【Expert Cross #1】“人生2周目”のエキスパートが挑む、「つながり」の構築と認知拡大

優れた技術を持つ人材がいても、その存在が社内外に知られなければ、組織としての強みにはなりません。個人の専門性をいかに可視化し、自社の「無形財産」としていくのかは、多くの企業が抱える課題ではないでしょうか。

GMOインターネットグループでは、業界全体の発展に寄与しつつグループ全体の技術力・クリエイティブ力を牽引し、技術広報活動に貢献するパートナー(社員)を支援する「エキスパート制度」を運用しています。

エキスパートには、活動費として最大で年間100万円が支給されます。その資金を活用してイベント登壇用や研究用のデバイス購入・検証用のAIエージェント契約費・イベント主催における飲食・運営費などにあて個人の技術研鑽とともにグループブランド向上に寄与するべく広報活動を行っています。
本記事では、エキスパート(映像領域)として活動する、GMOインターネット株式会社 クリエイティブ部 映像チーム リーダーの加藤さんと、上長であるGMOインターネット株式会社 業務執行役員 クリエイティブ部エグゼクティブリードの丸山 清人さんに、エキスパートになった経緯や1年目の活動の振り返り、エキスパートに求められる資質などについて伺いました。

エキスパートに「なるべくしてなった」クリエイター・加藤さん

———加藤さんがエキスパートに立候補された理由と、丸山業務執行役員が推薦された理由をそれぞれお聞かせください。

加藤

入社前から社外で登壇などの活動をしていたのですが、入社後はなかなかそういう機会がありませんでした。社外の方とイベントでお会いすると「へえ、GMOって映像やってるんだ」「そういうクリエイターがいるんだ」というリアクションをされることが多くて。GMOとクリエイティブの紐付けが市場的にまったくされていなかったんですね。

もどかしい思いを抱えるなかで出会ったのが、すでにエンジニアのエキスパートとして活躍されている先輩でした。映像制作の現場でその方を取材したり、インタビューを撮影したりする中でエキスパートとしての活躍を間近で見る機会があり、その活動がとても面白そうに見えたんです。そこからエキスパート制度に興味を持つようになりました。

エキスパートとしてこれまでの登壇経験などを活かしながら、社内外への情報発信を通じた認知拡大や、映像クリエイター同士のつながりの構築を自分のミッションとしてやれるのであれば面白そうだなと思い、立候補したという流れです。

丸山

推薦に関しては、もう最初から「加藤くんしかいないだろうな」というイメージでした。メンバーの間では「人生2周目」と言われているくらい飛び抜けた活躍をしていたので、制度開始前から実質エキスパート水準の活動をしていました。立候補すると聞いた時も「当然そうだよね」という感覚でしたね。自信をもって推薦しました。

外部登壇を1回やるだけならば、ある程度の知見があれば誰でもできます。加藤くんが他の人と違うのは、それを継続的に続けていることです。この継続力こそがエキスパートに求められる重要な資質だと思いますし、この年齢とキャリアでそれができるという意味で、もうすんなり推せたという感じです。

———今回でエキスパート2年目に入られる加藤さんですが、1年目の活動とその成果について振り返っていただけますか。丸山業務執行役員の所感も伺いたく思います。

加藤

自分の中では「社内のネットワークを作る」「社外の人たちとの交流を作る」「社外に出ていく」という3つの柱を立てて取り組んでいました。

社内ではグループ全体の動画クリエイターが集まるSlackチャンネルを作り、オフラインでの交流も行いました。社内のつながりを作る中で「こんな人がいたんだ!」という出会いがあり、イベントに登壇してもらったりもしました。社内のつながりができたからこそ、社外にこんな人がいると発信できたのは1つのポイントでしたね。

社外との関わりでは「インハウス動画サミット」というイベントを開催し、百人以上の方に来てもらえました。複数の事業会社から登壇者も出していただきましたし、インハウスで映像を制作している企業同士のイベントを実現できたのは大きな成果だと自負しています。

他にもグループ横断の教育支援プロジェクトにも関わりましたね。渋谷区内の小学生への授業支援活動で動画制作やAIを使ったアニメーション制作など、自分の専門領域を生かす活動ができたかなと思います。

1年目にやりたかったことはざっくりできたように思いますが、2年目以降はコミュニティの振興や外部発信・登壇といった活動の土台となる部分をさらに伸ばしていきたいです。まだまだ発展させる余地があるので、継続していきたいですね。

丸山

正直なところ、期待以上の成果を出してくれましたね。インハウス動画サミットを企画として持ち込み、計画して実現させて百人以上集めたというのは、「そこまでやっちゃうんだ」という感じでした。

100名以上が渋谷に集まった「インハウス動画サミット2026」── 企画の裏側と満足度97.3%の理由

アンケートの満足度も97.3%とかなり高かったですよね。あとエキスパートの活動とは少し違う部分かもしれませんが、映像チームのマネージャーが産休でお休みの中、加藤くんがエキスパート活動を通じてチームを引っ張り別の角度からマネージャーの分まで頑張ってくれました。この奮闘はチームとしても心強かったのではないかと感じていますね。

