GMOインターネットグループは、2025年12月21日に行われた学生向けAIキャリアフェス「AIチャレンジャーズフェス2025」にトップスポンサーとして協賛しました。会場となったGMO Yours・フクラスにはAIに熱中する学生150名が集結。基調講演、企業プレゼンテーション、パネルディスカッション、AIキャリアブースと、盛りだくさんのコンテンツをお楽しみいただきました。会場の熱気や各セッションの見どころを3回にわたりお届けする協賛レポート、後編です。
目次
パネルディスカッション|AI時代を生き抜く力─現場から見た働き方と学びの変化
イベント後半では、パネルディスカッション「AI時代を生き抜く力」が行われました。
生成AIの進化によって、教育、開発、事業推進の現場ではすでに大きな変化が起きています。本セッションでは、それぞれ異なる立場でAIと向き合う登壇者が集い、AI時代に求められる力やキャリアのあり方について議論が交わされました。
登壇したのは、教育系YouTuberとして活躍するヨビノリたくみさん、ソフトバンク株式会社でAI戦略を担当する木口佳南さん、GMOインターネットグループでAI活用推進を担う内野皓太、そしてDeNAでエンジニアとしてAI関連プロダクトに携わってきた島岡秀知さんです。

AI登場、働き方はどう変わった?
冒頭では、AIが実装・生活・ビジネスへと浸透してきたこの1〜3年で、働き方や学び方がどのように変化したのかという問いが投げかけられました。
ヨビノリさんは、教育の現場において「教え方そのものが劇的に変わったわけではない」としつつも、授業準備や情報収集の効率は大きく向上したと語ります。たとえばノーベル賞発表直後のように、日本語での情報が不足する場面でも、生成AIを活用することで正確な一次情報に素早くアクセスできるようになった点を挙げ、即時性が求められる場面での有用性を強調しました。
木口さんはAIエンジニアとしての視点から、「コードを書く力」よりも「コードを読む力」の重要性が高まっていると指摘。「AIが出力したコードの意図を理解し、改善点を見極める力が求められるようになり、AIの登場によってエンジニアとしての役割認識そのものが変わってきた」と振り返りました。
こうした流れを受けて、GMOインターネットグループでAI活用推進を担う内野は、生成AIが普及し始めたタイミングで入社した自身の経験を踏まえ、AIが「できる仕事の幅」を大きく広げていると語ります。
内野は2023年に「新卒年収710万プログラム」(※)で入社後、GMOインターネットグループ全体のAI活用推進プロジェクトや「AI 熊谷正寿」用のデータセット作成など、AI領域全般を担当してきました。ただし、職種としては非エンジニア。そんな内野のようなバックボーンであっても、AIの力を借りることで、これまで関われなかった領域の仕事を形にできるようになったといいます。
※既存の枠組みに捉われない自由な発想で新しい事業やサービスを生み出すなど、高いパフォーマンスが期待できる優秀な人財に対して年収710万円(2年間)をお約束する、GMOインターネットグループならではの取り組み。

また内野は、社内で起きている変化として、「これまでエンジニアに頼んでいた作業を、自ら自動化してしまう人が増えている」点を挙げました。小さなツールや仕組みを自ら作って業務を改善していく動きが広がり、会社全体が「作る人が増えていく」方向へと変化してきたと言います。
さらに、こうした変化の先に、「そもそもこの手作業は必要なのか」と業務プロセスそのものを見直す発想が生まれていると指摘。長い歴史を持つ企業では、一種の「慣習」として続いてきた業務も少なくありません。そんななか、AIを楽しみながら使う人たちが仕組みごと変えていく動きが生まれていることは、大きな前進だと強調しました。
最後に島岡さんは、エンジニアの立場から、AIによって設計と実装のバランスが変わった点に言及します。コード生成の効率化によって、設計により多くの時間を割けるようになり、設計段階での検討や試行錯誤の質が高まっていると語りました。また、AIを活用することで複数のタスクを並行して進められるようになり、エンジニアでありながらプロダクトマネジメントやマーケティングにも関与できる働き方が可能になっているとのことです。
市場価値をどう高めるか:AI時代に求められる「強み」とは?
続いて議論は、学生からの関心も高い「市場価値」というテーマへと移りました。AI時代に社会へ出ていくにあたり、どのような能力を持つ人が価値を発揮できるのでしょうか。
木口さんはまず、「中途半端なスキルはAIに代替されやすい」という実感を率直に語りました。エンジニアであれば「少しコードが書ける」だけでは差別化が難しく、「この分野の、この設計ならこの人が強い」と言えるレベルまで特化することが重要になる。そのうえで、AIを活用しながら価値を高めていく流れが、すでに現場で起きていると指摘します。
これに対してヨビノリさんは、「AIができないこと」を無理に探す必要はないのではないか、と話します。時代の変化により、仕事の形は変わり続けるかもしれない。でも、自分が本当にハマれるものに特化し続けていれば、形を変えながら生き残っていける。自身がYouTubeに没頭してきた経験を例に挙げながら、「好きで続けてきたことが、結果として今につながっている」と緊張を和らげます。

