前回は、「iSCSIターゲットサーバー」を構築し、「iSCSIターゲットサーバー」のクライアントとなるSOFSのサーバーの設定を行いました。
後編では、前回設定したiSCSIディスクを利用してSOFSを構築する方法をご紹介したいと思います。
目次
フェールオーバークラスター
WSFCの機能を追加してフェールオーバークラスターを作成します。”SOFS01″ ”SOFS02″それぞれのサーバーにドメイン管理者アカウントでログインします。
「サーバーマネージャー」から「役割と機能の追加」ウィザードで、「サーバーの機能 > フェールオーバークラスタリング」を追加します。
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インストールが完了したら、「サーバーマネージャー」の「ツール」メニューから「フェールオーバークラスターマネージャー」を起動します。

画面右の「操作」メニューから「構成の検証」をクリックします。
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「サーバーまたはクラスターの選択」で、SOFSを構築するサーバー”SOFS01″ ”SOFS02″をそれぞれ追加します。

次に「テストオプション」で「すべてのテストを実行する」を選択します。

今回はインターネット接続などのゲートウェイを設置していないので、検証結果が一部警告として表示されますが、「テストは正常に完了しました」とのメッセージが表示されれば、SOFSを構築するには問題がありません。
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このまま「クラスターの作成ウィザード」を起動することも可能ですが、エラーとなる場合があるので、「検証されたノードを使用してクラスターを今すぐ作成する」のチェックを外した状態で、一度「完了」ボタンをクリックしてウィザードを終了します。次に、「フェールオーバークラスターマネージャー」画面右の「操作」メニューから「クラスターの作成」をクリックして、「クラスターの作成ウィザード」を起動します。
まずは”SOFS01″のサーバーからクラスターを作成して参加します。
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構成の検証は先ほど実施したので、検証は実行せずに次に進みます。

クラスター名やIPアドレスを指定します。

この設定でクラスター名”SOFSCluster”の作成と”SOFS01″サーバーのクラスターへの追加が完了しました。
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再度「操作」メニューから「ノードの追加」をクリックして、「ノードの追加ウィザード」を起動し、もう一台のサーバー”SOFS02″を追加します。このとき「使用可能な記憶域をすべてクラスターに追加する」のチェックは外しておきます。

これで”SOFSCluster”クラスターが作成され、二台のサーバー”SOFS01″ ”SOFS02″がクラスターメンバーとして追加されました。
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クラスター共有ボリューム (CSV)
クラスターの作成が完了したら、次にSOFSの要となるクラスター共有ボリューム (CSV)を作成していきます。(CSVによってファイルの同時アクセスを実現します。)
CSVは先ほど作成したiSCSI接続されたディスク内に作成することになります。クラスターメンバーの”SOFS01″ ”SOFS02″どちらかのサーバーから、「フェールオーバークラスターマネージャー」を起動して、画面左のツリーメニューから「フェールオーバークラスター > SOFSCluster.invokev.org > 記憶域 > ディスク」を選択して、画面右の「操作」メニューから「ディスクの追加」を選択します。「利用可能なディスク」の一覧にクラスターディスクとして先ほど追加したiSCSIディスクが表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。

クラスターディスクが追加されました。

追加されたクラスターディスクを右クリックして「クラスター共有ボリュームへの追加」をクリックします。クラスターディスクが「使用可能記憶域」から「クラスターの共有ボリューム」に変更されました。

ファイルサーバー
SOFSの構成をする前に、「ファイルサーバーの機能」を追加しておきます。”SOFS01″ ”SOFS02″の両方のサーバーをそれぞれで、「サーバーマネージャー」から「役割と機能の追加」ウィザードで「サーバーの役割」で「ファイルサーバー」を選択してインストールを行います。
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スケールアウトファイルサーバー(SOFS)
ここまで完了したら、いよいよSOFSの役割を構成していきます。画面左のツリーメニューから「フェールオーバークラスター > SOFSCluster.invokev.org > 役割」を選択して、画面右の「操作」メニューから「役割の構成」をクリック、「高可用性ウィザード」を起動します。「役割の選択」で「ファイルサーバー」を選択します。
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「ファイルサーバーの種類」として「アプリケーションデータ用のスケールアウトファイルサーバー」を選択します。

「クライアントアクセスポイント」では「分散ネットワーク名 (DNN)」となる共有アクセス名”SOFS00″を入力します。クラスター内に仮想的”SOFS00″というファイルサーバーを構築することになります。
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ようやくこれでSOFSが作成されました。
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次回は、この構築したSOFSを実際に利用してみます。
*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
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