GMO DevelopersDay
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インハウスデザイナーによるインハウスデザイナーのススメ

こんにちは。GMOインターネットグループ株式会社のデザイナー 勝俣です。
デザイナーといえば、制作会社に所属し外部企業から依頼された制作物を担当するデザイナーを想像される方が多いのではないでしょうか。一方、私を含め企業に属し自社ブランドの制作物を担当するインハウスデザイナーも知る限りでは半数近くいらっしゃいます。インハウス歴15年の経験をもとにインハウスデザイナーの解像度を少し上げてみたいと思います。

自己紹介

私は昨年11月にGMOインターネットグループに入社したばかりの新人です。まぁ46歳なんですけどね(笑)専門はグラフィックです。
業務的には「お名前.com byGMO」と「ConoHa byGMO」など事業に関連した制作のサポートをしつつ、技術広報チームのサポートや、GMO SONICなどのアドベンチャータスクと呼ばれる案件を兼任しています。

GMOインターネットグループの中には隠れたデザイン系猛者がたくさんいます。大変刺激的でありつつもそこはクリエイター同士話せばあっという間にワイワイできる素敵な方ばかりです。
また昨今流行りの生成AI方面に関しても目下全社的にアンテナ感度高めで、様々な業務やプロジェクトで活用されておりとどまる所を知らない感じです。

左がCopilot Designer(DALL·E 3)が描いた「男性 40代 日本人 グラフィックデザイナー 坊主頭」。右が私です。 いかがでしょうか。

改めてインハウスデザイナーとは?

最近「あの会社、社内にインハウスチームを作ったんだって」「フリーだったあの人が⚪︎⚪︎社に入社してインハウスしてるんだって」なんて話を界隈で耳にする機会が多いです。変化の多い時代において経営的にもメリットが大きいと言われるインハウスデザイナーについて、改めて言語化すべくChatGPTにまとめてもらいました。

“インハウスデザイナーとは、特定の企業や組織に常勤しているデザイナーのことを指します。彼らは、その企業の社内でデザイン業務を行い、外部のデザインエージェンシーやフリーランスのデザイナーとは異なります。以下にインハウスデザイナーの主な特徴を挙げます。

企業内でのデザイン業務:インハウスデザイナーは、所属する企業のために一貫してデザイン業務を行います。これには、ブランディング、マーケティング資料の作成、ウェブサイトやアプリのデザイン、製品デザインなどが含まれます。

企業の一員としての役割:彼らは、企業の他の部門(マーケティング、開発、営業など)と密に連携して働きます。これにより、企業の目標やビジョンに沿ったデザインを提供します。

継続的なデザイン品質の維持:インハウスデザイナーは、企業のブランドイメージやデザインガイドラインを一貫して維持・発展させる責任があります。長期的な視点で企業のデザイン戦略をサポートします。

迅速な対応:企業内にいることで、急なデザイン依頼や変更に迅速に対応できる点がメリットです。また、内部のプロジェクトに関する知識や背景情報が豊富であるため、効果的なデザイン提案が可能です。

コスト効率:外部のデザインエージェンシーやフリーランスに依頼するよりも、コストを抑えることができる場合があります。特に継続的なデザイン業務が多い企業にとっては、インハウスデザイナーを雇用する方が経済的です。

インハウスデザイナーは、企業のビジュアルコミュニケーションやブランド戦略の中心的な役割を果たし、企業の成長や成功に貢献しています。”

とのことです。
自分で書いたらここまでの文章にするにはどれほどの時間がかかったでしょう。ありがとう、ChatGPT。さらに文章量を稼いでくれて最高だよ、ChatGPT。ズッ友だよ。

企業や組織に常勤し、所属する企業や組織のために一貫してデザイン業務を行い、他の部門と密に連携し、内部の知識や背景情報が豊富であるため、より効果的なデザインを提案できるデザイナー」と、要約してくれたものをさらに要約してみました。

なぜインハウスデザイナーの道を選んだのか

制作会社でデザイナーをしていた頃、普段代理店の向こう側にいる発注企業の代表者にロゴデザインを直接プレゼンテーションする機会がありました。それまで案件をマネジメントしてくれる方々に支えられ、デザインに集中できていた私。突如として矢面に立つこととなり大いに怯みました。

必要以上に準備をした記憶があります。
考えれば考えるほど客観的に自分のデザイン案を見ることになり、浮かんだ疑問をデザイン的に解消することを繰り返しました。案を説明する言葉もそれっぽいものではなく、趣旨が正しく伝わるかどうか二重三重に精査していきました。場合によってはデザイン自体に手を加えることも。そんなこんなで結果としていつも以上にクオリティを高めることができたと思います。

そして当日を迎えます。広くてモダンなフロアを闊歩する完成された人たちに気圧されて猛烈に家に帰りたくなったこと、閻魔様を想起させる代表の目力が凄くて顔をガチっとつかまれるような感覚になったことは今でも鮮やかに思い出せます。とはいえ、提案したロゴデザインは概ね好評でした。