加藤

チーム全員がマネージャーの復帰を心待ちにしています(笑)。

エキスパートとして周囲に与える「好影響」

———エキスパート活動を通じて、加藤さん自身も成長されたのですね。他にはどんな変化があったのでしょうか。

加藤

「積極的に情報発信しなければ」という意識が、より一層強くなりましたね。やればやるほど知られていないことが多いと実感しますし、グループの中でもっといろいろできないかなと考えるようになっています。

エキスパート活動を通じて社内の動画クリエイター同士のつながりを作ったとお話しましたが、インハウス動画サミットの企画では、実際にそのつながりによって社内のすごい人を発掘し登壇のアサインまでこぎつけました。結果として、社外にGMOインターネットグループのすごい動画クリエイターの存在を発信できたというのが大きな成果だったと思います。結局私ひとりが目立つだけではダメなんです。全社的な層の厚さを見せるには、いろんな人が実際に出ていくほうが伝わりやすいですから。

GMOの動画クリエイターとして、多くの方が世の中に出ていってもらえたら面白くなるなと思いますね。

丸山

加藤くん自身も活動の場がどんどん広くなり、回数を重ねる中でいい意味での「場慣れ感」も出てきました。もともとやっていたことに輪をかけて広がってきている感じはあります。

映像チーム内で最年少という中で、年上のメンバーを引っ張っていくという役回りもこなしながらだったので、本人の自信にもつながっていったのではないでしょうか。

周囲への影響も大きな変化ですね。加藤くんがどんどん前に出てくることで、「あれをやろう」「これをやろう」と、周りのメンバーも主体的になっているような感じがあります。加藤くんがエキスパートとしてみんなの前に出て、背中で引っ張ってくれているからこその変化だと思いますね。

チーム内で大きな存在になりつつありますし、良い流れを持ってきてくれています。

加藤

そこに関しては、チームメンバーの皆さんがすごくいい方ばかりなので…。

それでも「みんなでいろいろなものを作っていく面白さ」はこれまで以上に感じるようになりましたし、チームだからこそ初めて成し遂げられることがあるというのは、エキスパート活動を通してすごく実感する部分ですね。

———加藤さんがチームへ与えた具体的な影響として、「AI活用の推進」があると伺いました。

加藤

最初は「AIで動画を作るなんて何を言っているの?」という風潮がありました。2025年中盤ごろから動画や画像の生成AIが実用レベルになってきたのを機に、現場レベルに落とし込むのに何が必要なのかといった情報を自分から取りに行ってチームの中で共有したり、必要なら稟議を書いてでもツールを導入したりしていましたね。

先日もAdobeのセミナーでAIを使った広告制作の事例を発表したところ、かなりの反響がありましたね。社内からではなかなか自社や自分の取り組みを客観的に見づらい部分もありますが、社外から見るとかなり我々のAI活用は進んでいるようですので、自信を持って発信していきたいです。

丸山

全社的にAI活用に舵を切る中で、映像チームとしてどうAIを取り入れるか模索していた時期に、加藤くんが「こういう使い方もできるのでは?」と引っ張ってくれました。そのおかげで、現在は制作工程の約25%でAIを活用しています。この数字はかなり多い方だと思いますね。

今後はデザインや映像の領域においてAI活用は必須になるでしょうし、会社としてもAI活用を強力に推進する方針です。そうした最新技術を周囲に先んじて使いながら実績を作っていくことは、エキスパートとして欠かせない要素になりそうですね。

加藤

動画制作に限った話ではありませんが、AI活用はこれからの時代において切り離せないことだと思います。ただ私自身はそれを結構楽しんでやっている感覚ですね。できないことができるようになる感覚がありますし、使った内容やどんなアウトプットがなされたのかは情報発信しなければならないなと思います。

2026年はインハウス映像の「可能性」を伝える年に

———エキスパート活動2年目となる今年、加藤さんご自身の目指す姿と、丸山業務執行役員が期待されることをそれぞれお聞かせください。

丸山

事業と連携したマーケティングやブランディングを含めた、動画でのアウトプットや、映像チーム発の企画をどんどん発信できるような仕組みができれば言うことないですね。加藤くんはすでにそれができると思いますが、それ以外のメンバー全員が同じような動きを取れるのが理想です。

YouTubeの数字を追ったりはしているのですが、仮説を立てたうえでアプローチの仕方を立案したり、このサービスはここが足りないから動画で訴求しようといった形で、動画制作者として掘り下げた提案もできると思うんです。

周りのメンバーがそういった提案を自発的に行い、常にそうした視点を考えて映像制作に取り組んでいける世界が作れると本当にいいと思いますし、そこに向けて加藤くんがリーダーシップを発揮してくれることを期待しています。

加えて、チームで挙げた成果やメンバーの持つスキルなど「GMOインターネットの映像チームはこうだ」と言える色がもっと出てくるような形で発信ができると、チームのブランディングとして一段と強くなれるのではないかと思いますね。

加藤

丸山さんの話にもつながりますが、今は正直「何でもできるチーム」という説明になってしまっていて、もう少し具体的な数字や成果に固執してもいいのかなと感じています。一歩先に行かなければならないという課題感はあるので、チームの強みを定義して押し出していくことには積極的に取り組んでいきたいなと思いましたね。

