【インタビューVol.5 後編】若手リーダーが挑む攻めの映像戦略

GMOインターネットグループが今年4月から開始する、年間を通してデザイン・クリエイティブの発信を強化する施策「Creator Synergy Project」の取り組みとして、本ブログでもデザイナー・クリエイターへのインタビュー連載をスタートしました!
前編「映像で事業に伴走する。若手クリエイターが4年目でリーダーになった理由 」に引き続き、今回は後編として、映像チームのリーダーに就任した加藤優真さんに、AIやデータ活用の最前線、そして今後の展望について伺いました。 

現場に寄り添い、数字で応える映像づくり

—ここからは、実際に手がけられた事例について、当時のエピソードとともに教えてください。

加藤

まずご紹介したいのは、画像生成AIサービス「ConoHa AI Canvas」のサポート動画です。

このサービスには、世界中で人気の高いオープンソース画像生成AI 「Stable Diffusion XL」というモデルや、Checkpointのインストールなど、初心者には馴染みのない機能が多く含まれていました。そのため、映像で直感的に伝えたいという相談を受けたのがはじまりです。

制作はサービス開発と並行して進んだため、日々仕様や操作画面が変わる中での作業となり、なかなかにハードでした(笑)。それでもリリース当日に無事間に合わせることができ、メディアやSNSでは「説明動画があるので初心者でも始めやすい」と紹介されるなど、敷居の高さを下げる一助となりました。社内的にも、カスタマーサポートの負担軽減という明確な効果があり、作って終わりではない意義を感じられる案件でした。

画像生成AIサービス「ConoHa AI Canvas」のサポート動画

加藤 優真|GMOインターネット株式会社 ドメイン・クラウド事業本部 クリエイティブ部 映像チーム リーダー

2000年生まれ。高校時代は放送部に所属し、NHK杯全国大会への出場経験を持つ。大学では放送・映像制作を専攻し、復興支援活動を題材にしたドキュメンタリー制作にも取り組む。学生時代からAdobe Premiere Rushのユーザーグループ代表として登壇や講演、記事執筆を行い、Adobe MAXでは国内外で講師を務める。2022年、新卒でGMOインターネット株式会社に入社。入社1年目から全社集会映像などの主要案件を手がけ、4年目には映像チームのリーダーに抜擢される。2025年にはGMOインターネットグループの技術・クリエイティブにおける活動でインターネット業界発展に貢献するエキスパートにも就任。社内外の映像制作に加え、採用活動や社内向けAIセミナーのライブ配信を通じて発信にも取り組む。渋谷スクランブル交差点での広告映像放映、商材やIRなどコーポレート関連けの映像制作など、成果を数字で示す実装型クリエイターとして、インハウスの映像価値を広げている。

加藤

次に挙げたいのは、渋谷スクランブル交差点で放映されたドメイン登録サービス「お名前.com byGMO」の広告映像です。

ちょうど「お名前.com」の25周年と、「.bond」ドメインを提供する企業とのコラボのタイミングが重なったことで、広告を出すことになりました。最初は海外での放映も検討されましたが、最終的には「日本のサービスなので、日本で放映しよう」という方針となり、渋谷のど真ん中であるスクランブル交差点が選ばれました。

この15秒の映像は私がメインで制作を担当しました。シニアメンバーにサポートしてもらいながら仕上げましたが、制作中はスケールの大きさにそこまでの実感が湧かず……。完成後、自分がつくった映像が渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョンに流れているのを見た瞬間、「ここまで来たんだ」と胸に迫るものがありました。

▼スクランブル交差点にて映像が放映されている様子

加藤

IRや広報関連の映像制作も印象深い仕事のひとつです。2025年の1月に、GMOインターネットグループのインフラ事業を、グループ会社だったGMOアドパートナーズに統合しまして、社名も新たに『GMOインターネット株式会社』として再スタートを切りました。事業承継により社名変更が行われたタイミングでの四半期決算説明会の映像は、特にプレッシャーの大きな案件でした。
GMOインターネットグループのインターネットインフラ事業と、GMOアドパートナーズが展開してきたインターネット広告・メディア事業、それぞれの強みを最大限に活かすメッセージの伝え方や、両事業の融合によって生まれる新たな価値創造への挑戦について、ステークホルダーにどのように効果的に伝えるかが大きな課題だったんです。

