「AIでモノづくり!」小学生が挑んだGMOデジキッズ サマーキャンプ2026

2026年7月、渋谷とkitaQ(北九州)の2会場で、小学生向けの「GMOデジキッズ サマーキャンプ2026」を開催しました。AIクイズやプロンプトの授業から始まり、AIにコードを書いてもらいながらプロフィール帳を作るハンズオン、ヒューマノイドロボットとの対面までを組み込んだ内容です。会場ごとの空気の違いも含めて、当日の様子をレポートします。

2026年7月24日、渋谷のグループ本社で「GMOデジキッズ サマーキャンプ2026」を開催。 5日後の7月29日には、北九州(GMO kitaQオフィス)でも同じ企画を開催しました。 対象は小学4〜6年生で、テーマは「AIでモノづくり!」です。 子どもたちはAIにコードを書いてもらいながら、自分だけのプロフィール帳を完成させました。
更にヒューマノイドロボットとの交流も組み込み、大盛況のイベントとなりました。

講師を務めたのは、GMOインターネット株式会社の谷中佑貴人と、GMOインターネットグループ エキスパート(AI×ロボティクス)の真次彰平です。 谷中さんは普段システム本部でマネージャーとして開発・運用に取り組む一方で、グループの技術広報を兼務し、子どもたちへのIT教育活動にも取り組んでいます。 真次さんは、グループ研究開発本部に所属しヒューマノイドロボットの研究をリードするエンジニアですが、グループの技術を牽引するエキスパートという肩書も持ち、ロボット技術の普及・啓発に精力的に取り組んでいます。

また、イベント全体の進行サポートとして、グループ横断の教育支援プロジェクトメンバーも参加しました。 普段は渋谷区の小学校に出向いてPBL型授業の講師を務めているのですが、この日は逆に子どもたちをオフィスに迎えることで、自分たちの仕事のことを知ってもらう良い機会にもなりました。

イベント会場の様子

渋谷会場は、セルリアンタワー16階のグループ本社大会議室で開催、当日は18名の小学生・保護者がご参加くださいました。渋谷での開催は、GMOインターネットグループが2019年から参画するKids VALLEYプロジェクトの取り組みの一環でもあります。

一方のkitaQ会場は、北九州オフィス内にあるコミュニケーションスペース「GMO yours」で行われました。 こちらも18名の方がご参加くださいましたが、円テーブルを囲んで座る形式で、渋谷の会議室とは雰囲気がまったく違います。 どちらの会場も、AIプログラミングのワークショップと、ヒューマノイドロボットとの対面という前後半の構成は共通です。

渋谷会場(会議室形式)とkitaQ会場(ラウンジ形式)の様子

「AIってなに」から始まる、クイズの時間

ワークショップは、AIクイズから始まりました。 「将棋の世界チャンピオンに勝つこと」「好きな人へのラブレターを書くこと」「1億枚の動物の写真を覚えて『これねこ』と答えること」の3つのうち、どれをAIができるかを子どもたちに考えてもらいます。

正解は、将棋に勝つことと、大量の写真を覚えることです。 ラブレターのように気持ちが必要な行動は、今のAIには向いていません。 この対比を通じて、谷中さんは「AIは魔法ではない」という点を強調しました。 AIはたくさんのデータからパターンを覚えて、次に来る言葉や答えを予測する仕組みだと説明し、大量のデータを扱うことと予測が得意な一方、気持ちを感じたり初めてのことを考えたりするのは苦手と整理しました。

クイズスライドの前で説明する谷中さん

プロの使い方を知る

座学の後半では、「同じAIでも使い方はたくさんある」という話に移りました。 子どもたちが普段AIを使う場合は、質問したり、宿題を手伝ってもらったり、絵や文章を作ってもらうことが中心です。 一方、GMOインターネットグループのプログラマーは、ゲームを動かすコードを一緒に作ったり、100人分のデータを一緒に整えたり、バグの原因を一緒に探したりします。 谷中さんはこの違いを、「AIにやってもらう」使い方と、「AIといっしょにやる」使い方という言葉で対比しました。

続けて、AIをうまく使うための鍵として、プロンプトという言葉を紹介しました。 プロンプトとはAIへのお願い文のことで、上手に書くほど良い答えが返ってきます。 「コードを作って」という頼み方より、「何のファイルにどんな動きをつけたいか」を具体的に伝える頼み方のほうが、欲しい結果に近づきます。 エラーが出たときも、エラーメッセージをそのままAIに伝えれば直してもらえることを教え、エラーを怖がらない姿勢を伝えました。

AIを使いこなすための注意点として、谷中さんは3つを挙げました。 AIの答えを全部信じないこと、名前や住所などの秘密の情報を入れないこと、AIに任せきりにせず自分でも考えることです。 この3つを守れば、AIは最強の相棒になると締めました。

