『アイディアとテクノロジーで広告の新しい価値をつくろう』を企業理念に掲げアドテクノロジー事業を中心に事業を展開するGMOアドマーケティング株式会社。本エントリーでは、事業の発展を担う開発本部長、マネージャーにGMOアドマーケティングの組織体制・キャリア育成について伺ったインタビューをお届けいたします。
目次
プロフィール
張 樹春(クリス)
2004年からGMOインターネットグループにジョイン。2013年からはJWordにて技術担当役員として従事。
2016年からGMOアドマーケティングに転籍し、アドテク事業の開発に注力している開発本部を担当。
2020年から取締役をつとめている。
吉岡 慎一郎
前職は化粧品会社のベンチャー企業にて、受注管理システム開発に従事。趣味でサービス開発を行う中で広告の仕組みを学び興味を持ったことがきっかけで、当時のアドクラウド(現在はGMOアドパートナーズの子会社)に入社。
2020年から開発本部にてマネージャーをつとめている。
高トラフィックな案件を扱うむずかしさと現場の実態
GMOアドマーケティングの開発本部で担っている業務の特徴を教えてください。
クリス
開発本部ではSSP、ReeMo、Akaneなど多くの商材開発や運用保守を担っています。アドテク事業の特徴ですが、システム上のデータ量はとても多く高トラフィックな案件を扱うため業務の難易度は高いんですよね。
そうですね。ビッククエリでテーブル管理をしているのですが、具体的には4テラバイトのデータが毎日たまっていく状況です。ここも課題の1つではありますが、この膨大なデータ処理にかかるコストを削減するために日々対応しています。
吉岡
クリス
合わせて4テラバイトをさばく仕組みも開発しています。
高負荷なデータ処理かつ0.数秒間にレスポンスを返す必要があるシステム構築が必要なので、高度な業務ですよね。
必要な時に必要な分だけ配信できるDSP(Demand-side Platform)においては、100ミリ/sec.つまり0.1秒以内にレスポンスを返せなければオークションに参加できない状況になってしまいます。この最低限の仕組みがきちんと運用されていないと広告主は困ってしまいますよね・・。
吉岡
GMOアドマーケティングが大切にしている『挑戦を許容する文化』
とても難しい案件を扱う中で、開発本部では日々どのように業務効率化、機能改善を行っているのでしょうか?
クリス
日々課題改善に向き合っているのですが、さっき吉岡さんが話していたレスポンスを早く改善するための施策としてGo言語を導入しました。これは入社2年目の若手エンジニアの発信がきっかけです。
高負荷データを扱うため、Javaを利用してもどうしても速度が遅くなるという課題に対してGoであれば改善できるのでは・・?という若手の一声でチャレンジしました。
結果、効果が出てのちに他のチームでもGoの導入が推進されたという事例があります。既存エンジニアは誰もチャレンジできない領域だったので、新たな仲間が入ることによって生まれた革新でした。
失敗や成功という結果に最初からこだわりすぎず、挑戦を許容できる文化が根付いているので、新卒・中途に関わらず入社1年以内でも活躍している人が多い印象ですね。
吉岡
クリス
エンジニアならだれでも失敗した経験があると思います。経験を重ねているエンジニアもしかりですが、若手の成長に失敗がついてくるというのは当たり前!というマインドを持つ組織でこそ、チャレンジを促進し革新を生み出すことができ、かつ個人の成長が見込めると考えています。
大きな声では言えませんが、私自身も失敗した経験があります・・でもそういった経験を糧として、GMOアドマーケティングでキャリアを積んだ結果いまの私の働き方につながっていると思いますのでクリスさんの意見にとても賛同します。
吉岡
GMOアドマーケティング独自の開発チーム体制について
一般的なエンジニア組織
以下のように、チームごとにそれぞれのプロダクトが振られているというのが一般的な開発体制だと思います。この体制はいいところもたくさんありますが、一方で課題点もあると考えました。
良い点
- エンジニアの体制が確立しているのでプロダクトの開発計画が立てやすい
- チーム・プロダクトともに同じマネージャーであるためマネジメントがしやすい
- 1つのプロダクトに専念できるため、落ち着いて開発できる
課題点
- プロダクト横断での案件調整がしにくい
- チームの規模が大きくなるとマネージャーの負担が増え、メンバーの細かい変化や悩みに気づきにくい
- 技術の固定化により、エンジニアの挑戦や成長機会が損失される
上記のメリデメを踏まえ、GMOアドマーケティングが乗り出した組織改革は「プロダクト横断でのスクラム開発体制」です。
エンジニア組織のリファクタリングに着手!
1年間体制運用した結果
- 優先度に応じてエンジニアをアサインして開発ができる
- プロダクトの規模に合わせてチームとプロダクトのマネージャーをわけることでメンバーのケアもしやすくなる
- 複数のプロダクト開発に関わる機会があることで、技術が固定化されにくい
この体制を導入してチームの変化はありましたか?