加藤

社長に就任した伊藤( 現GMOインターネット株式会社 代表取締役 社長執行役員)のスピーチとあわせて、「GMOインターネットが提供するインフラ事業」を視覚的に伝える映像を担当することになりましたが、「伝え方を誤れば、株価に響くかもしれない」という緊張感と隣り合わせでした。でもそのぶん、社内外のステークホルダーにインパクトのある映像を届けられたという実感も大きかったです。

そのほかにも、日頃から商材紹介やサービス告知の映像を多く制作していますが、そのなかでもコンバージョン率や問い合わせ数など、映像による効果が数字で見える点に、クリエイターとして大きなやりがいを感じています。映像の出来がダイレクトに数字に反映されるからこそ、「映像で何ができるのか」という問いに、以前にもまして真剣に向き合っている感覚がありますね。

背伸びの連続が可能性を広げてくれる

—今年から4年目ということで、これまでの3年間+現在で、ご自身の成長をどう感じていますか?

加藤

「手を挙げれば任せてもらえる」という社風の中で、得意ではなかった分野や、これまで触れてこなかったジャンルにも積極的に挑戦する機会が増えてきました。そうした小さなチャレンジの積み重ねが、自分の中にある「できること」の幅を確実に広げてくれた実感があります。

挑戦の積み重ねが、映像の幅を広げていく。

加藤

また、企画段階から効果測定までを一貫して担当できる環境だからこそ、ビジネス的な視点も少しずつ育ってきました。たとえば、YouTubeのアナリティクスを活用して「どの部分がよく視聴されているのか」を分析し、特定のシーンを切り出して別コンテンツに活用するといったように、感覚ではなくデータを根拠に判断する意識が育ってきたと思います。もちろん、まだまだ発展途上ではありますが、今後も磨いていきたい力です。

—リーダーとして、今後チームがどのような方向を目指していきたいと考えていますか?

加藤

映像は今や、サービス提供や事業推進において欠かせない存在になっています。そうした需要に対して、我々クリエイターがどれだけ柔軟かつスピーディに応えられるかが、チームの価値に直結すると感じています。
一方で、対応すべき課題もまだいくつか残っているので、可能性を広げる余地はたくさんあります。だからこそ、チーム全体の生産性や体制をより強化して、より自発的に動ける組織を目指したいと思っています。最終的には「映像のことならこのチームに任せたい」と社内外から自然に声が上がるような、強いインナーブランディングにつなげていけたら嬉しいです。

—リーダーとして、日々のチームマネジメントで意識していることがあれば教えてください。

加藤

Slackなどのテキストコミュニケーションだけでは汲み取れないニュアンスも多いので、やりとりの背景にある気持ちや状況を、できるだけ想像するようにしています。突き詰めれば、メンバーそれぞれが「やりたい」と思っていることを、どうしたらストレスなく形にできるかを考え続けるのが、私の役割なのかなと。

案件によっては、自分ひとりでは到底こなせないような規模のものもあります。でも、チームで取り組めば実現できるし、結果的にそれが自社やグループ全体への還元にもつながる。そういう循環をこれからもっと増やしていきたいです。

—2025年度からは技術・クリエイティブでインターネット業界発展に貢献する「エキスパート」にも選出されましたね。任命された時はどのようなお気持ちでしたか?

(※GMOインターネットグループの「エキスパート制度」は、技術やクリエイティブの分野でグループの発展に寄与するパートナーを支援する取り組み。選出者には活動支援費が支給され、発信・登壇・コミュニティ形成などの取り組みが後押しされる。→ エキスパート制度の詳細はこちら

加藤

はい、ありがたいことに。今年からクリエイターも対象になったと知って、思い切って手を挙げてみました。もともと親しくしてくださっていたエンジニアの先輩が選出されていて、「かっこいいな」と感じていた制度だったので、自分も選ばれたときは本当に嬉しかったです。

まだまだ力不足かもしれないという気持ちも正直ありますが、「エキスパート」という肩書きに恥じないように、自分の視野や行動を広げていこうと、ちょうど気を引き締めたところです。

—今後、どのような活動を構想・予定されていますか?

