【協賛レポート】Yoitoi Summit 2026|良い問いから探る、これからのクリエイターのあり方と価値

2026年7月18日(土)、デザインカンファレンス「Yoitoi Summit 2026」が開催されました。本イベントは、Spectrum Tokyoが主催する「問い」を起点とした対話型のデザインカンファレンスです。GMOインターネットグループは、GMO Yours・フクラス(東京・渋谷)を会場として提供・協賛。この記事では、会場で行われたセッションや交流の様子をお届けします。

良い問いからデザインの未来を考える「Yoitoi Summit 2026」

Yoitoi Summit 2026は、より良いテクノロジーのあり方を探求するSpectrum Tokyoが開催する、対話型のデザインカンファレンスです。
「良いデザインは良い問いからはじまる」をテーマに、登壇者と参加者がともに問いを深めながら、デザインやテクノロジーのこれからについて考えます。

ドリンクを片手に語り合う参加者たち

Yoitoi Summit 2026 概要

開催日時:2026年7月18日(土)14:00〜20:45(13:00開場)
会場:GMO Yours・フクラス(東京・渋谷)
主催:Spectrum Tokyo
公式サイト:https://yoitoi.spectrumtokyo.com/

イベントは、昼の部「良い問いサミット」と夜の部「酔い問いサミット」の2部構成で実施されます。会場では、デザイナーやプロダクト開発に携わる登壇者たちが、AI時代のデザイン、ユーザー理解、プロとしての矜持などをテーマにセッションを行いました。

GMOインターネットグループは、GMO Yours・フクラスを会場として提供し、本イベントに協賛。多様な参加者が集まり、問いを交わしながら学びを深める場づくりを支えました。

6つの問いで対話を深める

休日の開催にもかかわらず、会場には多くの参加者が詰めかけていました。まず目を引くのは、おいしそうなフードとドリンクです。

ソフトドリンクに加えてアルコール類も提供され、会場は立食パーティーのようなリラックスした雰囲気に包まれていました。参加者同士が食事や飲み物を楽しみながら、思い思いに語り合う姿が見られます。

会場前方にはステージが設けられ、登壇者による「良い問いセッション」が展開されます。今回取り上げられた「問い」は、次の6つです。

  • デザイナーは本当に手を動かさなくていいのか?
  • プロとしての矜持とはなにか?
  • 私たちはどこまで「ユーザー理解」をできるのか?
  • このAI時代、新人デザイナーとどう対峙すべきか?
  • AI時代の日本らしさって何?
  • 大きな組織の中で、デザイナーはどう価値発揮できるか?

いずれも、簡単に答えを出せる問いではありません。なんといっても本イベントは、「良い問い(安易な結論に帰着しない深い問い)」と「酔い問い(交流時間にて生まれる本質的な問い)」が入り交じる場。一方的に答えを受け取るのではなく、登壇者や参加者がフランクに対話しながら、それぞれの考えを深めていくことが本イベントの特徴です。

セッション:プロとしての矜持とはなにか?(加藤優真|GMOインターネット株式会社)

セッション2では、GMOインターネット株式会社の映像クリエイターである、GMOインターネットグループ エキスパート 加藤優真さんと、btrax Japan, LLC.でService Design Leadを務める前田瑞歩氏が登壇。「プロとしての矜持とはなにか?」をテーマに、誰もが手軽にコンテンツをつくれる時代における、プロの作家性や仕事との向き合い方について語りました。

加藤さんは、2022年にGMOインターネットグループへ新卒入社して以来、自社商材に関わる映像制作に取り組んできました。現在は東京と宮崎のメンバーが所属する映像チームのリーダーも務め、実写によるライブ配信からモーショングラフィックスまで、幅広い映像表現を手がけています。また、2025年にはGMOインターネットグループの技術・クリエイティブにおける活動でインターネット業界発展に貢献するエキスパートにも就任し、活躍の場を広げています。

▼加藤さんのインタビュー記事はこちらから
【インタビューVol.5 前編】映像で事業に伴走する。若手クリエイターが4年目でリーダーになった理由
【インタビューVol.5 後編】若手リーダーが挑む攻めの映像戦略

