Excelでは当たり前のように利用されているVLOOKUP関数は、いわゆる「紐づけ」を行ってデータを簡単に引用することができます。Microsoft365のSharePointの「リスト」でもリレーションを組むことでデータ参照ができるようになっています。今回はこのリレーションの設定方法を紹介します。
目次
Excelの場合
ExcelのVLOOKUP関数を一度は利用したことがあると思います。最近ではXLOOKUP関数も追加されより便利なっています。おさらいとしてVLOOKUP関数による「リレーション=紐づけ」を確認してみましょう。
ダミーデータで作成したユーザーマスタデータを用意します。
こちらは簡易的な賞品マスタを作成しています。
このように、いつ、どのユーザーがどの商品を購入したかのデータを蓄積しています。
入力内容は、日付とユーザーID、商品コードのみとなります。
ここでVLOOKUP関数を利用して詳細な購入履歴として表示します。
C列に購入者の氏名を表示します。
セルC2に “=VLOOKUP(B2,ユーザーマスタ!$A$2:$B$100,2,FALSE)” と入力することでユーザーIDをキーとしてユーザーマスタから氏名を引用します。
購入者の氏名が表示されました。
次に、商品コードをキーとして商品名と金額を参照します。
セルE2に “=VLOOKUP(D2,商品マスタ!$A$2:$C$8,2,FALSE)”
セルF2に “=VLOOKUP(D2,商品マスタ!$A$2:$C$8,3,FALSE)”
と入力て他のセルにコピーをします。
このようにVLOOKUP関数を利用することで最小限の入力で購入履歴データの一覧表が作成されました。
リレーションの特徴として、参照元のマスタデータが変更になれば、連動して購入履歴も変更されます。
例えば商品マスタのノートPCの価格を“200,000”に変更してみましょう。
購入履歴の金額も“200000”に変更されています。
このようにリレーションは特定のキー(ユーザーID、商品コード)で関連付けられたデータを、紐を引っ張るかのように参照できる便利な機能です。
リストの場合
SharePointでお馴染みのリストでもリレーションの機能を利用することができるようになっています。
Excelのシートと同様に簡単にユーザーマスタと商品マスタのリストを作成します。
Excelのデータをテーブルにすることで、リスト作成時にインポートすることができるので便利です。
リストの新規作成で「Excelから」を選択します。
Excelのファイルを指定します。
定義したテーブルを指定します。
データごとインポートされてリストが作成されます。
「タイトル」列は「ユーザーID」に名前を変更しておきます。
同様に商品マスタのリストも作成します。
「タイトル」列は「商品ID」に名前を変更しておきます。
購入履歴はリスト用に「購入No」列を追加してテーブル定義をしてインポートしておきます
「タイトル」列は「購入No」に名前を変更しておきます。
リレーションの設定をしてゆきます。
まず「ユーザーID」を元に「氏名」列を参照するので「ユーザーID」列と「氏名」列を削除して新たに作り直します。
購入履歴リストの設定メニューから「リストの設定」を選択します。
「列の作成」を選択します。
列名:ユーザーID
この列の情報の種類:参照 (このサイトにある既存の情報)
情報の取得先:ユーザーマスタ
取得する列:ユーザーID
以下のフィールドを表示する列を追加:氏名
「リレーションシップの動作を実行する-制限削除」を選択します。
この設定でユーザーマスタのデータが削除されたとしても、購入履歴のデータには影響がでないことになります。
こちらの内容で列を作成します。
購入履歴リストに「ユーザーID」列と「ユーザーID:氏名」列が追加されました。
リレーションの確認を行います。
一番初めの購入No“G23001”を選択して編集を行います。
「ユーザーID」に元々入力されていた、ユーザーID“A1000163”を入力して保存します。
ユーザーIDに紐づけられた氏名が表示されています。
リレーションの設定が確認できました。
データを一括でコピーします。
元のExcelの購入履歴からユーザーID列のデータをコピーします。
購入履歴リストをグリッドビューで表示して、ユーザーID列の最初のセルを選択して貼り付けます。
こちらでまとめてデータ入力が完了しました。
同様に商品コードにひもづいた商品名と金額を参照できるように設定をします。
商品コード、商品名、金額列を削除します。
以下の設定で列を追加します。
グリッドビューで商品コードを貼り付けます。
リレーションが設定された購入履歴リストが作成できました。
商品マスタの金額を変更すると、購入履歴リストの金額も変更されています。
以上、リストのリレーション設定方法を紹介しました。簡易的なデータベースとしての利用シーンが多いリストでも、他のリスト(データ)を参照してデータの紐づけができるようになっています。マスターデータを有効に再利用することで、データ管理の手間が大幅に作成されます。PowerAppsやPowerAutomateなどでも活用できる便利な機能となっています。是非お試しください。
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