加藤

まず決まっているのは、渋谷区教育委員会、東急、そして渋谷に拠点を構えるIT企業4社と連携して行う「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」への参加です。

このプロジェクトは、次世代に必要な資質・能力を持った人財を渋谷から輩出する土台作りを進めることを目的に作られ、2019年から推進しています。GMOインターネットグループは、同年から「GMOデジキッズ」の取り組みを開始し、自治体や学校でのプログラミング教育などのノウハウ提供を行っています。

今回はGMOインターネットグループの代表として、小学生に向けてプログラミングや「伝えること」の授業を行う予定で、これは個人的にもとても楽しみにしている取り組みです。

また、社内外のクリエイターと積極的につながり、登壇や寄稿などの情報発信にも力を入れていきたいです。まずは「GMOインターネットにインハウスの映像制作チームがある」ということを、もっと多くの人に知ってもらうところから始めたいですね。

学生時代には、映像に興味を持つ人向けにセミナー講師をしていた経験もあるので、そういう原点に立ち返るような活動も今後やっていけたらと思っています。映像の面白さや可能性を伝えることは、自分にとってずっと変わらないテーマなのかもしれません。

映像の面白さと可能性を、まっすぐに届ける。

—レクチャーといえば、GMOインターネットグループ全体でのAI活用推進にも関わっておられますね。

加藤

そうなんです。映像領域ではまだ、生成AIの活用は試行錯誤の段階です。ただ、だからこそ今のうちに危機感を持って動いておく必要があります。

GMOインターネットグループの代表である熊谷も「本格的になってからでは遅い」と繰り返し指摘しています。まさにその通りで、これだけ技術の進化が速い現代では、様子見をしているだけではすぐに取り残されるのが現実です。

こうした背景から、GMOインターネットグループでは「AIで未来を創るNo.1企業グループへ」をスローガンに掲げ、生成AIの活用・業務効率化に取り組んでいます。
中でも2024年1月から実施している、グループパートナー(社員)限定の「AIセミナー」はオンラインで配信されており、技術面の運用はすべて自分が担当しています。
全パートナーが視聴必須の重要なコンテンツなので責任も大きいですが、その分やりがいがあり、背筋が伸びるような緊張感が常にあります。

編集に時間がかかる時代が終わったときに重要なのは、技術をどう使いこなし、どう判断を下すかです。AIを活用しながら、ディレクションもできる人財を目指していくことが、目下のテーマです。

思いやりと想像力で、映像の力を引き出すチームに

—ちなみに今、映像チームはどんな人と一緒に働きたいですか。

加藤

一番は、思いやりと想像力のある方です。仕事としての映像制作は、顧客や社内のニーズを汲み取るコミュニケーション力が命。スキルはもちろん必要ですが、それ以上に、人との関係性を丁寧に築けることがとても大切ですし、自分自身も、そうありたいと常に意識しています。

そもそも映像は、見る人の気持ちを想像してつくるもの。その想像力を、制作物だけでなく、チームのメンバーに対しても向けられる人なら、周りからのサポートも自然と集まります。その結果、より挑戦しやすくなり、自分のスキルも高めていける。そんな良い循環が生まれていくはずです。

このインタビューでも繰り返しお伝えしてきたように、GMOインターネットグループには、チャレンジできる環境があります。映像業界は「まずはアシスタントから」というイメージを持たれがちですが、うちではむしろ「とにかくやってみよう」のスタンス。何事も任されるのが早いです。

もちろん、サポート体制はしっかりしていますし、一人で背負わされることはありません。でも、やる気があれば、必ず応えてくれる会社です。そんな環境の魅力をもっと発信して、よりパワフルな仲間とともに、映像の可能性を広げていきたい。そうしてチームとしても、自分自身としても、次のステップに進んでいけたら理想的ですね。

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【インタビューVol.5 前編】映像で事業に伴走する。若手クリエイターが4年目でリーダーになった理由 

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