映像制作の世界は、技術の進化とともに大きく変わりつつあります。特に、スマートフォンのカメラ性能が向上し、誰でも手軽に高品質な動画を撮影できるようになったことで、映像制作の敷居が格段に下がりました。
最近、GMOインターネットグループ内でも、スマホで撮影した動画をそのまま編集・投稿するスタイルが増えています。数年前まではプロのクリエイターが手掛けた本格的な映像がメインでしたが、依頼者のニーズが時代とともに多様化し、さまざまな映像表現が求められていることをひしひしと感じます。
この場をお借りして私の制作に関することも交えながら、映像のアレこれに関してざっくりお話しできればと思います。
目次
はじめに
2023年5月にGMOインターネット株式会社にジョインした映像クリエイターの松﨑です。
前職は社員数30名ほどの映像制作プロダクションでまるっと12年、編集として映像の制作に携わってきました。
映像を編集するという点では前職も現職も変わりはありませんが、自社商材のブランディングに関われるGMOインターネットに新たなモチベーションと可能性を感じて日々楽しく業務にあたっています。
インハウスの映像クリエイターとしてまず感じたことは、映像チームが手がける映像に関してどのようにできるのか詳しく知らない方がめちゃくちゃ多いなということでした。実は映像を作るのって結構大変なんです。
1本の映像を作るのに色々やっているんだなぁというのが伝えられればと思います。
制作に関して
映像制作の基本フロー

映像チームはこの流れを基本一人で行なっていますが、CMの企画をチームで提案するときなどは各々案を持ち寄ってまとめたりもします。
制作における時間配分
- 企画・台本作成:60%
- 編集:40%
絵コンテの段階でしっかりイメージを固めることで、編集中に迷うことなくクオリティ向上に集中できます。
依頼者が求める訴求内容の構成に第一に自分が試したい表現や、やりたいことを絡めて考えて何がべストな表現なのかを限られた時間の中で判断して形にしていきます。時間内で色々検証することも含め、私は企画・台本作成の方に時間を割くようにしています。もちろん、すんなり企画・台本が思いついて編集に時間をかけられれば最高なんですが。
制作期間いっぱいギリギリまでこねくり回す中でベストを手繰り寄せるのが私の制作スタイルです。
かなり泥臭くて足掻きまくります(笑)
使用ソフト
- Adobe Illustrator:絵コンテ作成・イラストやベクター素材の編集
- Adobe Premiere Pro:編集(映像の設計図オフラインも含む)・尺合わせ・単純なテロップ作業
- Adobe After Effects:素材アニメーション、テロップ演出
- VOICEPEAK:AIによるナレーション生成
制作の流れ
① まずAIナレーションの原稿と集めた参考画像や動画のキャプチャ画像などを画面外に貼り、After Effectsで試作。絵コンテを作っていきます。
通常はIllustratorで絵コンテを作りAfter Effectsに移行しますが、私は素早く絵を組みたい&後々アニメーションをすることも考えて、Sample素材を直接After Effectsで組み合わせて”動きを意識しながら”絵作りを進めます。 最初はナレーションを配置したものと、どういった絵作りをするか決めるために集めた画像や映像をキャプチャーしたものを画面外のスペースに貼りまくってそれをみながらAfter Effectsで手を動かします。


② 絵コンテ確認後、Premiere Proでナレーションと絵コンテの画像を組み合わせて正確な尺を作成。
③ 商用利用可能な音楽を探して当て、映像の雰囲気をある程度決める。
④ After Effectsで素材を動かしたり、ナレーションに合わせてテロップをアニメーションさせたり。
先に必ずアニメーションが必要な箇所から作業に入り、最終的には動かせる素材は全て動かす勢いでなるべく妥協せずアニメーション盛り盛りにする。頭の中でこんなもんでいいやと妥協すると後々の全体の確認時に物足りなかったりするので、気持ちマシマシぐらいがちょうど良い(と思います)。
⑤ 書き出した映像を再度Premiere Proに読み込み、ナレーション・音楽とのズレやアニメーションにミスがないかを細かくチェック&微調整。
ここで、「もっと動きを派手にした方が視聴者も飽きないかなぁ」とか「アニメーションの緩急を強くするか弱くするか」なそクオリティと共に見応えにも気を配ります。ある箇所だけなら問題ないけど前後の映像を通しで再生した場合、やたらとくどかったり物足りなかったりとすることもあるので、ここの作業はなかなかシビアです。でも一番楽しかったりもします。
何回かAfter EffectsとPremiere Proを行ったり来たしながら映像の完成度を高めていきます。




⑥ 確認、修正、完パケ。
スマホ一本で完結する動画制作
ここまで紹介してきた制作フローはガッツリ映像作るもので、それに限らずもっとライトにやる時もあります。その場合が以下のような流れです。
① 撮影(現場で即ロケハン+撮影)
② 編集(スマホアプリでカット&テロップ)
③ 投稿(SNSへ即アップ)
スマホだけで撮影から投稿までノンストップで完結できるため、イベント等の“その場”で迅速に情報発信が可能、フットワークの軽さが最大の強みです。
制作工程の違い

私の制作期間は表の通り数日〜数週間でスマホ投稿に比べるとすごく長いと思われるでしょう。でも商材の明暗が数日〜数週間の映像コンテンツ制作で分かれるかもしれないと思うと長すぎるとも言えないと思います。少しでも良い映像にするためにシナリオやデザイン・アニメーション、音楽やSEまで諸々考えるとなると制作期間ギリギリの中で色々こねくり回してベストな表現を探したいと考えています。
映像制作の多様化と依頼者のニーズの多様化
映像制作の世界は、技術革新や社会の変化とともに、ますます多様化が進んでいます。AIを使った自動編集や生成動画の普及によって、専門知識がなくても質の高い映像を手軽に作れるようになりました。さらに、縦型や短尺のSNS向けフォーマット、視聴者参加型のインタラクティブ動画など、新しい表現や体験が日々広がっています。
それに伴い、依頼者のニーズも多彩に変化。従来のテレビCMや広告はもちろん、SNSでの短いプロモーション動画、双方向コミュニケーションを意識したコンテンツ、インフルエンサー活用のPR動画など、目的やターゲットに合わせた映像が求められるようになりました。この流れを受けて、プロの映像制作者だけでなく、企業や個人がAIツールやスマホアプリで気軽に映像を制作するケースも増えています。
これからも、技術革新とともに映像表現は進化し、さまざまなニーズに応える形で多様化が続くでしょう。大切なのは「高品質な企業PR」か「カジュアルな情報発信」かという二択に縛られないこと。目的に最適な手法を選び、表現の幅を広げることが肝心です。
私は映像クリエイターとして、どんなご要望にも柔軟に対応できるよう、自分の表現力を日々磨いき、新しい技術やトレンド、さまざまな作品に触れながら、アイデアを育てていくことを常にに心がけています。
まとめ
映像クリエイターとして、最も重要なのは「何を」「誰に」「どのように」伝えるかという本質的な部分です。
柔軟性:高品質な映像からカジュアルな動画まで幅広く対応
戦略性:目的に最適な表現方法を提案
効率性:限られた時間とリソースで最大の効果を生み出す
継続性:トレンドを追いながら、常に学び続ける姿勢
これら4つの性質を常に意識してプロとして何ができるのか考えながら、映像・クリエイティブの力で多くの「笑顔」「感動」を産めるよう邁進していきます。
社内の皆さん!映像制作のご相談はお気軽にどうぞ!
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