———最終的なゴールや理想像はどこになるのでしょうか。

加藤

より大きな目標としては、インハウスで映像を作るという働き方を当たり前の選択肢にしたいと思っています。映像系の学生は制作会社や代理店といった従来の進路に目が向きがちですし、同級生もそちらに進む人が大半でした。

ただ、従来の進路とはまた違った面白さや働き方がある「事業会社のインハウスクリエイター」という道もあることを、自分がそういう環境に身を置いているからこそ選択肢の一つとして知ってもらいたいですね。

実際に会社説明会やインターンには関わるようにしていますが、映像系の志望者はまだ少ないと感じています。来てくれた人には「よく見つけたね」という感覚なので、もっと発信して仲間を増やしていかなければというのが正直なところです。

丸山

採用面でいうと、加藤くんは「こういう人が欲しいんです」というのを伝えやすい形にしてくれました。今後、若いクリエイターや映像業界を志す人たちが「こういう働き方もあるんだ」と見つけやすくなるような仕組みや関係づくりができていけばいいですね。実際に少しずつ変わってきているのではないかと感じています。

「映像は加藤に聞け!」と言ってもらえる知名度を

———社内でエキスパート制度自体の知名度を上げていくためにも、情報発信はもっと重要になりそうですね。

丸山

今後後に続く人たちに対して、何かしらのエキスパートのノウハウみたいなものが貯まっていくような仕組みがあるといいですね。

加藤

たしかにそうですね。今は個々の取り組みの印象が強いのかなと中にいても感じますね…。

丸山

個人のノウハウを見える化した上で、どういう人がエキスパートになるのかというイメージがつかめると、次に続く人たちが「自分もこういうのやってみよう」と取り組みやすくなりそうですし、広がりも見えるかなと。

自分が全く知らない分野だとすごさや権威性が分かりにくい部分もあるので、発信の仕方や見せ方を共通言語化することでエキスパートへのあこがれを持ってもらえるようになると思いますね。技術面だけでなく人間力的な部分も問われる活動ですし、周囲への影響も強くなっていくと考えています。

加藤

エキスパートのいいところは専門領域で尖った人たちがいることですが、それぞれが「点」なんですよね。個々の取り組みや活動が紐づいて「線」になることで、若い方がエキスパートに憧れるという状態になれば、もっといい方向に進みそうです。

たとえば、「映像に困ったらとりあえず加藤に聞くか」みたいな形になっていくといいのかなとも思いますね。 それくらいになれればグループの中で一定以上の知名度がある証左にもなりますし、それが社外に伝わっていくんじゃないかと感じます。

———最後に、これからエキスパートを目指す方へのアドバイスをお二方からお願いします。

加藤

エキスパートとして活動していくためには、日頃から周囲との信頼関係を築くことが大事です。スキルが高い人はこの会社にたくさんいますが、自分がこの役割を果たせているのも、周りの人たちに支えてもらっているからこそです。

「驕らない」ことも不可欠です。自分でちゃんと手を動かして作品を作っていなければ、事例を外に発信することもできません。手元の仕事をしっかりやらなければ、エキスパートとしての役割を果たせません。

技術力は大前提ですが、継続力と信頼関係、そして常に新しい情報をキャッチアップし続けることが重要ですね。

丸山

好奇心ですよね。エキスパートだからやっているというより、加藤くんは純粋に知りたい、やりたいが先行している感じがする。それをさらっと言えちゃうのがまたすごいんだけど。(笑)

加藤

確かに、好奇心で生きているようなところはありますね。「面白そう」が人生の原動力です。新しいチャレンジをしたいという気持ちを持ち続け、それを旗振っていくのがエキスパートの役割だと思います。

丸山

私からエキスパート志望者へのアドバイスとしては、何か一つでも継続して取り組み続けていることがあるのが大事ということです。加藤くんでいえば、外部登壇を何年も続けているという実績が本人の自信にもつながっています。

個人的には何か変わった技術、突出した技術を持っているよりも、「ここまで地道に続けてきました」と言える人のほうがエキスパートとして説得力が増しますし、強みになるのではと感じます。半年でも1年でもいいので、何か1つ続けるということを意識してみてほしいですね。

まとめ

社内のネットワーク構築・社外イベントの開催・AI活用の推進と、自ら掲げた3本柱のすべてで具体的な成果を残した加藤さん。丸山さんが「期待以上」と評する通り、100名超を集めたうえで高い満足度を残した「インハウス動画サミット」はその象徴と言えます。

周囲に好影響を与えながら自ら成長し、継続的な情報発信で人財活性化や採用に寄与する姿は、まさにエキスパート制度が求めるパートナー(社員)の在り方だと言えるでしょう。

GMOインターネットグループでは、今後も引き続きエキスパートへの支援を継続し、業界全体の発展に貢献してまいります!

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技術広報チーム

GMOインターネットグループ株式会社

イベント活動やSNSを通じ、開発者向けにGMOインターネットグループの製品・サービス情報を発信中

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