それまでは単発案件が多く納品したら終わり。社内ではディレクターを介し、間に立つ代理店の担当者を介した先はすでに霞んでいました。接点も「細い線」でしかなかった印象でした。
しかしロゴデザインを通して知ったその会社は、事業やサービス、そして中の人にまで詳しくなっていたこともあり、接点は「確かな線」になりました。勘所をおさえられたようでご贔屓にしていただき、最終的には線が束になり「面」になったように感じました。

事業やサービスの決裁者の近くでその視座に呼応していくダイナミズム、組織や事業を理解することで生まれる密度のあるクリエイティブ、これによりデザインで組織に貢献する喜びに気付けたのでした。

緊張のプレゼンシーン。当時のオレよ、ポッケに手を突っ込んで偉そうだなぁ オイ

義父さん、インハウスデザイナーになったよ

その後、縁あって弊社の近所にある上場企業でインハウスデザイナーとして働き始めました。当時は今の奥さんとお付き合いしていた時期で、結婚を一向に認めてくれない義父から「ちゃんとした会社に勤めろ」とかなりザックリとした条件(笑)を突きつけられたことが転機でした。

インハウスデザイナーは一般的にデザイン部や制作部に所属し、営業や総務と横並びのことが多いのですが、そこでは代表自身が新規事業やサービスを発案をすることが多いため社長室内にクリエイティブセクションがありました。
猛烈なオーラを放ち続ける発電所みたいな代表が半径10m以内にいる異空間でした。

中に誰かいるよ!!

人生初のインハウスデザイナーとして働き出し、会社の動きに応じた様々な経験します。
「新事業の立ち上げじゃ!」となればコンセプト立案しロゴやビジュアルに展開。「プロモーションに力を入れるべし!」となればひたすらチラシやLPや広告バナー作り。「採用こそ重要だ!」となれば新卒・中途採用特化モードに。果てはIRや広報にも片足をつっこんでおりました。開催するイベントの運営や企画なども経験し、「これデザイナーの領域なのか?」と疑問に思ったことは数知れず。おかげで「特技はイベント会場の設計やオペレーションの構築、お客様のアテンドです」とプロフィールに書けるくらいになりました。

その他、ネット回線、着物着付け、経営者サロン、アーティストマネジメント、メディア、遺伝子解析、設備リース、電力、エステ、飲食、TV番組等かなり雑多で幅広い分野のクリエイティブを経験できました。それらが糧となって肥沃な土壌を作っていると信じています。多分。いや、きっと。

インハウスデザイナーの責任と自由

事業やサービスには様々な分野のプロが関わっています。
事業戦略を立案される方、商品・サービスを開発される方、市場や顧客を開拓する方、ブランドの認知度向上を考える方、正確な財務状況の把握する方、従業員が働きやすい環境を整える方などです。役割は違えど互いに連携しながら目標達成に向けて動いているわけです。

そして我々インハウスデザイナーは、その中で世の中やお客様とのコミュニケーションを確立するポジションにいます。商品やサービスを多角的に理解し正しく伝える機能面と、魅力や親しみを感じる情緒面を補完していきます。グラフィックでもWebでも動画でも。

関わった人々の期待を背負う責任と、世の中にリリースしても遜色ないむしろ光るクリエイティブを作り出していく自由があります。
予算とスケジュールがありつつ、なかなか計画通りに行かないこともあります。フロー的には最後に位置する制作が帳尻を合わせることも少なくありません。絶望的でヒリヒリイライラする状況もあります。そんな時は深呼吸をしてPinterestとAdobe stockを見ましょう。わからなかったら恥を忍んで担当者にもう一度聞くか、競合他社のサンプルを集めましょう。切り替えが必要ならオフィスから出て散歩するか、家に帰って寝て明日やりましょう。できる中で最善を尽くしましょう。

最後に

紆余曲折ありつつ縁あって15年近くインハウスデザイナーをしています。クリエイティブをジョブに組織と並走することが性に合っているんだと思います。
「私の働き方と違う!」とガチのインハウスデザイナーから怒られかねない内容であることも理解しています。そこはひとつ大目に見ていただいて「こういうデザイナーもいるんだ」とプロファイルの1ページに加えていただけたら、記事を書くために費やした労力も報われそうです。

ブログの著者欄

勝俣 仁

GMOインターネットグループ株式会社 グループ管理部門統括 グループクリエイティブ部 デザイナー

茨城県牛久市出身。1978年5月生まれ。5人兄妹の長男。芸大受験浪人後にイタリアへ留学し、アレッツォとペルージャで語学を学び、ミラノでデザインを学ぶ。帰国後東京でデザイナーとして勤務。義父から結婚の条件として「ちゃんとした会社に勤めろ」とのお達しを受け、上場企業に入社し無事結婚。社長室付きのクリエイティブチームでインハウスデザイナーとして14年勤務。「クリエイティブが会社をより良くできる」経験から進むべき道が明確になる。この間一姫二太郎に恵まれる。様々な縁があって現職。プライベートでは子供たちが通うバレーボールチームの世話係。ドトールのアメリカンコーヒーをこよなく愛す。

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