2026年5月、学生向けハッカソン「Hack-1グランプリ2026」のデモデーが、オンラインと対面のハイブリッド形式で開催されました。GMOインターネットグループは、昨年に続いてTOPスポンサーとして本イベントに協賛。
本レポートでは、5月9日に行われたオンラインデモデーでグランプリ&オーディエンス賞をW受賞したチーム「猫背〜ず」の皆さんにお話を伺います。
目次
オンラインデモデー最優秀賞チームインタビュー
Hack-1グランプリ2026は、対面デモデーに先立ち、5/9(土)にオンラインデモデーも開催されました。全国から集まった学生たちが、画面越しに自分たちのプロダクトを披露し、熱のこもったピッチを繰り広げました。
ここでは、オンラインデモデーで見事グランプリ&オーディエンス賞のW受賞に輝いたチーム「猫背〜ず」のみなさんに、プロダクト「PiiiN(ピーン)」に込めた思いや制作プロセスについて伺いました。
【作品紹介】PiiiN(ピーン)——「続けたくなる」姿勢改善
正しい姿勢を習慣化できない——このオフィスワーカーの普遍的な課題に対して、チーム「猫背〜ず」が提案したのは、愛らしいキャラクター「ピンアナゴ」との出会いです。背筋を伸ばすと「ピーン」という心地よい音が鳴り、ピンアナゴを集められる。姿勢が崩れるとスマホがやさしく通知する。この仕組みを通じて、習慣化に必要な90日間を「続ける」から「続けたい」へと変えるプロダクトです。
作品ページ:https://student.redesigner.jp/portfolios/PF82b29f7d8c738912ce7e5edaad1b6103

全員が猫背だった——チーム「猫背〜ず」の成り立ちと課題意識

メンバー構成
坊田さん:PM
郭さん・濱川さん:開発担当
仙谷さん:キャラクターデザイン・資料構成担当
岩田さん:UI/UXデザイン担当
—結成の経緯とチーム名の由来は?

坊田さん
私たちは全員が個人応募のため、運営の方がランダムに構成してくださったチームです。
チーム名は、「姿勢改善」のアイデアを出した際、メンバーに「今どんな姿勢してる?」と聞いてみたところ、全員が猫背だったんです。そこからプロダクトにも直結する可愛いチーム名をみんなで考え、「猫背〜ず」に決まりました。
5時間のアイデア会議から生まれた本気のプロダクト
—テーマを「画面との距離が小さくなる日本」と読み替えたきっかけと、ピンアナゴが誕生するまでの過程を教えてください。

仙谷さん
「小さくなる日本」というテーマから、坊田さんが「姿勢改善」を提案してくれたんです。他チームと被らない発想の飛躍が面白く、バイブ通知やPiiiNという名前もスムーズに決まりました。ただメンターから「思わず使いたくなる面白さが足りない」と指摘され、5時間議論しても結論が出ず。後日、ロゴ作業中に「iii」がチンアナゴに見え、「ピーン」の響きから「ピンアナゴ」を思いつきチームに共有するしたところ大反響で、「姿勢のいい人間に懐く」というコンセプトが一気に固まりました。

—1か月という短い期間で、ここまで本気で取り組めた理由は?また、オンラインでのチーム開発で工夫したことを教えてください。

郭さん
開発経験は積んできましたが、今回は初めてデザイナーの方と協力して開発できたので、「完成度の高いものを作りたい」という気持ちが強かったです。チーム全員で「優勝しよう」という意識を共有していて、その気持ちを忘れないようにしていました。機能実装では、目標の機能を素早く形にすることを意識し、デザインや全体の完成度を高める時間を確保するようにしました。
シリアスなテーマをポップに。デザイナーの試行錯誤
—本プロダクトのキャラクターデザイン・UIデザインで工夫したことを教えてください。

仙谷さん
キャラクターは「長く使い続けてもらえる愛着の湧く可愛さ」を意識しました。目のデザインは当初「P」の形にしていましたが可愛く見えず、何パターンも試して今の形に。またヘッドホンをつけた子や変わった髪型の子など個性豊かなバリエーションを用意し、「この子、自分に似てるかも」と感じてもらえるようこだわりました。


岩田さん
UIはピンアナゴの魅力を引き立てることを最優先に。背景色はチンアナゴが生息する浅瀬をイメージし、基本色を水色とグレースケールに絞ってキャラクターを際立たせました。設定画面にもピンアナゴを登場させ、面倒なプロセスも楽しめるよう工夫しています。核となるコンセプトとキャラデザインがあってこそ実現できたUIだと感じています。

—今回、GMOインターネットグループのクリエイターがメンターとして関わっていましたが、開発を進める中で参考になったやり取りはありましたか?

