【2025国際ロボット展 出展レポート】AI ❤ ROBOTs で描く、人とロボットが共存する社会

2025年12月、東京ビッグサイトで開催された「2025国際ロボット展」に、GMOインターネットグループは初めて出展しました。今回の記事では、なぜいまGMOインターネットグループがAI&ロボティクスの領域に本気で向き合うのか、その背景にある危機感と構想、「AI ❤ ROBOTs」に込めた思いをお伝えします。あわせて、ブースで再現した“少し先の未来”――カフェ、店舗、倉庫、そしてロボット社会を支えるインフラまでを含めて、国際ロボット展の4日間を振り返ります。

私たちが出展した目的

GMOインターネットグループは、「2025国際ロボット展」に初出展しました。

国際ロボット展は、国内外の最先端ロボット、AI、ICT、要素技術が一堂に会する、世界最大規模のロボット専門展です。その場に初めて立った私たちが伝えたかったのは、単に新しいロボットを並べることではありませんでした。

本当に伝えたかったのは、人とロボットが共に働く社会を、どう現実のものとして前に進めるのかということです。

日本では、製造、物流、サービス、小売、警備、施設運営など、あらゆる産業で人手不足が深刻化しています。その課題は、もはや一部の業界だけのものではなく、社会全体の持続可能性に直結するテーマになりました。さらに世界では、ヒューマノイドの社会実装競争が着実に前へ進んでいます。この流れのなかで、日本が“見る側”にとどまってしまってよいのか。私たちは、その問いに真正面から向き合う必要があると考えました。

だからこそ私たちは、実装の側に立つことを選びました。今回の出展は、人とロボットが共存する社会をコンセプトとして提示するための第一歩でした。

「AI ❤ ROBOTs」に込めた思い。GMO AI&ロボティクス商事設立の背景

今回「2025国際ロボット展」に出展したのはGMOインターネットグループです。そのなかで、ブースの企画・演出の中核を担ったのが、GMO AI&ロボティクス商事(以下、GMO AIR)です。GMO AIRは、「AIとロボットをすべての人に」をコンセプトに2024年6月に設立されました。その事業活動を象徴する言葉として、「AI❤ROBOTs」があります。この「❤」は、単なるデザインではありません。ここには、GMO AIRを立ち上げた理由そのものが込められています。

GMOインターネットグループは、創業から30年、ドメイン、サーバー、決済、セキュリティといったインターネットインフラ事業を通じて、日本のデジタル社会を支えてきました。現在、グループは約130社、約8,200人のパートナーで構成されており、そのうち約1,100人がセキュリティ事業に従事しています。政府や警察、自衛隊への技術支援にも携わってきた実績があり、インターネットインフラとサイバーセキュリティの両面で社会を支えてきた基盤があります。

そして私たちは、AIもロボットも、ネットワークやセキュリティなしには社会実装できないと考えています。AIとロボットは、ネットを通じてつながり、学習し、更新され、連携しながら社会の中で動いていきます。つまり、ロボット社会の土台にあるのは、ハードウェアやソフトウェアだけではなく、通信インフラとセキュリティです。インターネットは、AIとロボットにとって神経であり、血管でもあります。

だからこそGMOインターネットグループは、自らが持つインフラ技術とセキュリティ技術を、ロボットの社会実装にこそ生かせると考えました。そして、その実装を前に進める専門組織として立ち上げたのがGMO AIRです。

もう一つ、この「❤」には意味があります。

マルチモーダル化を目指すAI企業と、自律化を目指すロボット企業は、まさに“相思相愛”の関係にあります。AIは身体を求め、ロボットは知能を求める。その間に立ち、両者をつなぎ、さらにインターネットインフラとセキュリティという付加価値をのせて、社会実装まで持っていく。GMO AIRは、その仲人役を担いたいと考えました。

2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づける理由

GMO AIRをはじめとする、GMOインターネットグループは、2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づけています。この言葉の背景には、強い危機感があります。

世界ではいま、ヒューマノイドをめぐる競争が急速に進んでいます。中国、アメリカ、ヨーロッパでは、国家レベル、産業レベルで社会実装のスピードが上がり、実証から実運用へとフェーズが移りつつあります。一方で、日本企業は、ヒューマノイド関連の大きなニュースの中で、まだ十分に存在感を示せているとは言えません。かつて「ロボット大国」と呼ばれた日本が、この領域で後れを取るかもしれない。その現実を、私たちは重く受け止めています。