ハンズオン、4つのミッションでプロフィール帳を作る

座学を終えると、子どもたちはパソコンを開き、いよいよワークショップに取り組みます。プロフィール帳づくりに用意されたミッション(以下「M」)は、全部で4つです。

M1では、名前や誕生日など8つの情報を自分で入力します。M2では、髪型や色を選び、AIに似顔絵を作ってもらいます。続くM3では、AIにコードを書いてもらい、プロフィール帳のデザインを整えます。そしてM4では、同じくAIにコードを書いてもらい、画面に動きを加えていきます。M1は自分の手で入力し、M2以降はAIに依頼しながら制作を進めることで、AIを活用したものづくりを段階的に体験できる構成です。

今回使用したのは、GMOインターネットグループが提供する「GMO天秤AI」です。1つのプロンプトで複数のAIを同時に動かし、それぞれの回答を比較しながら、最適なものを選べるサービスです。プロンプトを入力すると、プロフィール帳を進化させるソースコードが次々と生成されていきます。その光景は、子どもたちが現場のエンジニアさながらに、AIを活用した次世代の開発を体験しているようでした。

会場では、進行をサポートするメンターたちが各テーブルを回り、子どもたちの隣に座って一緒に画面をのぞき込む場面が何度も見られました。キーボードを両手で打つ子、真剣な表情で画面を見つめる子、保護者やメンターに相談しながら進める子など、その取り組み方は一人ひとり異なります。渋谷の会議室では長机に並んで座る形式でしたが、kitaQのラウンジでは円テーブルを囲んで小さな輪ができ、より近い距離でのやり取りが多く見られました。思うように進まず、手が止まってしまう場面もありましたが、エラーメッセージをそのままAIに伝えて修正するという、座学で学んだ手順を実践する姿も見られました。試行錯誤を重ねながら、最後には全員が時間内にプロフィール帳を完成させることができていました。

ハンズオン中の様子(渋谷・kitaQ両会場)

ヒューマノイドと対面する

後半のプログラムは、会場によって内容が異なります。 渋谷会場では、2026年4月にオープンした「GMOヒューマノイド・ラボ 渋谷ショールーム」を見学しました。 子どもたちは列を作ってショールームに移動し、真次さんの説明を聞きながら、実際に動く人型ロボットと対面しました。 真次さんがここで仕事をするエンジニアの熱い想いや、様々な強みを持つロボットたちについて説明したところ、子どもたちは引き込まれるように聞き入っていました。

kitaQ会場では、実機のヒューマノイドロボット「ひとみん」との交流プログラムを実施しました。 子どもたちは列になってフリースペースの一角に移動し、真次さんとひとみんが並んで立つ前で説明を聞きました。 横になった状態のひとみんが立ち上がったり、ダンスを披露したりすると、そのたびに拍手が起こりました。

どちらの会場も、AIプログラミングという「作る」体験と、ロボットという「動くAI」に触れる体験を1日の中で組み合わせた構成になっています。

ヒューマノイド・ラボ 渋谷を見学する様子と講師の真次さん

プロフィール帳と終了証、ひとつの種明かし

見学から戻ると、谷中さんが子どもたち一人ひとりに、自分たちで作成したプロフィール帳(印刷したもの)と終了証を手渡しました。 終了証には「AIを学びながらオリジナル作品づくりに挑戦し、AIと一緒に『つくる楽しさ』を体験したAIエンジニアJr.」であることを認める、という言葉が書かれています。

谷中さんは最後に、「今日のこのスライドも、ハンズオンの資料も、すべてAIが作った」という種明かしをしました。 人がやったのは、内容を確認して直すところを指示することだけだと明かし、子どもたちが今日学んだ「AIにうまく頼む」という手順を、講師自身もそのまま実践していたことを伝えました。

まとめ

GMOデジキッズは、IT教育カリキュラムの構築や教育現場の支援を通じて、次世代のIT人材育成に取り組むプロジェクトです。 渋谷区の小中学校を対象にした「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」とも連携しており、今回のサマーキャンプもその活動の一環です。

特徴的だったのは、AIを「代わりにやってもらう道具」ではなく「一緒に作る相棒」として教えていたことです。 プロンプトを工夫すること、エラーを怖がらないこと、AIの答えを全部信じずに自分でも考えることという3つの姿勢は、子ども向けに簡単にした内容ではありますが、実際にAIと働くエンジニアが日々実践していることと同じです。 GMOインターネットグループは、こうしたAI教育の取り組みを今後も継続して発信していきます。

ブログの著者欄

加藤 由香子

GMOインターネットグループ株式会社

グループ広報部 技術広報チーム マネージャー
エンジニア・デザイナーの魅力を届ける仕事をしています。

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