前回までの「Power Appsでいきなりアプリ開発」に引き続き、今回はSharePointとPowerAppsを組み合わせていきなり入力フォームを作成してみましょう。PowerAppsの開発機能を利用して、SharePointだけでは実現できない入力フォームのカスタマイズが可能となります。
目次
ウィザードでフォームのカスタマイズ
まずはSharePointにカスタムリストを作成します。今回は天気を記録する簡単なリストです。リスト自体も既定で入力フォームが用意されていますが、カスタマイズできる範囲は限定的となっています。
Power Appsとの連携を確認してみましょう。
リストから「統合」-「PowerApps」-「フォームのカスタマイズ」を選択します。
Power Appsのウィザードが起動します。
ウィザードが終了すると、入力フォームが作成されています。カスタマイズということで試しに背景に色をつけてみました。
「ファイル」メニューを選択して、この状態で保存します。
「SharePointに公開」を選択します。
SharePointのリストに戻り、「新規」を選択すると、カスタマイズが反映された入力フォームが表示されます。登録済みのリストデータを選択してもデータ編集フォームとして同様に表示されます。
Power Appsでカスタマイズ
リストの入力フォームが簡単にPower Appsでカスタマイズ可能なことが確認できたところで、Power Appsならではの機能的なフォームを作成してみましょう。 左メニューから「メディア」-「アップロード」を選択してPower Appsのギャラリーに天気の画像をアップロードします。
ギャラリーからアップロードされた晴れのファイルを選択して、フォームにドラッグ&ドロップします。画像の名前を分かりやすいように変更しておきます。
全ての画像を配置しました。
次に、天気のテキストボックスを選択して、右メニューから「プロパティーを変更するためにロックを解除します。」を選択します。
「Default」プロパティーに以下の数式を設定します。
If(SharePointForm1.Mode=FormMode.New,TenkiText, Parent.Default)
フォームが表示された場合、新規の場合は変数“TenkiText”を設定して、それ以外(編集)の場合は既存データを表示します。
同様に、日付のテキストボックスのロックを解除します。
「Default」プロパティーに以下の数式を設定します。
If(SharePointForm1.Mode=FormMode.New,Today() , Parent.Default)
フォームが表示された場合、新規の場合は変数今日の日付を設定して、それ以外(編集)の場合は既存データを表示します。
配置した画像をクリックした場合の処理を設定します。
各画像の「OnSelect」プロパティーに以下の数式を設定します。
Set(TenkiText, “晴れ”)
クリックした場合に、天気テキストボックスに設定した変数“TenkiText”に“晴れ”の文字を設定します。他の画像にもそれぞれの天気の設定を割り当てます。
これによって、画像をクリックして簡単に天気の入力ができるようになります。
保存してSharePointに公開します。
リストから「新規」を選択すると、カスタマイズした入力フォームが表示されます。画像をクリックして簡単に入力できるようになりました。
標準フォームへの戻し方
カスタムフォームから標準のフォームへ戻すには、設定メニューから「リストの設定」を選択します。
「フォームの設定」を選択します。
「既定の SharePoint フォームを使用する」を選択することで、標準フォームの設定に戻すことができます。
以上、SharePointのリストからいきなり入力フォームのカスタマイズ方法を紹介しました。SharePointもPower AppsもMicrosoft365のサービスですので、親和性は抜群です。ウィザードですぐにカスタマイズ可能なフォームが作成できました。Power Appsならではの多機能性を発揮して、オフィスワークのモダナイズに役立ちそうです。
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