目次
GMOインターネット・サマーインターン2025
今年もGMO kitaQでサマーインターンを開催しました。全4コースのうち、今回は「インフラコース」と「Webアプリケーション開発コース」のレポートを紹介します。後編では「セキュリティコース」と「AIコース」を取り上げます。
開催概要(全コース共通)
- 期間:2025年7月28日~9月5日で、各コース5日間
- 形式:オフライン(業務を疑似体験できる短期集中型)
- 参加学生:全コース合計40名 ※会場キャパの関係上、参加学生を限定

インフラコース
ねらい(ゴール)
インフラエンジニアの業務内容への理解を深め、自身の適性領域(設計・構築・運用など)を見極める。
概要
- 参加学生:9名(4グループ編成)
- 内容:実際に当社でも利用している Kubernetes クラスタ環境を、物理~仮想レイヤまで構築し、運用まで一貫して体験。体験により、当社における多様なインフラエンジニア職の役割や業務内容を理解できる構成とした。

5日間の進行
Day1
[開発] 物理サーバ構築
[座学] アーキテクチャ職、データセンター業務紹介
[1on1] 個別面談(Day4まで継続)
- クラウドネイティブ世代が多いことを踏まえ、あえて物理サーバの組み立てから実施。ハードウェアの仕組みや役割を理解したうえで、インフラの基盤を体感してもらった。当社は IaaS を展開しており、ハードウェア理解は必須のスキルであることを学習した。
- 座学では、サーバやネットワーク機器を収容するデータセンターの業務や、主要サービスのアーキテクチャ構成について紹介。
- 当社パートナー(多様なインフラ職種・役職)が15〜30分の1on1を実施。進捗確認に加え、就職活動やキャリア相談にも対応し、技術課題の整理から翌日の行動設定まで伴走。日常的に相談できる1on1環境を整備した。
Day2
[開発] OS/仮想化環境構築(Ubuntu/KVM)、Kubernetes 構築開始
[座学] NWエンジニア職、GPUクラウドサービス紹介
- Ubuntu のインストールおよび初期設定を行い、KVM 上で仮想マシンを構築。
- Kubernetes の概要を学習した後、Kubespray(Ansible ベース)を用いて仮想マシン上に Kubernetes クラスタ環境を構築。Day4 にかけて冗長化とアプリケーションの自動割り当てまでを体験。進行は学生主導とし、チューターが各テーブルを巡回して適宜支援を実施。
- 座学では、今回は実機体験できなかったネットワーク業務の紹介に加え、GPUクラウドのサービス概要を解説。
Day3
[開発] Kubernetes 構築の続き
[座学] セールスマーケティング紹介
[座談会] 新卒パートナーとのキャリアQ&A
- セールスマーケティング担当より、法人営業で抽出した顧客課題を開発要件へ正確に翻訳する「橋渡し」の重要性を解説。要件定義や優先度調整を通じて、売上・提供価値の最大化を図る取り組みを共有した。
- 新卒入社のパートナー3名が登壇し、入社のきっかけやキャリア形成の実例を紹介。学生からの質問にもフラットに応じ、キャリア選択の参考となる対話の場とした。
Day4
[開発] Kubernetes構築続き
[運用] SRE業務紹介と体験
- 当社における SRE の定義と活動内容を紹介したのち、指定アプリを Kubernetes 環境にデプロイ。Grafana を用いて SLO/エラーバジェットを設定し、システムの安定性・品質を数値で評価した。
Day5
[運用] お客様問い合わせ対応の演習(トラブルシュート)
[発表] 個人ごとの成果発表
- 環境をConoHa WINGに切り替え、あらかじめ用意したログをもとにお客様対応の模擬演習を実施。例:Webサイトが表示できない、メールが送信できないケースの原因調査 など
- 最後に各自が成果発表を行い、定めたゴールとその達成度を振り返った。


アンケート結果と運営所感
| 指標 | 結果(4.0満点) | 補足 |
|---|---|---|
| 総合満足度 | 4.0 | 最高評価 |
| 総合難易度 | 3.6 | 数字が高いほど難しい |
学生の成果発表を通じて、当社における多様なインフラエンジニア職への理解が一段と深まり、各自がインフラエンジニアとしての将来像をより具体的に描けるようになったことを確認できた。背景として、実務でも用いる Kubernetes クラスタ構築を中心に据え、物理層の組み立てから仮想化、論理設計・デプロイ、運用までを一貫して体験できる構成としたことが挙げられる。また、様々なGMOパートナーと日次の1on1面談による支援が、疑問の早期解消と学びの言語化を促し、役割意識とキャリア像の明確化につながったと考えてる。
参加学生の声(原文ママ)
「実務での設計や技術選定に対する理解を深めるとともに、会社の社風や自分の目指すエンジニア像を具体化することを目標に参加しました。ハンズオンや座学を通して、各設計や技術選定の考え方をより深く理解することができました。また、各チームによる職務紹介を通じて会社の雰囲気を感じ取り、日々の面談では自身のキャリア像を明確にする機会となりました。ボリュームのある実践的なハンズオンも、メンターの方々のサポートにより新しい技術を着実に理解でき、他のインターン生や社員の方々との交流も非常に有意義でした。」
Webアプリケーション開発コース
概要
今回のインターンは 「ConoHaのコンパネ開発」 を実施しました。
実際にConoHaを触ってもらい、その中で感じた課題や改善できそうな点を自ら要件化し、新たにコンパネを開発してもらうという内容です。
公開されているConoHaのAPIを利用して開発を行うため、実際の業務に近い形で開発体験を行えるのがこのコースの特徴です。

詳細
今年のコースでは、AIツールやAIエージェントを活用した開発スタイル が大きな特徴となりました。
要件定義の段階からAIを利用し、課題整理や仕様策定、UI構成のアイデア出しを効率的に進めていました。
さらに、開発フェーズでは GitHub Copilot、Gemini CLI、Cursor など、さまざまなAIツールを取り入れ、スピーディーに実装を進めていました。
一方で、バックエンドAPIとの接続部分では苦戦する場面もあり、ときには弊社メンターがサポートに入りながら課題を一緒に解決していく姿も見られました。
AIの活用によって生まれた新たな余白時間を、デザインのブラッシュアップやUX改善など“付加価値創出”に活かすなど、技術力と創造性の両面で挑戦する姿勢 が際立ったのが今年の印象です。

最終日には、各チームが開発したアプリケーションの成果発表とデモを実施しました。限られた期間の中でしっかりと要件を満たし、完成度の高いWebアプリケーションを披露してくれました。
課題設定やUI/UXの工夫など、それぞれのチームで異なるアプローチが見られ、どの発表も非常に見応えのある内容でした。
懇親会では「既存アプリの改修案を考えるのが難しかった」「サーバーに関する知識や新しい技術を習得する良い機会になった」といった意見も出ていました。
また、「メンターのサポートが手厚かった」「就活や今後のキャリアの相談にも親切に乗ってくださった」といった声もあり、
AIを活用しながらも、人の温かさやチームで協働することの大切さを実感する5日間 となりました。

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