【後編】受賞作品はこうして生まれた—GMO DESIGN AWARD 2025受賞者が語る、アイデアと制作の裏側

現在、GMO DESIGN AWARD 2026では、18〜29歳の若手クリエイターを対象に、AIを制作プロセスのどこかで活用した作品を募集しています。3回目となる今回のテーマは「トキメキ」。応募期間は、2026年9月30日(水)までです。
前編では、個人で挑戦した3名の受賞者に、応募のきっかけや制作の工夫、AIとの向き合い方について伺いました。
後編では、チームで挑戦し、受賞した3組をご紹介します。
得意分野の異なるメンバーが集まることで、アイデアはどのように広がり、作品として形になっていったのでしょうか。個人制作とは異なる、チームならではの工夫や発見、制作の裏側に迫ります。

仲村怜夏さん(株式会社yomiyomi)

受賞作品:思い出召喚ステッカー yomiyomi
受賞名:優秀賞(プロダクト部門)
作品詳細:https://gmo-design-award.com/2025/works/001.html
スマートフォンをかざすと、保存した思い出の動画や写真をすぐに再生できる、NFC搭載のデジタルステッカー。QRコードに代わる、目立たず自然に思い出へアクセスできる新しいノベルティ体験を提案する。

チーム「yomiyomi」を代表して、仲村怜夏さんにご回答いただきました。

—制作でこだわった点や、工夫したポイントを教えてください

仲村

本プロダクトの特徴は、記憶の入り口を「検索」から「偶然の接触」へ転換した点です。

従来の動画再生型プロダクトは、QRコードによる見た目の悪さや、アプリのダウンロード・会員登録の煩雑さが課題でした。そこで、視覚的なノイズの少ないNFCを採用し、あらゆるモノに貼れるステッカー形式にしました。

UUIDで個体識別することで、アプリのダウンロードや会員登録を不要にし、ブラウザだけで完結する体験を実現しました。

企業向けには、ステッカーや再生UIをブランドごとにカスタマイズできるようにし、配って終わりではなく、記憶を通じて顧客との関係が続く「体験型ノベルティ」という新しい市場を目指しています。

—制作過程でAIツールをどのように活用しましたか。使ってみて意外だった発見や、工夫したポイントも教えてください

仲村

ChatGPTは、コンセプト策定、データ分析、要件定義、利用規約・プライバシーポリシーの作成、イラスト制作まで幅広く活用しました。v0でモックアップを作り、Claudeで要件定義や技術調査を深め、Claude CodeとCursorで実装まで一気通貫で進めています。

意外だったのは、エンジニアに相談する前に、まずAIと壁打ちしながら頭の中のイメージを形にできたことです。実現方法を一緒に考えてもらえるので、妥協せずクオリティにこだわり切れました。

—「応募しようか迷っている」という方に向けて、メッセージをお願いします

仲村

迷っているなら、まずは応募してみてほしいです。

エントリーシートの項目を埋めていく過程で自分の考えが整理されたり、審査項目と照らし合わせることで作品自体の強度が上がったりします。選考プロセスそのものが、すごく勉強になりました。

こんなに豪華な審査員の方々に見てもらえる機会があって、しかも賞金までもらえる。出さなきゃ損だと思います!

佐藤一葉さん(広告代理店)

受賞作品:調べ物
受賞名:優秀賞(ビジュアル表現部門)
作品詳細:https://gmo-design-award.com/2025/works/023.html
AIと人間の関係性を再考する映像作品。人間らしいモノローグの語り手が、実はAIだったと次第に明らかになる構成を通して、AIとの距離感に潜む違和感を描く。

チーム「合体ロボ」を代表して、佐藤一葉さんにご回答いただきました。

—GMO DESIGN AWARDに応募しようと思ったきっかけを教えてください

佐藤

私たちは、もともと同じ大学の友人同士で、社会人になってからも何か一緒に制作できないかと考えていました。そんなときに、チームの一人が見つけてきてくれたのが、このアワードです。

私たちはそれぞれ得意なことがバラバラだったので、だからこそ、たくさんの要素を集約できる映像という作品形態が合っていると思いました。AIにも強い興味があった私たちは、すぐに応募を決意しました!

—制作過程でAIツールをどのように活用しましたか。使ってみて意外だった発見や、工夫したポイントも教えてください

佐藤

私は主に、画像を生成し、さらに別のAIでそれを動画にする作業を担当していました。

チームの中でも、それまでAIを使って制作した経験がほとんどなかったため、最初は世界観を統一できなかったり、頭の中に描いている絵をそのまま出力できなかったりして苦労しました。

慣れてくると、世界観を学習したAIが、自分の想像を超えるような画像や動画を出してくることが増えました。単に指示を出すだけでなく、一緒に作品をつくっているような感覚になっていきました。

—「応募しようか迷っている」という方に向けて、メッセージをお願いします

佐藤

応募するまで、私はAIを使うスキルはまったく高くありませんでした。

それでも、この賞への応募を決めたことで、チームのメンバーにたくさん助けてもらいながら、目標を持って作品を仕上げることができました。それぞれの成長にもつながったと強く感じています。

自信がなくて迷っている方は、このアワードをきっかけに仲間を集めてみるのもおすすめです!