ときに先進的な技術で、ときに泥臭い努力で、GMOインターネットグループのクリエイティブを日々支える加藤さん。果たして、加藤さんの考える「プロとしての矜持」とは一体、どのようなものなのでしょうか。

GMOインターネット株式会社/GMOインターネットグループ エキスパート 加藤優真さん
btrax Japan, LLC.でService Design Lead 前田瑞歩氏

プロが「UGCっぽい映像」をつくる難しさ

まったくの初対面だという登壇者の2人。「なんだか緊張しちゃいますね」と柔らかく微笑む加藤さんが最初に挙げたのは、インハウスの映像クリエイターとして、事業部門から「UGCっぽい映像を作ってほしい」と依頼された際に感じた葛藤です。

ショート動画では、広告色が強すぎるコンテンツはすぐにスワイプされてしまいます。そのため、一般のユーザーが投稿したコンテンツ(UGC)に溶け込むような映像が求められますが、プロの視点では、映像の品質や細かなつくりが気になるといいます。

「ユーザーさんが作ったショート動画って、プロの作法とは違う文法があるんですよね。『UGCっぽいもの』を求める事業背景は理解しつつも、言われるがままに『素人っぽいもの』を作るのは、プロとしてどうなのかなと」

ユーザーが制作したような自然さに寄せるべきなのか、それともプロとしての品質を追求すべきなのか。加藤さんは、求められる表現と自身が考える映像制作のあり方との間で、どこに折り合いをつけるべきか悩むことがあると話します。

これを受けて前田氏は、「お金をもらって依頼に応える、という意味での『プロ』と、専門的な知見やこだわりを持つ『プロフェッショナル』は、少し違うのではないか」と問いかけます。

前田氏自身、ユーザーリサーチの結果をクライアントへ報告した際、抽出したインサイトについて、「具体的な数値(人数や割合)を教えてほしい」と求められた経験があるといいます。しかし、インサイトは単に意見の数を集計するものではなく、言葉の奥にある欲求をリサーチャーが解釈して見いだすもの。人数や割合を示すだけでは、本来の意味から外れてしまいます。

「社内で説明するために数字が必要だという、お客様の事情は理解できます。でも、プロフェッショナルとして、本質的ではない作業をそのまま引き受けるべきなのか…。当時、マネージャーとは何度も議論しました」

依頼に応える責任と、専門家として守るべきもの。その両立の難しさは、加藤さんが抱える葛藤にも通じます。

そのうえで、「結局のところ、商業クリエイターにとって重要なのは、事業上の課題を解決し、結果につなげることだ」というのが現在の加藤さんの意見。インハウスクリエイターならではのリアルな悩みに、参加者からは「うーむ」と悩ましいあいづちも聞こえました。

限られた時間の中で、作家性をどう育てるか

ここで、中央の電話を通じて天の声から、「目の前の成果に向き合うことと、時間をかけて自分の作家性を育むこと。お二人はどのように両立していますか?」という問いが投げかけられました。

真ん中の電話から聞こえてくるのは「天の声」。ときに追加で問いを投げかけ、登壇者の対話を刺激します

加藤さんいわく、「事業に関わる映像制作では、短い期間で成果物を求められることも少なくない」そうです。

商業クリエイターである以上、自分の表現だけを押し通すことはできず、スピードを優先しなければならないときもある。それでもなお「何か爪痕を残したくて、日々格闘している」と話します。

そんな加藤さんが大切にしているのは、「穏やかで優しい表現と、見る人を傷つけないこと」だそう。訴求を強めた広告は、ときに押しつけがましさや不快感を与えてしまいます。だからこそ、見る人が気持ちよく受け取れる映像をつくりたいという思いが、加藤さんのクリエイティブの根底にあるのだとか。

さらに、「意見が分かれたときには、どちらが正しいかを一方的に決めるのではなく、実際に試しながら検証することも重視している」と加藤さん。変化の激しいクリエイティブの領域だからこそ、関係者とコミュニケーションを取り、ともに試せる土台をつくることも、クリエイターの仕事ではないかと話しました。