だからこそGMO AIRは、自ら動くことを選びました。日本トップクラスの技術力、最先端のロボット、そしてGMOインターネットグループが持つインフラ基盤、この三つを掛け合わせることで、日本一ヒューマノイドの社会実装ができる商社を目指す。それが私たちの意思です。

「このままでは、かつてロボット大国だった国になってしまう」

その危機感こそが、GMO AIRの原点です。そして、その危機感を希望に変えるために、私たちは今回の展示会で“実装の現場”をそのまま持ち込みました。

ロボット人材派遣型サービスは、「レンタル」ではなく「働ける状態で届ける」ための仕組み

GMO AIRが進める取り組みで、大きな柱となるのは、ロボット人材派遣型サービスです。事前に動作をプログラムしたヒューマノイドロボットをお客様の現場へ派遣し、実証実験やイベント活用などを代行またはサポートする、役務提供型のサービスです。

これは、単なるレンタルでも販売でもありません。導入前に用途を整理し、現場に合わせて動作を設計し、実際に使える状態までチューニングして届ける。さらに、稼働やメンテナンスを含めてGMO AIRが責任を持って運用し、操作講習や24時間サポートまで含めて支援します。

イベントや特定期間だけなど、日単位・月単位で柔軟に利用できる点も特徴です。常設導入の前段階として試したい、繁忙期だけ活用したい、短期間の実証実験から始めたい――そうしたニーズに応えながら、ロボット活用のハードルを下げていきます。

現場にとって本当に必要なのは、高性能な機体そのものよりも、明日から使える運用の形です。ロボット人材派遣型サービスは、そのギャップを埋めるために生まれました。

そして今回の展示会では、このサービスで主に活躍している Unitree G1(右) に加え、新たに導入した UBTECH Walker E(真ん中)、Engine AI PM01(左) の2機種を初披露しました。ヒューマノイドの活用を、構想ではなく具体的な選択肢として見ていただくための展示です。

会場をロボットエンジニアによる研究開発拠点に見立て、実証実験の場にする

今回のブースでは、東京ビッグサイトの会場そのものを、ロボットエンジニアが集う研究開発拠点に見立て、4日間を通じて実証実験を行う場として設計しました。

GMOインターネットグループでは現在、2026年4月の開業に向けて、第1本社内に日本最大級のヒューマノイドラボを整備しています。この拠点は、ヒューマノイドの社会実装と普及を加速させる中核施設となる予定です。

今回の展示は、その開発拠点で進めている検証を、来場者にも体感いただける形で再現したものです。ブースを“見せる場”にとどめるのではなく、ヒューマノイドが現場でどう働き、どこまで業務を担えるのかを試す実験の場として位置づけ、未来のオペレーションを具体的に提示しました。

ブースに入ると、そこには“少し先の未来”が、わかりやすい生活シーンや産業シーンとして立ち上がっていました。カフェ、店舗、倉庫、郊外の岩場。そのどれもが、単なる演出ではなく、「この現場なら自社でもあり得る」と想像しながら体験できるように設計されていました。12月にご来場いただいた皆さまには、そうした未来の一端を、実際のオペレーションとして体感いただきました。

体験コンテンツ① ヒューマノイドが配膳するロボットカフェ

まず象徴的だったのが、ヒューマノイドが配膳するロボットカフェです。注文受付から配膳までをヒューマノイドが担い、サービス業の中でロボットがどのように人と役割分担できるのかを、具体的な体験として、そして2025年時点での社会実装の現在地として提示しました。

今回の展示では、AI対話を実装したヒューマノイドが、お客様と会話をしながらオーダーを受け付け、その場で実際に注文された商品をお届けするところまでをデモンストレーションしました。単に“ロボットが動く”のではなく、“お客様とやり取りしながら仕事をする”姿を見ていただけたことは、大きな意味があったと感じています。

カフェという身近な空間だったからこそ、来場者の反応も非常に率直でした。ロボットが働く少し先の未来を、自分ごととして想像していただける展示になりました。

体験コンテンツ② ヒューマノイドが接客する店舗

次に展開したのが、小売・店舗シーンを想定したヒューマノイド活用です。ブース内では、渋谷フクラスの「GMOオフィシャル .shop」をモチーフに、GMOデジタル美術館やGMOオフィシャルグッズの実際の商品、GMOフィナンシャルゲートの stera terminal standard を展示し、よりリアルな店舗空間を再現しました。