山田莉緒さん(Codeknit)

受賞作品:フォームインワン
受賞名:審査員特別賞(UX&プロダクトイノベーション賞)
作品詳細:https://gmo-design-award.com/2025/works/002.html
AIが回答者の入力内容をリアルタイムでチェックする、窓口のような安心感を持つフォーム作成ツール。非同期の手続きに対する不安を軽減することを目指したプロダクト。

チーム「Codeknit」を代表して、山田莉緒さんにご回答いただきました。

—GMO DESIGN AWARDに応募しようと思ったきっかけを教えてください

山田

このプロダクトは、もともとハッカソンで作ったものでした。

その後、挑戦できる公募がないかSNSで探していたときに、GMO DESIGN AWARDを知りました。せっかく形にしたプロダクトなら、できるだけ多くの場で評価をいただく機会をつくりたいと思い、応募を決めました。

応募したのは、AI入力チェック機能を備えたフォーム作成ツール「フォームインワン」です。生成AIが回答者の入力内容をリアルタイムで確認し、非同期の手続きにおける不安感を軽減する仕組みを提案したプロダクトです。

—制作の中で一番苦労した点と、それを乗り越えたエピソードを教えてください

山田

一番苦労したのは、「窓口のような安心感」を、オンラインフォームという仕組みにどう落とし込むかでした。

当初は、入力内容の不足に応じて自動で設問を追加する手法を試しました。利用者の不安を軽減できる可能性は見えたものの、既存の運用フローから大きく乖離してしまい、普及性という壁にぶつかりました。

試行錯誤の末、現実的な導入のしやすさを重視した仕様にたどり着きました。さらに、実装段階ではAIの応答速度という新たな課題も浮上しました。

モデルの使い分けや通信経路の調整を重ね、検索候補と同等の約0.6秒を実現できたときは、ようやく理想と現実を両立させられたという実感がありました。

—受賞されて、ご自身や活動にどのような変化がありましたか。率直な感想も含めて教えてください

山田

率直に言って、とても嬉しかったです。

一次選考、二次選考と進むたびに、クオリティの高い作品と並んで自分たちのプロダクトが評価されていく実感があり、それは大きな励みになりました。

もともとこのプロダクトはハッカソンから始まったものです。そこでの受賞をきっかけに、ある企業からインターンのお声がけをいただいていましたが、その後のGMO DESIGN AWARDでの受賞も、後押しの一つになったと感じています。

挑戦を重ねるたびに、思いがけない形で次の機会につながっていくことを実感した経験です。

まとめ

今回ご紹介した3組は、それぞれ異なる得意分野や視点を持つメンバー同士で、互いに補い合いながら作品を形にしていました。

得意なことが異なっていたからこそ、さまざまな要素を集約した映像表現に挑戦できたチーム。AIとの壁打ちを重ねながら、アイデアを実際のプロダクトとして形にしたチーム。ハッカソンで生まれた作品を磨き続け、次の機会へとつなげたチーム。

一人では思いつかなかった視点や、実現できなかった表現も、異なる強みを持つメンバーが集まることで形になることがあります。制作の過程で互いに学び合い、それぞれが成長できることも、チームで挑戦する魅力の一つです。

前編・後編を通してご紹介した受賞者の皆さんも、最初からすべての技術や答えを持っていたわけではありません。それぞれが自身の経験や関心を出発点に、AIや仲間の力を取り入れながら、試行錯誤を重ねて作品を完成させていました。

「自分にも挑戦できるだろうか」と迷っている方も、まずは自分が感じていることや、形にしたいアイデアから考えてみてください。

受賞者の皆さんの言葉が、これから応募を検討している方の一歩を後押しするきっかけになれば幸いです!

GMO DESIGN AWARD 2025受賞者インタビュー 前編記事も是非合わせてご覧ください!

▼【前編】受賞作品はこうして生まれた—GMO DESIGN AWARD 2025受賞者が語る、アイデアと制作の裏側

また、GMO DESIGN AWARDの運営メンバーが、コンテスト立ち上げの背景や今年のテーマ「トキメキ」に込めた想い、キービジュアル制作の裏側などを語った以下のインタビュー記事もぜひあわせてご覧ください!

▽若手クリエイターへ問う、AI時代の「トキメキ」とは  | GMO DESIGN AWARD 2026運営インタビュー

若手クリエイターへ問う、AI時代の「トキメキ」とは | GMO DESIGN AWARD 2026運営インタビュー

ブログの著者欄

若林 里奈

GMOインターネットグループ株式会社

グループ広報部技術広報チーム所属。グループ横断の開発者向け情報発信に従事しています。

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