AI時代に映像クリエイターが発揮すべきプロの価値

話題は、AIによって映像制作を取り巻く環境が変化していることにも広がりました。最近では、映像制作を専門としない担当者が、AIを使って動画の構成案をつくり、持ち込むケースも増えているといいます。

これに対して、「いよいよAIが自分の領域に入り込んできたな、みたいな恐怖も感じたり…」と加藤さん。

AIによって担当者の意向が明確になり、完成イメージを共有しやすくなったのは、ありがたい一面です。その一方で加藤さんは、AIで生成された構成案は、本来目指すべき意図とはズレた内容になっていることもあると率直に明かします。

しかし、たとえ違和感があっても、単に「こちらのほうがよい」と主張するだけでは、事業部門を納得させることはできません。過去の実績や数値などを示しながら、なぜその表現が適切なのかを説明する必要がある。ところが、クリエイティブには数値化や言語化が難しい部分もあり、一筋縄ではいきません。

これについて前田氏は、「クリエイターが考える正解をすぐに相手へ押しつけるのではなく、まずは提案された方法を一緒に試してみることにも意味があるのでは」と提案します。

たとえば、自分は「猫を使いたい」、相手は「犬を使いたい」と考えていた場合。「こだわりを捨てて、まずは犬で制作してみると、意外にも相手の案が適していた…という場合もあるかも」と前田氏。反対に、実際の結果を一緒に確認することで、「やはり猫のほうがよかった」と納得してもらえる可能性もあると話します。

「プロとして近道が見えていても、言葉だけでは伝わらないことがあります。思考のプロセスを一緒に経験することで、同じ問いに乗っていけるのかな」

前田氏は、こうしたプロセスを「一緒に旅する」と表現しました。たとえ最終的なアウトプットが同じでも、議論や試行錯誤の過程を共有したかどうかで、相手の納得感は変わるというのです。これには加藤さんも、「信頼してもらい、一緒に動けるかどうか。確かに、一つのポイントかもしれない」と応じました。

ここで、登壇者の2人に、天の声から「違和感を抱き、悩み続けること自体が、その人らしい表現を形づくるのではないか」との言葉が寄せられます。

事業上の要請、自分が大切にしたい表現、そしてAIによる環境の変化。その間で生まれる迷いや葛藤に向き合い続ける姿勢こそが、「プロとしての矜持」なのかもしれない……そんな加藤さん・前田氏の現在地が見えた、ライブ感あふれるセッションでした。

セッションを終えて(加藤さんコメント)

前田さんとは直前に3分ほど話しただけで、ほぼ初対面だったので、本気で緊張しながら登壇しました。でも、普段からモヤモヤしていたことを率直に話せて、面白かったです。

依頼されたものをつくって課題を解決するのがプロの仕事ですが、言われるままにつくるだけでよいのか、僕も日々迷います。今回話題に挙げた「UGC風の映像」も、単に品質を落とせばよいわけではないですし……。前田さんのお考えも聞きながら、プロとしてどうあるべきなんだろう?と考えるよいきっかけになりました。

参加者の皆さんもアンテナが高く、難しい問いについて、ともに真剣に考えることができました。ほかのセッションも面白く、本当にすてきなイベントでした!

参加者と考える「カッコよく!美しく!気持ちよく!」

会場には、スポンサーブースも出展されました。

GMOインターネットグループのブースでご紹介したのは、GMOインターネットグループのクリエイターがものづくりの原点とする「デザインプリンシプル」です。

「すべてを最高にカッコよく!美しく!気持ちよく!」

GMOインターネットグループのデザインプリンシプルでは、この合言葉を、次の3つの原則として紐解いています。

  • カッコよく:求心力をつくる
  • 美しく:細部まで洗練されている
  • 気持ちよく:触れるたびに好きになる

「カッコよく」が意味するのは、絶妙なバランスや意外性、今らしさ、圧倒的な完成度によって、人を引きつける力を意図的につくること。

「美しく」は、誰のために何をどのように見せるのかという選択を細部まで貫き、印象に残るアウトプットを生み出すことを表しています。

そして「気持ちよく」が重視するのは、一度きりではなく、使う人の目的を後押しする体験を届け続けることです。その積み重ねによって信頼を築き、ファンを育てるという考えが込められています。