そこではヒューマノイドが来場者への呼び込みを担当し、さらに業務DXロボット「ugo Pro」が立哨することで、未来の店舗運営を思わせる風景が立ち上がっていました。ただロボットを見せるのではなく、「本当に店舗に立ったらどう見えるか」を来場者に感じていただくことを意識した展示です。

体験コンテンツ③ 工場・倉庫で働くヒューマノイド

物流・製造の現場をテーマにしたエリアでは、工場・倉庫で働くヒューマノイドの業務デモを実施しました。荷運び作業をヒューマノイドがどのように担うのか。産業シーンでのヒューマノイド活用を、来場者の皆さまに間近にご覧いただきました。

ここで見せたかったのは、ヒューマノイドが現場の一部として機能し始めているという現実です。サービス業だけでなく、物流や製造のような実務の現場でも、ヒューマノイドが担える仕事は確実に広がり始めています。

さらにこのエリアでは、エレベーターとの連携が可能な Robo Path の多機能サービスロボット「RP-X100」のデモ展示も行いました。会場内にはエレベーターに見立てたエリアを設け、ロボットの走行デモを実施。単一フロア内だけでなく、複数フロアをまたぐ業務にどう対応できるかという、実運用に直結する視点で紹介しました。

体験コンテンツ④ ロボット人材派遣型サービスのヒューマノイド3機種を展示

ロボット人材派遣型サービスのエリアでは、登録ヒューマノイド3機種を展示しました。

今回の主役の一体であり、すでに実証実験やイベント活用などの現場で人材派遣実績を持つ機体が Unitree G1です。接客、案内、研究用途、対話体験など、幅広いユースケースを持っています。今回のブースでも、カフェ、ショップ、倉庫、AI対話といった複数のシーンに登場し、その多用途性を示しました。

また、ステージでは「Unitree G1」によるダンスショーも開催しました。会場では多くの来場者が足を止め、大きな人だかりができるほどの注目を集め、ヒューマノイドの表現力や存在感を強く印象づけるコンテンツとなりました。なお、このダンスショーの裏側については、担当エンジニアが別途ブログで詳しく紹介しています。どのように実現したのか、技術的な工夫や舞台裏に興味のある方は、ぜひあわせてご覧ください。

そして今回初お披露目となったのが、Engine AI PM01と UBTECH Walker Eです。

PM01は、世界で初めて前方宙返りに成功した機体として注目されるヒューマノイドで、研究・教育・エンターテインメントなど幅広い活用が期待されています。高い身体能力と先進性は、未来のロボット像を強く印象づけました。

Walker Eは、大型ヒューマノイドとして“人の作業代替”を本気で目指した設計が特徴です。製造・物流といった現場での活躍を想起させる存在感があり、ヒューマノイドが本格的に産業領域へ入っていく兆しを感じさせました。

ヒューマノイドは、用途に応じて選び、試し、現場へ実装していく段階に入りつつある。その変化を、来場者の皆さまに具体的に感じていただきたかったのです。

体験コンテンツ⑤ Unitree Go2-W走行に挑戦

体験コンテンツのひとつとして、多くの来場者に楽しんでいただいたのが、4足歩行ロボット「Unitree Go2-W」の走行体験です。会場にはゴツゴツとした岩場を模したエリアを用意し、来場者の皆さまご自身にGo2-Wを操作していただきながら、凹凸のある地形を乗り越えるデモを体験いただきました。

実際に動かしてみることで、映像や説明だけでは伝わりにくい高い走破性や機動力を、よりリアルに感じていただけたと思います。こうした性能は、点検や警備といった現場で特に力を発揮するものであり、ロボットが人に代わって危険箇所や移動負荷の高い環境で活躍する未来を、具体的にイメージしていただける展示になりました。

体験コンテンツ⑥ 双腕ロボットでチョコ獲得に挑戦

双腕ロボットの体験コーナーでは、来場者自身が操作に参加し、オリジナルチョコの獲得に挑戦できるクレーンゲーム形式のコンテンツを用意しました。双腕ロボットは、人間の両腕のように動作できるため、ピッキングや組み立てなど、より複雑で繊細な作業への応用が期待されています。

どれだけチョコを取れるか。どこまで器用に操作できるか。少しのズレが結果にどう影響するか。遊びの中にこそ、実装のヒントがある。そんな体験コンテンツでした。

ロボット社会を支えるのは、ロボットだけではない

今回のブースでは、GMOインターネットグループのインフラ商材を紹介するステージやエリアも設けました。このエリアは、私たちがなぜロボット領域に取り組むのかを、事業の視点から理解していただくための重要なパートです。