岩田さん
メインデバイスをどうするかで悩んでいた時に、メンターの方から「技術的都合よりもユーザー体験から決めるのが良い」とアドバイスをいただきました。そこから、ユーザー体験を重視するという軸ができて、PCとスマホの機能分けがスムーズに決まりました。UX設計をする際、この視点がとても助けになりました。
AI時代のものづくり——「人の心を動かすアイデア」を問い直す
—制作にあたってAIをどのように活用しましたか?AIに任せた部分と、人の手でこだわった部分の線引き、そしてAI時代のものづくりについて教えてください。

郭さん
制作期間が限られていたため、関連論文の調査、従来サービスの分析、会議録の整理、コード作成の補助など幅広くAIを活用しました。自分たちの経験だけに偏らず、多くの情報を短時間で得られた点が大きかったです。一方でサービスのコンセプトや通知の出し方、キャラクターの見せ方など、ユーザーの愛着に関わる部分は人の手でこだわりました。AIは作業を代替するものではなく、発想や試行錯誤の幅を広げてくれる存在だと感じています。

濱川さん
ベースコードの生成にAIを活用しつつ、アーキテクチャ設計と細かな挙動調整は人が担当。AIに任せきりでは必ず行き詰まるため、自分たちが主体となってAIを管理・導くことが、これからのものづくりにおいて重要だと考えています。
失敗は宝くじを買うようなもの。「始まり」としてのHack-1
授賞式で「賞金を使って本番リリースしたい」とおっしゃっていたチーム「猫背〜ず」。Hack-1グランプリでの優勝は、彼らにとってゴールではなく、プロダクト開発の本格的なスタートラインになりそうです。
年末から来年初めごろのリリースを目指して動き始めており、通信まわりの安定性を改善しながら、他のコンペでもフィードバックを集めていく予定とのこと。
プロダクトの完成度だけでなく、ビジネス面や継続利用の設計も強化していく方針です。ハッカソンで優勝しても、プロダクト開発はここからが本番です。
—最後に、後輩の学生の皆さんに何かメッセージをお願いします!

濱川さん
AIが当たり前に使える時代だからこそ、ものづくりのハードルはすごく下がっています。まずはAIを使っていろいろな情報を集めながら、どんなものでもいいから、とにかく一度作ってみてください。頭の中で完璧なものを目指すより、実際に手を動かして形にしてみることで、初めて見えてくる面白さがあります。『とりあえず作ってみる』ことを楽しんでほしいです。
一般社団法人デザインシップ 堀田優羽氏からのコメント

堀田優羽(ほりた ゆう)|一般社団法人デザインシップ
今年はハイブリッド形式での開催にしたことで、参加者の多様性が昨年より広がりました。大学や学部、バックグラウンドも幅広くなり、テーマである「小さくなる日本」に対しても、予想を超える多様なアプローチが生まれました。
出来上がったプロダクトを見てみると、生成AIの活用が進んだことで、グラフィックやデザインの表面的な完成度だけでは差がつきにくくなってきた印象です。
これからは、なぜAIを使ったのか、なぜその表現にしたのかといった、よりコアな意図や動機づけが問われる段階に入ってきそうですね。
審査員の方からも、そうした点に注目した鋭いコメントが多数寄せられていました。「学生ハッカソンでそこまで求められるのか」と驚く部分もありましたが、そうしたリアルな潮流も感じながら、それぞれの成長につながる良い機会になっていたら嬉しいです。


審査員・GMOペパボ株式会社 山林茜さんからのコメント

山林茜(やまりん あかね)|GMOペパボ株式会社
何よりもまず、1か月に満たない期間で、アイデア出しから完成形まで持っていく学生たちのパワーに驚きました。なかには合計50時間もミーティングを重ねたというチームもあり、学生たちの熱量が強く伝わってきました。
AIによって、一人でもアイデアから実装まで進められる時代になっています。一方で、チームでアイデアを出し合い、さまざまな人と協力しながらものづくりをする楽しさも、やはり大きいと思います。
GMOインターネットグループには、クリエイターやエンジニア、CS、営業など、多様な職種の人と一緒にサービスを作れる環境があります。ハッカソンのように、誰かと一緒にものづくりをすることが好きな方には、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。

またの機会にお会いしましょう!
GMOインターネットグループは、今後もさまざまなイベントへの協賛・参加を通じて、若い世代の挑戦やものづくりを応援していきます。
今回出会った学生のみなさんのアイデアや熱量が、これからどのように育っていくのか、私たちも楽しみにしています。
また、どこかの機会でお会いしましょう!

▼Hack-1グランプリ2026 デモデーレポート前編・中編はこちらから


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