【イベントレポート前編】GMOサイバーセキュリティ大会議&表彰式2025を開催!官民学の叡智が集結し、すべての人に安心な未来を

GMOインターネットグループは、2025年3月6日に「GMOサイバーセキュリティ大会議&表彰式2025」を開催しました。第1部ではGMOインターネットグループ グループ代表の熊谷正寿による開会挨拶を皮切りに、政府要人からのメッセージや講演、表彰式、パネルディスカッションなどが展開され、終始大盛況でした。当日は約 1,200 名の来場者が訪れ、YouTubeも 4万回以上再生されているなど、多くの業界関係者から注目を集めました。

ごあいさつ:安全なインターネット社会の実現に向けて

開会に先駆け、グループ代表・熊谷がご来場の皆様にご挨拶いたしました。30年前、Windows 95と共にインターネット接続事業を開始したGMOインターネットグループは、現在ではインフラ事業で1,500万契約、ネット金融事業を含めると1,800万の契約に成長しています。

しかし、インターネットの世界には良いことばかりではありません。ランサムウェアやマルウェア、DDos攻撃など、現代社会におけるサイバー攻撃はその悪質性を増しています。「今やその影響は企業だけではなく、私たちの個人の生活をも脅かすものとなっています」と、熊谷は危機感を示します。

GMOは「インターネットの普及が多くの方の笑顔と感動につながる」という信念のもと事業を拡張してきましたが、悪意をもってインターネットを利用する人も一定数存在するのが現実です。今後のAI・ロボティクス時代においてもセキュリティの重要性はますます高まるでしょう。そこで始動したのが、次にご紹介する「ネットのセキュリティもGMO」プロジェクトです。

GMOインターネットグループ グループ代表 熊谷 正寿

「ネットのセキュリティもGMO」プロジェクト

現代社会の随所に潜むセキュリティリスクを解消するべく、立ち上がった新プロジェクト「ネットのセキュリティもGMO」。「全ての人に安心な未来を」のキャッチフレーズのもと、各種のサービスを展開していきます。

第一弾としてリリースされたのは、セキュリティセクション1,100人の総力を結集した世界初のサービス「GMOセキュリティ24」です。

「GMOセキュリティ24」は、24時間体制、かつ無料でウェブサイトのリスクを把握できるサービスです。発見したリスクに対しては、自社で対策を行っていただいてもOKですが、お困りの場合には、GMOが誇るセキュリティのスペシャリストにそのまま相談いただくことも可能です。

「リアルな世界では、『この地域に泥棒が増えている』と聞けば、ご自身で窓を閉めたり、鍵をかけたりして、防犯対策に乗り出すことができます。ところがインターネットの世界では、サイバー攻撃の脅威を感じても、どこに鍵をかければ良いのか分かりづらいというお悩みがあります。『GMOセキュリティ24』は、皆さまのそんなお困りごとを解消する、GMOのホワイトハッカーの知見とテクノロジーの集大成なのです」(熊谷)

サイトシールによる可視化

さらに、可視化によるセキュリティ対策の第2弾として、「GMOなりすまし対策シール」もリリースされました。このシールは、GMOグローバルサイン株式会社の提供する「実在証明・盗聴対策済みサイト」、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社の提供する「サイバー攻撃対策済みサイト」に次ぐ第3のサイトシールです。

現在の主流であるSSL/TLS証明やドメイン認証では「なりすましサイト」でないことを証明することは難しいというデメリットがありました。「GMOなりすまし対策シール」では、商標認証と最新のセキュリティ技術を組み合わせることでこの問題を解決し、セキュリティ投資の可視化によるユーザーとの信頼構築につなげます。

石破茂 内閣総理大臣ビデオメッセージ

大会議の開催に当たっては、政府要人からの動画メッセージも多数寄せられました。最初に登場したのは石破総理大臣。DXの進展によりサイバー空間の活用範囲・頻度がさらに増えていく中、ランサムウェアをはじめとする悪質なサイバー攻撃が世界中で発生していることへの懸念を示したうえで、「インターネットを使用する以上、誰しもがサイバー攻撃を受ける可能性がある」と、セキュリティ対策の必要性を熱弁されました。

