前回は、iSCSIディスクを利用してSOFSを作成しました。
「Hyper-V上に構築するSOFS」最終回の今回は、この構築したSOFSを実際に利用する手順をご紹介します。
Hyper-Vの新しい機能の「共有仮想ハードディスク」
では、実際にこの構築したSOFSを利用してみましょう。今回はHyper-Vの新しい機能の「共有仮想ハードディスク」を利用してみることにします。「共有仮想ハードディスク」を利用すると、複数の仮想マシンから、vhdファイルを共有領域として同時に利用することが可能となり、仮想マシンを使ってWSFCを構築する場合などでの利用が想定されます。
これまでは、仮想マシンごとに「iSCSIイニシエーター」の設定を行い、iSCSI仮想ディスクを作成、接続するといった面倒な設定が必要でしたが、この作業をSOFSと「共有仮想ハードディスク」を利用することで簡単に構築設定することができるようになりました。「共有仮想ハードディスク」は同に複数のアクセスを可能とするために、クラスター共有ボリューム (CSV)上に配置する必要があります。
先ほど作成したSOFS上の仮想ファイルサーバー”SOFS00″に、共有領域を作成して、「共有仮想ハードディスク」としてフォーマット済みのvhdxファイルを保存します。SOFSのクラスタノードのサーバー”SOFS01″ ”SOFS02″のいずれかから、「フェールオーバークラスターマネージャー」を開き、画面左のツリーメニューから「フェールオーバークラスター > SOFSCluster.invokev.org > 役割 > “SOFS00″」を右クリックして「ファイル共有の追加」を選択、「新しい共有ウィザード」を起動します。
「ファイル共有プロファイル」として「SMB共有-アプリケーション」を選択します。
「共有の場所」として、先ほど作成したクラスターの共有ボリュームを指定します。
「共有名」を指定します。
次に、「アクセス許可」でHyper-Vホストのマシンアカウントを追加します。「アクセス許可をカスタマイズする」ボタンをクリックします。
「セキュリティーの詳細設定」で「追加」ボタンをクリックします。
「アクセス許可エントリ」を表示し、「プリンシパルの選択」をクリックします。
「オブジェクトの種類」として「コンピューター」に追加でチェックを入れます。
「オブジェクト名」に、Hyper-Vホスト名を入力して「名前の確認」「OK」ボタンをクリックして追加します。
「基本アクセス許可」はフルコントロールに設定します。
アクセス許可の設定が完了したら、共有作成を完了します。
この設定が完了すると、Hyper-VホストのエクスプローラーからSOFS上の共有フォルダを参照することが可能となります。
この共有フォルダに「共有仮想ハードディスク」としてすでにフォーマット済みのvhdxファイルを作成して保存します。
Hyper-Vホスト”HYPERVHOST01″上に2つの仮想マシン”VM01″ ”VM02″を作成します。”HYPERVHOST01″のエクスプローラーからSOFS上の共有フォルダ内のvhdxファイルにUNCパスで接続します。
「高度な機能」で「仮想ハードディスクの共有を有効にする」にチェックを入れます。
この設定を2台の仮想マシンそれぞれに同様に行います。これだけで「共有仮想ハードディスク」として利用することができるようになります。”VM01″ ”VM02″から確認してみると、追加ドライブとして同じvhdxファイル内を参照することができるようになりました。
このほかにもHyper-Vのホストクラスタで仮想マシンの保存先としてもSOFSは利用することが可能です。
以上が、Hyper-V上に構築するSOFSの構築方法となります。
手順が複雑と感じる場合があるかと思いますが、記載した手順でそれぞれのウィザードに沿って進めていくことで、特に難しい設定もなくSOFSを構築することができるようになります。 クラスターのテストに、導入前の評価に是非お試しください。
*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
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