とはいえ、これはあくまでもGMOインターネットグループが示した1つの答えです。そこでブースでは、参加者にとっての「カッコよさ」「美しさ」「気持ちよさ」を問うアンケート企画を実施しました。

回答を入力すると、参加者それぞれの言葉が前方のスクリーンに浮かび上がります。同じ言葉でも、捉え方はさまざま。数多くの回答が並ぶ光景からは、1つの問いを参加者とともに深めていく、Yoitoi Summitらしさが感じられました。

アンケートの回答者には、「GMO DESIGN AWARD 2026」のオリジナルステッカーもプレゼント。なかでも「締切厳守」と書かれたステッカーは大人気で、運営に携わったパートナー(従業員)は「3倍くらい作っておけばよかった」と笑顔を見せました。

若手クリエイターの挑戦を後押しする「GMO DESIGN AWARD」

そんなGMOインターネットグループでは今年も、18〜29歳の若手クリエイターを対象としたデザインコンテスト「GMO DESIGN AWARD」を開催しています。

今年の作品募集テーマは「トキメキ」。
AIを制作プロセスのどこかで活用した作品を、以下の2部門で募集しています。
・プロダクト部門
・ビジュアル部門
応募期間は、2026年6月15日(月)から9月30日(水)までです。

詳細・応募は特設サイトへ:https://gmo-design-award.com/

今回で3回目を迎える「GMO DESIGN AWARD」では、GMOインターネットグループが掲げるデザインプリンシプルに加えて、作品制作におけるAIの活用方法も審査されます。
プロとして活動するデザイナーだけでなく、学生や現在デザインを学んでいる人も応募可能です。

最優秀賞の賞金は、なんと100万円! 賞金総額は250万円にのぼります。

そんな「GMO DESIGN AWARD」について、GMOメディア株式会社でシニアデザイナーとしてAI活用を推進しながら、本コンテストの集客・広報担当も務める大澤健太郎さんに聞きました。

GMO DESIGN AWARDは、若手クリエイターが挑戦できる場です。
またそれだけではなく、このコンテストはAI活用を審査の主軸に据えています。

AIとどう付き合うべきか、きっと多くのクリエイターが迷っているはずですし、僕たち自身も日々迷っています。

多くの人がAIで80点の成果物をつくれるようになった今、100点、さらに期待を超える120点へと引き上げるために、クリエイターだからこそできるAIの使い方は何なのか。
多くの人がAIでモノづくりできるようになった今、そこから人の心を動かすものへと昇華させるために、AIを使ってどんなアプローチができるのか。

審査する僕たち自身も、応募作品を通じて、クリエイターがAIとどのように向き合うべきかを考えたいと思っています。

このコンテストのテーマを、AI時代のクリエイティブを考える『問い』にしていただき、
皆さんの自由な発想・こだわりの込められた作品がたくさん見られたら嬉しいです。

GMO DESIGN AWARDは、完成された答えを示すための場ではなく、AI時代のクリエイティブのあり方を若手クリエイターとともに探る試みでもあります。ぜひ、多くの作品に出会えることを楽しみにしています!

クリエイティブNo.1を目指し、挑戦を支え続ける

さまざまな問いを通じて、参加者同士がこれからのクリエイターのあり方や可能性 について考えを深めた「Yoitoi Summit 2026」。
盛り上がりは夜まで続き、会場となったGMO Yours・フクラスは参加者の笑い声で満たされました。

GMOインターネットグループは今後も、クリエイティブNo.1を目指し、若手クリエイターの発掘や挑戦の支援に取り組んでいきます!

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技術広報チーム

GMOインターネットグループ株式会社

イベント活動やSNSを通じ、開発者向けにGMOインターネットグループの製品・サービス情報を発信中

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