内閣総理大臣 石破 茂氏

攻撃対象は官民を問いませんが、なかには先端技術を狙った国家の関与が疑われる攻撃もあったとのこと。こうした攻撃に対処すべく、国家安全保障戦略に基づきサイバー安全保障分野での取り組みを強化しつつ、産学官連携の強化や人材育成の促進、広報活動などサイバー空間の安全確保に向けた多角的な取り組みに注力していくと語りました。

平将明 サイバー安全保障担当大臣ビデオメッセージ

さらに、サイバー安全保障担当大臣の平将明氏からもメッセージをいただきました。平大臣は2月1日から始まったサイバーセキュリティ月間について触れ、社会のデジタル化が進展する中、サイバーセキュリティの重要性が日々高まっていることを強調されました。

特に官民連携の強化については、サイバー攻撃への対処能力向上のために、政府が情報を集め分析し、結果を提供することで民間における対策強化につなげていく方針を紹介。その一環として2025年2月に「サイバーセキュリティ戦略本部」が設置されましたが、さらなる取り組みとして、対応能力の向上や国際連携の強化といった検討事項を2025年5月をめどに取りまとめたいと述べました。

サイバー安全保障​担当大臣 平 将明氏

陸上自衛隊 廣惠次郎 陸将による講演「安全保障分野におけるサイバー戦の重要性」

現職の首相と大臣からのメッセージに会場が盛り上がったところで、陸上自衛隊で教育訓練研究本部長を務める廣惠次郎陸将から軍事分野におけるサイバー戦の実態と重要性についてのご講演をいただきました。

廣惠陸将は2014年のウクライナ紛争において、ロシア側の部隊で「特に携帯電話の傍受から個人を特定し、家族に”あなたの息子さんは亡くなりました”というメッセージを送信することで家族から兵士に連絡させ、部隊の位置を特定する」といった高度な手法が用いられていることを紹介し、サイバー戦で負けると作戦全体が壊れてしまうという危険性を指摘。

陸上自衛隊教育訓練研究本部長 陸将 廣惠 次郎氏

これからの戦いについて、「国土防衛作戦全体が地上・宇宙・電磁波の3領域にまたがる”領域横断作戦”になっていくため、サイバー能力を含めた防衛省・自衛隊全体の能力向上が必要だ」と強調し、「サイバー能力を含めた自衛隊・防衛省全体の能力向上に努めていきたい」と決意を語られました。

サイバー攻撃は企業の機密情報から軍事兵器やインフラの制御奪取まで、多種多様な目的や規模・手段によって実行されます。来たるべきロボティクス時代にはさらに広範囲のリスクに備える必要があるだけに、官民連携の重要性は日々増しています。今後もGMOグループでは政府機関や自治体・自衛隊などより多くの組織と連携し、強大なセキュリティリスクに立ち向かいます。

GMO Cybersecurity Award 2025表彰式

初開催となる「GMO Cybersecurity Award 2025」では、サイバーセキュリティ業界の発展に貢献した個人・団体を表彰しました。

サイバー人財育成に多大なる貢献をされた方に贈られる「人財育成賞」は、NICT・ナショナルサイバートレーニングセンター長の園田道夫氏が受賞。実践的なサイバー防御演習や若手セキュリティエンジニアの育成を主導し、日本のサイバーセキュリティの人財育成・基盤の確立に多大な貢献をされました。

NICT ナショナルサイバートレーニングセンター長 園田道夫氏

続いてサイバー犯罪対策に多大な貢献をされている方を表彰する「サイバー犯罪対策功労賞」は、楽天グループで上級執行役員CISOを務める福本佳成氏、コインチェック社・常務執行役員CTO 開発・人事本部長の松岡剛志氏の両名が受賞されました。