島岡さんは、より事業寄りの視点から、市場価値を構成する要素を整理しました。事業を成り立たせるために必要な要素は大きく三つあり、「ドメインのエキスパートになること」「作ること」「売ること」。この三つのどれかを強みにできれば、活躍の余地は大きく広がると述べます。特に若い世代は、新しいドメインやSNS、発信力といった点で有利な立場にあることも強調しました。

こうした流れの中で、GMOインターネットグループの内野は、自身の立場を「ゼネラリスト寄りで、いつ淘汰されるかと怯える日々だ」と話し、参加者の笑いを誘います。そのうえで、AI時代において重要になるのは特定の作業を一人で完結させる能力ではなく、「人を巻き込み、適切に依頼し、期待値を調整する力」だと話しました。
内野は「一人でできる仕事には限界がある」と前置きしつつ、人に指示を出す力や、成果物に対して改善点を具体的に伝える力が、今後ますます重要になると指摘。エンジニア職・ビジネス職を問わず、AIはむしろそうした力を鍛える存在になるのではないか、という見方を示します。
その具体例として挙げたのが、日常的な「お店探し」のエピソードでした。お店の候補をAIに出させる場合、生成結果のうち、「5件のうち2件は違う」と判断し、自分で入れ替える。あるいは、AIに条件を与えて調べなおさせる。これは、食事相手の希望や好みを把握している、AIが出した候補のお店に行ったことがあるなど、判断基準・経験があるからできます。
このように、AIや人に何かを依頼するとき、期待値や前提条件を整理し、自分なりの判断軸を持って結果を評価できるかどうか。その力こそが専門性や経験に裏打ちされた「人間の」価値であり、期待値を言語化し、調整を重ねていく力が、AI時代にはより一層問われると語りました。
この点について島岡さんも同調し、「AIをうまく使える人は、AIがない時代でも仕事ができる人」という見解を示します。プロンプト設計やAIへの指示は、本質的には「人にタスクを渡す力」と変わらず、条件整理や目的設定といったコミュニケーションの基本は、時代が変わっても重要であり続けると補足しました。
学生のうちに何をすべきか:AI時代を見据えた時間の使い方
議論の終盤では、「学生のうちに何をやっておくべきか」という、より実践的なテーマが投げかけられました。
ヨビノリたくみさんは、「心が動いたものに対して、受け手で終わらず、自分で手を動かすこと」の大切さを語りました。生成AIを見て「すごい」で終わるのではなく、「自分で使い、作ってみる」。流行や技術の登場そのものを、挑戦のきっかけにしてほしいと話します。
木口さんは、AI時代を学生として過ごしてきた立場から、自身の学生時代を振り返ります。
大学の授業と並行しながら、業務委託やインターンを複数社掛け持ちし、研究・学会発表・実務を同時並行で進めてきた経験は、結果として「自分がどの領域で戦えそうか」を見極める助けになったといいます。社会人になると、どうしても関われる領域が限定されてしまうからこそ、学生時代のうちに越境し、多様な現場に触れておくことの価値が強調されました。

こうした流れを受けて、GMOインターネットグループの内野は、「おじさん的な話」と「今日からできる話」をユーモラスに語り始めました。
まず前者として、「自分が本当にやりたいと思ったことがあるなら、後悔が残らないくらい本気で向き合ってほしい」と語ります。自身がコロナ禍の影響で、思うように動けなかった学生時代を経験したからこそ、今、自由に動ける時間の価値を強く実感しているといいます。
そのうえで、より具体的な行動として挙げたのが、「AIを徹底的に使い倒すこと」でした。
学生という、失敗しても誰にも怒られない環境の中で、AIを相手に試行錯誤を重ねる。「サークル活動や身近な不便を解消するツールづくりなど、小さなもので構わないので、どんなものが欲しいかを考え、指示を出し、エラーを踏み、使いにくさを改善し成果物を作る練習を、是非低コストでしてほしい」と話しました。
島岡さんは、「やるべきこと」に追われがちな学生時代の心境に共感を示しつつ、「いつか必要そうだから」という理由で学んだことは、意外と身につかないと明かします。「今は何事も参入コストがすごく下がっているので、もちろんAIも活用しながら、まずは何かが必要になる状況を作る。そのうえで、『これが必要だから学ぼう』というタイミングが来たらしっかり学ぶのがおすすめ」とのことでした。
セッションの締めくくりとして内野は、「AI時代であっても、『この人と一緒に仕事をしたい』と思われることが何より大事だ」と語りました。自分を無理に変えるのではなく、自分の価値観やセンスを磨き、それを周囲に伝えられる存在になること。その積み重ねが、結果として市場価値につながっていく——そんなメッセージで、パネルディスカッションは幕を下ろしました。

おわりに
3回にわたるレポートをご覧いただき、誠にありがとうございました!
AIとともに変化し続ける時代の最前線で、GMOインターネットグループはこれからも魅力あふれる学生の皆さんのチャレンジを応援していきます!
前編(協賛レポート1話目)はこちらから
中編(協賛レポート2話目)はこちらから
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