GMOサイバーセキュリティ byイエラエ「ロボットセキュリティ診断」

まず紹介したのが、GMOサイバーセキュリティ byイエラエによる「ロボットセキュリティ診断」です。「世界トップクラスのホワイトハッカーによるロボットセキュリティ診断」というメッセージとともに、ロボット・IoTデバイスの脆弱性にどう向き合うかを紹介しました。ロボットは、ネットワークにつながる以上、セキュリティが万全でなければ社会実装できません。安全性と信頼性を担保することは、普及の前提条件です。

GMOサイバーセキュリティ byイエラエ「GMOサイバー攻撃ネットde診断 ASM」

もう一つのセキュリティ関連商材として紹介したのが、GMOサイバーセキュリティ byイエラエによる「GMOサイバー攻撃ネットde診断 ASM」です。これは、IT資産のリスクを可視化し、診断だけで終わらず対策まで支援するサービスです。ロボットが社会に入り込めば入り込むほど、周辺システムやネットワークも含めた攻撃面の把握が重要になります。ロボット社会は、便利さだけでなく、防御の設計まで含めて初めて成り立ちます。

GMOインターネット「GMO BIZアクセス」:ロボットを動かす通信基盤

通信領域では、「GMO BIZアクセス」のパネルを展示しました。ロボット社会の現実は、安定した通信接続の上に成り立っています。ロボット回線サービスのユースケースとして、建設現場の自律型ロボットや、多脚型ロボットの巡回警備などが紹介され、現場環境に合ったネットワーク設計の重要性を伝えました。

GMOインターネット「GMO GPUクラウド」:AI開発を加速する計算基盤

さらに、ヒューマノイドのAI開発を支える取り組みとして、「GMO GPUクラウド」も紹介しました。ヒューマノイドの実用化には、身体の進化だけでなく、知能の進化も欠かせません。そこで、NVIDIA H200やB300 GPUを高速ネットワークで接続した、大規模利用に適した計算基盤を提供していることを紹介するとともに、一般社団法人AIロボット協会との連携についても発信しました。こうした計算資源の提供は、大規模なロボット基盤モデルなどのAI開発を支え、ロボット産業の裾野を広げるうえでも重要です。

私たちが今回の展示で伝えたかったのは、GMOインターネットグループがロボットを“見せる”だけの存在ではないということです。通信、セキュリティ、GPUクラウド。そのすべてを束ねて、社会実装まで持っていく。そこに、GMO AIRらしさがあるのです。

結びに:ヒューマノイド定着の最前線へ

今回の「2025国際ロボット展」への初出展は、GMOインターネットグループにとって、新たな挑戦のスタート地点でした。同時にそれは、GMO AIRにとって、自分たちがどのような未来を本気でつくろうとしているのかを、社会に向けて明確に示した4日間でもありました。

「AI ❤ ROBOTs」という言葉には、AIとロボットの出会いをつくり、その間にインフラとセキュリティという価値をのせて、社会実装へとつなげていくという強い意思が込められています。「2026年はヒューマノイド元年」という言葉には、日本がこの大きな潮流に乗り遅れてはならないという危機感が込められています。そして、ロボット人材派遣型サービスや日本最大級のヒューマノイドラボという取り組みには、人手不足に悩む現場でロボットが本当に役立つ社会を実現したい、日本のロボット産業がもう一度存在感を取り戻す未来をつくりたい、という私たちの願いがあります。

今回の展示で披露したのは、決して遠い未来の夢物語ではありません。カフェで、店舗で、倉庫で、そしてこれからの社会のさまざまな現場で、ヒューマノイドが人とともに働く“少し先の未来”です。

GMO AIRを中心に、GMOインターネットグループはこれからも、ヒューマノイド定着の最前線に立ち続けます。


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ブログの著者欄

石井 純

GMOインターネットグループ株式会社

東京都出身。国内電機メーカーのハウスエージェンシーにてデジタルマーケティング業務を経験したのち、2024年にGMOインターネットグループ株式会社へ入社。グループ広報部にて技術広報を担当し、イベントや本ブログを中心とした情報発信に従事。Japan Robot Week 2024やCODE BLUE 2024のGMOインターネットグループブースの企画運営を担当した他、GMO Developers Day 2024の開催にも携わる。

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