福本氏は警視庁や世界の法執行機関などとサイバー犯罪対策・捜査における連携強化に貢献されたこと、松岡氏は、当時コインチェック社外のメンバーでありながらNEM不正流出事件の事態収拾を指揮し、ナスダックへの上場(2024年12月)を後押しするなど、コインチェックをサイバー犯罪に立ち向かう企業のロールモデルとして導いたことが評価されています。

そして日本のサイバーセキュリティ業界の発展において多大な貢献をされた方を賞する「GMO Cybersecurity Award 2025大賞」には、海外の先鋭的な実務者と国内のエンジニアの交流を図る国際会議「CODE BLUE」発起人の篠田佳奈氏が選ばれました。

CODE BLUE発起人 篠田佳奈氏

これまでの経験で築かれた広い人脈を活用してCODE BLUEを立ち上げられた篠田氏ですが、優秀な発表への給付型奨学金や、学生スタッフの聴講の機会を構築・提供されたことも受賞理由として語られました。

受賞者に惜しみない拍手が送られる温かい雰囲気のなか、受賞者の方にも飛び切りの笑顔が見られました!

パネルディスカッション「事業成長とセキュリティ投資のバランス」

第1部の最後には、LINEヤフー代表取締役会長の川邊健太郎氏、ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏、dely代表取締役CEOの堀江雄介氏をパネリストに、熊谷をモデレーターとしたパネルディスカッションが行われました。

セキュリティ投資は「費用対効果が見えない」「セキュリティ投資をしても、(効果が)見えないために褒められない」「いくら投資していいかわからない」という3点が大きな課題として挙げられます。

こうした問題に対し、川邊氏は「しっかりと効くブレーキがあるからこそ、アクセルを思い切り踏める」という例えを用いて、セキュリティ投資の重要性を説明。巨大な個人情報を持つLINEヤフーでは、予算全体に対して一定のパーセンテージを目安とし、セキュリティの予算を確保していると話しました。

LINEヤフー 代表取締役会長 川邊 健太郎氏

内藤氏は「社外の会社と協力しながらセキュリティのマスト事項とベター事項を整理し、それに基づいて対策を進めている」というドリコムでの取り組みを紹介。こうした取り組みを進める中でガイドラインを制定する必要性を感じているものの、「結局は悪意ある攻撃者とのいたちごっこになってしまうだろう」というジレンマを語りました。

堀江氏は「リスクコストとその予防コスト、どちらに天秤が傾くかという話」だと指摘し、ベンチャー企業にとっては「一発のインシデントでも会社が飛びかねない」リスクがあるため、一定のコストをかけることが必要だと話します。

3人の発言を熱心に聞き入っていたモデレーター・熊谷も、セキュリティ投資について「セキュリティへの投資はコストじゃない、攻めの投資なんだ」というポジティブな発想への転換が必要だと強調しました。

そのうえで、企業や住宅に貼られている警備会社のシールのように、セキュリティ対策を可視化することが顧客からの信頼を獲得し、企業価値とブランド向上につながると述べ、改めてGMOの提供する各種サイトシールの意義を示しました。

熊谷のファシリテーションのもと、サイバーセキュリティの重要性と対策強化の必要性が多角的に語られた第1部。官民一体の取り組みは経済のみならず、国防という観点でも求められています。

セキュリティ投資は効果を感じにくい面もありますが、有事の際に大きな損害を防ぐために欠かせないものです。取引の安全というビジネス領域のみならず、普段の生活を安全なものにするという「日常」の領域も含め、GMOグループは安全なインターネット社会の実現に向けてこれからも歩みを進めます!

【後編へ続きます】


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ブログの著者欄

石井 純

GMOインターネットグループ株式会社

東京都出身。国内電機メーカーのハウスエージェンシーにてデジタルマーケティング業務を経験したのち、2024年にGMOインターネットグループ株式会社へ入社。グループ広報部にて技術広報を担当し、イベントや本ブログを中心とした情報発信に従事。Japan Robot Week 2024やCODE BLUE 2024のGMOインターネットグループブースの企画運営を担当した他、GMO Developers Day 2024の開催にも携わる。

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