こんにちは、GMOインターネットグループ エキスパート(デザインマネジメント)の岡本です。
今回は「GMOアカデミア」というGMOインターネットグループ内の勉強会に登壇した時のコンテンツをブログ用に書き起こしたいと思います。
目次
はじめに
デザイナーとして3、4年、あるいはそれ以上のキャリアを積んでくると、ふとこんな風に感じること、ありませんか?
「現場の業務は一通りこなせるようになった。でも、なんだか最近、成長していない気がする……」
新人の頃は目の前のタスクに必死だったり、できないことができるようになる喜びでいっぱいだったりしますが、中堅と呼ばれるようになると、通常業務において大抵の場合で苦労しなくなってきます。そうなると今度は、上司や先輩から「もっと周囲をリードしてほしい」なんて期待をされたりするフェーズに移行してきます。
でも、正直なところ「リードって具体的に何をすればいいの?」と戸惑ったり、上司や先輩のフィードバックもどこか抽象的で、答えに辿り着けない……そんなモヤモヤを抱えていることはありませんでしょうか。また、業務に困らなくなってきて成長を感じづらくなってきたりして、なおのことモヤモヤすることはありませんか。
こういう時は、大体以下のようなことを考えがちです。
- ひとつのスキルを極める?
- チームをまとめる?
- マネージャーになる?
- 技術で周囲を牽引する?
- スキルの幅を広げる?
- 新スキルを身につける?
「なにをしていけば自分やチームメンバーが成長するのだろうか?」という問いに、私はひとつの答えとして「前進と変化を『起こす側』になる」を持っています。そのためには「(自身やチームの)ありたい姿から考える」ことが必要だと思っています。
今回は自身の経験を通じ、皆さんにそのお話をシェアさせていただきます。
1. なぜ“チームのありたい姿”から考えるのか
毎日、降ってくるタスクを打ち返し、大きな失敗なくリリースまで持っていく。これは素晴らしいスキルです。でも、現状の課題を解決するだけの毎日だと、図で描くと「円」の中をぐるぐる回っているような状態になってしまいます。

これが「安定」ではあるのですが、どこか物足りなさを感じる原因かもしれません。
私が思うリードデザイナーや中堅デザイナーの役割は、この円から一歩外に踏み出して、チームに「前進」と「変化」を起こすことだと思っています。


昨日までなかったものをチームで作ってみる。これまで誰も言わなかった課題に光を当ててみる。
今の場所にとどまらずに「移動」すること。その移動距離を大きくしてくれるのが、今回お話しする「ありたい姿」なんです。
2. 「ありたい姿」は、自分の「欲」から始めていい
「ありたい姿」を描く、なんて聞くと「事業利益を最大化するデザインを……」みたいな立派なことを言わなきゃいけない気がしちゃいますよね。
でも、最初からそんなに背負い込まなくて大丈夫です。
最初はもっと自分の心に正直に、「わがままな願望(欲)」から始めてみましょう。
例えば私の場合、2018年当時に「デザインシステムってなんかかっこいい、やってみたい!」と思ったことがありました。他にも「社外の人から、GMOメディアのデザイナーってすごいねって言われたい!」といった、自分の純粋な欲求がありました。
「やりたいこと(行動)」を「状態」の言葉に変えてみる
自分のやりたいことが見えてきたら、それを「チームがどんな状態になっていたいか」という言葉に変換してみるのがコツです。


こうやって「状態」として定義すると、自分一人の目標ではなく、「チームみんなで目指す価値のある場所」に見えてくるんです。これが、周囲を巻き込む第一歩になります。

3. 理想と現実を「接続」する――空中分解させない進め方
よし、ありたい姿が決まった!……と思っても、「やりたいからやります!」だけでは、忙しい現場ではなかなか受け入れてもらえません。理想(ありたい姿)と現実(今の課題)が切り離されていると、うまく進まないんですよね。
ここで大事なのが、「理想と現実を一本の線でつなげる(接続する)」ことです。

具体的には、「ありたい姿を実現するためのアクション」で「今の現場の困りごと」を解決しちゃうという、ちょっと欲張りな進め方をします。
例えば、チームにこんな課題があるとします。
- 過去の意思決定プロセスが残っていない
- デザインデータの格納場所がバラバラ
これらを解決するために、普通であれば「ドキュメント化」や「ルール作り」をしますよね。それもまったく間違いではありません。むしろ課題解決になります。
ただ、この時に「いま自分がやりたいことでその課題は解決できないか?」という視点を持ってみましょう。
例に上げた課題の場合、「新しい技術を取り入れている状態(ありたい姿)」を目指している過程で解決できそうです。デザインシステムの構築やアトミックデザインの導入を一緒に進めながら、一緒にドキュメント整備もできます(逆にありたい姿の過程で解決できないものは、タイミングを図る必要があります)

今の課題を解きながら、未来への種を撒いていく。
この両方をセットで進めることで、チームに無理なく、でも確実に大きな変化を起こすことができます。
4. 迷った時のための「進め方Tips」
新しいことを始めると、やりたいことが増えすぎて「何から手をつければいいの?」と迷うこともあります。そんな時のヒントをいくつかお伝えします。
優先順位は「インパクト × 実行のしやすさ」
私はアイデアを4つの領域で整理しています。

- インパクト大 × 実行しやすい: 迷わずすぐにやりましょう!
- インパクト大 × 実行しにくい: チームに余裕がある時にチャレンジする。
- インパクト小 × 実行しやすい: 結果を急ぐ時や、小休止したい時に。
- インパクト小 × 実行しにくい: 基本的にはやりません。
経験主義で進む


「失敗したらどうしよう」と不安になることもありますよね。でも、不確実な未来をコントロールする唯一の方法は、「行動すること」だけです。
やってみて、その結果を見て次を決める。
小さく動いて、何が起きたかを観察して、また次の一歩を踏み出す。この「継続的な行動」こそが、不確実性を下げ、自分自身の経験値を積み上げてくれる一番の近道です。
5. 視座が上がると、見える景色はもっと楽しくなる
リードデザイナーや中堅デザイナーの仕事は、単に制作をこなすことではありません。チームのありたい姿を考え、そこに向かって「移動」を始めることです。
自分のためだけではなく、誰かのため、チームのために視座を上げて動いてみると、不思議なことに、自分一人の手では絶対に届かなかった大きな成果に出会えるようになります。
視座が上がるというのは、責任が重くなって苦しくなることではなく、「自分がハッピーにできる範囲が広がること」だと私は思っています。
皆さんの「わがままな願望」から始まる、新しい挑戦を心から応援しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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