吉岡
開発リソースが必要なプロダクトが突発的に発生しても、これまでは新規でエンジニアを採用するしか手立てがなかったところ、優先度に応じて社内リソース調整ができるようになったことは大きな変化だったと思いますね。
加えて、プロダクトとメンバーのマジメントのレイヤーが分かれていることでマネージャーの負担が増えすぎることがなく、メンバーと一定のコミュニケーションを担保できるようになったことも本当に大きな改善でした。
体制を変えたことによる一定の成果はこの1年で出たと私も実感しています。その結果として、来年はこの体制をフロントエンド側にも展開できればという構想が出ています。言語も違うので、組織としてはチャレンジングな取り組みになると思いますが、エンジニアにとっての成長機会の提供が最大限にできると確信しています。
クリス
あまりスタンダードではない組織体制だとおもうので、この環境や体制に慣れない人からすると負担が大きいように見えるのですが、そこは解消されていますか?
クリス
もちろん、最初は環境に慣れることが第一!なので、1つのプロダクトに注力していただきますのでご安心ください!後々担当するプロダクトによって使用するツールが違っていると業務効率が落ちる懸念があるため、ツール周りの統一も合わせて推進しているところです。
※エンジニア組織のリファクタリングに関する詳細はこちら
エンジニアのキャリアを支える仕組み
ペアプロ
新卒メンバーを含め、より早く業務をキャッチアップしてもらうための仕組みとして「ペアプロ」を導入しています。1人の学習だと時間がかかるものも、早いタイミングで業務に落とすことができるのが最大のメリットです。
また先にお伝えしたようにプロダクト横断のスクラム開発を行う体制に変更したため、さらにペアプロの有用性を実感しているメンバーが多いです。
プロダクトによって、知見のあるエンジニアと一緒に開発できるというのはとても貴重な機会です。
ブログ執筆
GMOアドパートナーズグループとして注力して取り組んでいる仕組みです。
アドマーケティングのエンジニアももちろん積極的に取り組んでいて、半期の目標に執筆目標を入れています。
開発のアウトプットだけでなく、ノウハウや成果、場合によっては失敗談などをブログを通して世に発信していくことによって、本人も復習をするという意味合いも込めて力を入れてやっています!
キャリアシート
目標設定については、マネージャーとメンバーで策定し月に1回の1on1でキャリアをサポートしています。でもそれが十分なのかどうかって図れないな・・と感じています。
また、組織体制上プロダクトマネージャーが自分のチームのマネージャーでないことも想定されます。そうなると、マネージャーも一緒に働く可能性のあるメンバーの目指すことや目標を理解してサポートする必要があります。
育成の目標・過程を可視化することで、行動だけでなくノウハウとして残すことができるという2つの効果を見越してシートを活用しています。
キャリア形成においてはWill(目指す方向)・Can(今できること)・Must(求められること)というフレームワークを活用することが多いと思いますが、今回はそれをべ―スに以下3つも要素として追加しました。
- Now(現在の状態)
- Action(Willを目指すためのTODO)
- Support(成長のためのフォロー)
このシートは社内では別名「わくわくシート」と呼ばれています。その名の通り、GMOアドマーケティングでは仕事をわくわく遂行するためのツールとしてでは活用しています。
キャリアシートを導入してよかったことは何ですか?
吉岡
マネージャー目線でいえば、統一されたテンプレがあることでマネージャー間の違いもある程度吸収され、メンバー育成の差が生まれにくくなるというところです。できた結果だけでなく、NowやWill、Supportが可視化されることでマネジメントもしやすくなりました。
同じ組織の人の目標を知ることができ、自身の指標にすることができます。また将来描くキャリアがある人は、ロールモデルとして現時点でその役職の人がどんな目標を立て行動しているのかを知ることで、今後自分が身に着けるべきスキルなどがわかるので今後歩むキャリアのイメージがしやすくなりますよね。
お互いが切磋琢磨できる環境を作る上でとても重要な役割を果たしていると思います。
クリス
※キャリアシートに関する詳細はこちら
GMOアドマーケティングが求める人財
今後、GMOアドマーケティングで活躍できる人財はどのような人だと考えますか?
吉岡
ずばり!開発が好きな人!
フルスタックで働きたい人もとても向いていると思います。インフラレイヤーも含めて幅広い業務がありますし、組織体制的にチャレンジできる環境が特徴なので、そういった意味で幅広く活躍したい人とぜひ一緒に働きたいです。
あとは、とにかく前向きに明るく仕事に取り組める人とともにアドテク事業をさらに発展させていくようなプロダクトを生み出していきたいですね。
クリス
さいごに
GMOアドパートナーズ公式noteでも、「ともにつくろう」をミッションに、インターネット広告・アドテクノロジーの分野で活躍する「ひと」と「いま」をお届けしています。
https://note.gmo-ap.jp/n/n88b4c574d552
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