTドメインです。IPアドレスが覚えづらいのでインターネットドメインが登場したのと同じような背景ですね。
ただそれ以外にもソーシャルメディアのアカウントや自分プロフィール画像などを設定することもできます。ここはインターネットドメインとは全く違う部分ですね。
GMOデジロック社のブログにも詳しい解説があります。ぜひこちらもご覧ください。
NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン)とは?
仕組みや使い方、購入方法までわかりやすく解説!
https://www.value-domain.com/media/nft_domain/
なぜこの領域に参入するのか
GMOインターネットグループは、ここ数年でブロックチェーン、暗号資産分野、マイニング、NFTの領域で様々な取り組みを展開しています。こちらは先日行われた2022年12月期 第二四半期決算説明会の様子です。
NFTドメイン事業とCryptoName byGMOの立ち上げは、こういった取り組みの一環です。この中では後発ではありますが、グループ各サービスとの連携をしつつ、国内のNFTドメイン普及とWeb3領域での事業を拡大していきます。
プレスリリースから引用すると
Web3は世界的なムーブメントを巻き起こしており、日本国内においても、政府がWeb3活用を基本戦略の柱の1つとすることを決定するなど、国内Web3市場の進展が見込まれています。GMOインターネットグループでは、国内Web3ベンチャーを支援する窓口として「GMO Web3株式会社」を設立し、国内Web3市場のさらなる活性化に向け取組を強化してまいりました。
https://www.gmo.jp/news/article/7908/
となります。
実際にGMOインターネットグループはインターネットドメインで国内ナンバー1のシェアを持っており、ブロックチェーンという異なる分野とは言え、ドメインの事業に先行して取り組む必要があるのは必然だったのです。
UnstoppableDomains社について
今回のCryptoName byGMOのサービスは、NFTドメイン分野で先行しているUnstoppable Domains社(以下UD社と表記します)との協業で事業を開始しました。
Unstoppable Domains
https://unstoppabledomains.com/ja-jp
UDは現在250万以上のNFTドメインを発行しており、「.crypto」「.wallet」「.nft」「.bitcoin」「.x」「.coin」「.888」「.dao」「.zil」「.blockchain」の10種類のドメインを取り扱っています。CryptoName byGMOではこの10種類全てを取り扱っています。
彼らのブログ記事にGMOインターネットとの取り組みについてと、CryptoName byGMOについての紹介があります。少し掘り下げてみましょう。これを見ると、GMOインターネットのようなドメインレジストラーと協業するということがUDのようなNFTドメインプロバイダーにとってどういう意味を持つのかが見えてきます。
This is a huge milestone for Web3 and the NFT domain industry – it’s our first partnership with a traditional domain registrar, and shows how Web2 and Web3 are converging. We envision a future where every person on the planet – and every company – owns their identity on Web3. To help get there, we’re giving traditional registrars like GMO Internet a simple, secure, and easy way to start a web3 offering within their platform and increase visibility. We’re thrilled to expand this ecosystem alongside the traditional registrar community.
https://unstoppabledomains.com/ja-jp/blog/gmo-internet-announcement
これはWeb3とNFTドメイン領域において大きなマイルストーンです – UDにとって初めてとなる伝統的なドメインレジストラとの協業です – Web2とWeb3の世界が一点になるのです。我々は全ての人、全ての企業が自分のアイデンティティをWeb3の世界に持つことになるでしょう。そのためにUDはGMOのような伝統的なドメインレジストラが自社プラットフォーム上でWeb3を提供するセキュアで簡単な方法を提供します。UDは彼らのコミュニティとともにエコシステムを広げていけることをとても楽しみにしています。
面白いですね。
.comや.co.jpのようなインターネットドメインは現在のWebの代表的な存在の一つです。たしかに「Web2」と言えるかもしれません。そしてそれらはWeb3にとって歓迎されるというニュアンスで話されています。UDは伝統的なレジストラがNFTドメインのようなWeb3プロダクトを提供することで、このエコシステムを拡大できると考えているのです。
この考えは、GMOインターネットグループとCryptoName byGMOの考え方と一致します。
また、GMOインターネットの各グループドメインサービスと連携・販売を予定し、Adam by GMOといった先行したNFT事業とのサービス連携も視野にいれております。将来的に国内唯一の独自NFTドメイン登録事業者となるべく、今後も事業拡大を図ってまいります。
https://www.gmo.jp/news/article/7908/
NFTドメインが登場したからといってインターネットドメインの重要性は変わらないでしょうし、ましてやNFTドメインと競合する関係でもないのです。
リリース後と今後の展望
サービスの開始からまだ間もないですが、いくつものドメインをご登録いただいています。また「使い方がよくわからない」と言うお問い合わせをそれなりに頂いているので、ここは丁寧にご説明をしていく必要があると考えています。
NFTと言うと、派手な絵画であったり、写真であったり、高価な権利が売買されたりすることが話題で、「NFTドメイン」は少し地味な存在かもしれません。まだまだ認知度も低いと思われます。ただ、ウォレットアドレスを解決するといった実需があり、NFTとしてのマーケットで売買可能と行った特徴も併せ持つ、今までのインターネットドメインとは違った存在です。
皆様もぜひCryptoName byGMOのサイトをご覧頂き、NFTドメインについて知って頂ければ幸いです。
ブロックチェーン上の新しいドメイン – NFTドメイン新登場
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