GMOインターネットグループ横断で初となる技術同人誌を作成し、「技術書典15」にて頒布しました。このブログ記事では技術同人誌を作るモチベーションと、実際にやってみて得られた結果、今後についてまとめます。
目次
自己紹介
こんにちは、GMOグローバルサイン・ホールディングスでPlayCanvasのPdMをしております津田@utautattaroです。普段はGMOインターネットグループのデベロッパーエキスパートとしても活動しており、事業推進と技術ブランディング向上の両軸をいつも頑張っています。
GMOインターネットグループ デベロッパーエキスパートとは
インターネット業界の発展に貢献するパートナー支援制度
GMOインターネットグループは、特定の専門分野における第一人者として業界の発展に寄与するとともに、GMOインターネットグループの技術力を牽引し、技術広報活動に貢献するパートナー(従業員)を支援する「エキスパート制度」を新設しました。この制度は、GMOインターネットグループの技術広報活動など、グループ内における開発者コミュニティの活性化やインターネット業界の発展に貢献する開発者(デベロッパー)を「デベロッパーエキスパート」に任命し、その活動を支援するものです。エキスパートに任命された開発者には、活動費として最大で年間100万円が支給されます。
https://developers.gmo.jp/developerexperts/
完成したもの
「Good Morning #01」
GMOインターネットグループ エンジニア有志一同 著
GMOインターネットグループから、GMOグローバルサイン・ホールディングス / GMOペパボ / GMOアドマーケティング / GMOリサーチのメンバーが筆を執り、それぞれの技術領域についてまとめたオムニバス形式の技術書となっています。
技術書典マーケットにて0円で電子版頒布しておりますので、ぜひダウンロードしてみてください。
また今回の執筆者を通してグループ各社本棚に寄贈させていただいております。ぜひ物理本も手にとって見てみてください。
イベント当日の様子
11/12に池袋サンシャインで行われた技術書典15オフライン会場にて、物理本の頒布を行いました。
技術書典15のオフラインブースでは多くの方にお立ち寄りいただき、非常に大きな反響をいただきました!
モチベーション
ここからは、私が本プロジェクトをなぜ始めようと思ったのか、その背景についてお話しします。
私が技術同人誌を作成したいと思った理由は2つあります。
商業作家になりたい
昨今、エンジニアにはアウトプットの重要性が増していると言われています。技術ブログやイベント登壇など、エンジニアが行うアウトプットも増えてきていますが、商業本出版はその中でもインパクトのあるアウトプットだと思います。商業本を出版することは、標準化団体への参加やOSSへのコントリビューション、有名アプリの開発などと同様に、エンジニアにとって非常に誉れあることです。私も以前からそのようなアウトプットをしたいと思っていました。
ある時、技術書典から商業デビューした方の話を聞くことができました。そこで今のトレンドは同人出版から商業出版へ行くことだと聞き、まず最初のステップとして同人出版に挑戦しようと思ったのです。
形に残るアウトプットがしたい
Webテックブログは一般化してきていて、すぐ多くの人に届けられるメリットがあります。紙はそれに比べて静的なテキストと図版のみで構成され索引から調べる必要があるメディアです。しかし紙の書籍は個人の所有物として手に取り、所有感や愛着を感じることもでき、実際にモノとして残る大きなメリットがあります。
GMOインターネットグループは各社がテックブログを運営したり、GMO Developers Dayなどの大規模カンファレンスを実施したりして、日々技術情報を発信していますが、そのどれもがライブ感満載であり、私はあえてそこでアーカイブ性の高い「形に残るアウトプット」がしたいと考えていました。
以上より私がエキスパートに任命される際に掲げた公約で、グループ横断の技術同人誌の作成と頒布を掲げました。技術責任者会議でのプレゼンの後ご賛同いただけたことで技術同人誌プロジェクトはスタートしました。
執筆
書籍執筆のフローや環境構築・レビューについてはOne Tech Blogにまとめてありますのでそちらをご覧ください
得られた結果
電子+物理合わせて570冊の売れ行き
当日は無料頒布していたということもあり、用意していた200冊はイベント終了3時間前にはなくなり、電子版だけの頒布となったあとも多くの方にブースにお立ち寄りいただきダウンロードいただけました。
当日はブースの場所も味方したのか、想定以上の売れ行きでした。次回はもっと刷っていこうと思います。
Web記事だったら、初動1ヶ月で570pvだとすると、かなりの良記事だと言えます。書籍メディアなので積読されていたりもするでしょうし、Webメディアと単純比較はできませんが、どこかの本棚やハードディスクに入ってると思うとそれだけで価値は高いような気がします。
新しい形のアウトプットとなった
当初想定していた「残るアウトプット」は想定通り実現できました。今回参加してもらった執筆者を通してグループ各社の本棚に寄贈し、多くのパートナーに読んでいただいています。
参加した執筆者の方がナイスな例えを仰っていたので引用させていただきます。
テックブログは「シングル」
イベント登壇は「ライブ」
技術同人誌は「アルバム」
アーティストにとって、アルバムは彼らの音楽やアートをまとめる重要な手段であり、アルバムは、特定のテーマやコンセプトを表現するための媒体となります。また、アルバムはアーティストの成長や進化を示す手段でもあります。アルバムは、アーティストと聴衆とのつながりを深め、彼らの音楽によって共有される独自の世界を作り出す重要な役割を果たしています。
技術同人誌もオムニバス形式ではありますがGMOインターネットグループの技術がまとまった一冊であり、そのときの世界観が凝縮された一冊になっています。技術同人誌のアウトプットによって、またひとつアウトプットに厚みを出すことができました。
作れた横のつながり
今回執筆に参加した有志メンバーで技術書典15に参加しました。それぞれバラバラに各章を執筆していた有志メンバーですが、実際に顔を合わした際には、共通言語である書籍を通してすぐに交流を深めることができました。その後GMO Yoursで行われた有志メンバー懇親会ではほぼすべての執筆者の方にご参加いただき、盛り上がりました。
普段同じ仕事をしているわけではないですが、同じ一冊の本を一緒に作る体験を通して各メンバー同士のつながりが強くなったことを実感しました。
学びと今後
実際にランスルーで同人誌作成をやってみて、今回は多くの学びがありました。
技術同人誌には、Webメディアにはない「ひろがり」、ライブ登壇にはない「アーカイブ性」、そして執筆者全体が濃くかかわりを持つことができる「つながり」そんなこれまでになかった特性を持ったアウトプットができたのではないかと自己評価しています。
当初に想定していた商業誌化ゴールについては、オムニバス形式の合同誌という構成上まだまだ道半ばではありますが。まず最初の一歩としてこういった技術同人誌の執筆文化を醸成していくことを継続していきたいと思っています。
巻末には執筆者募集ページも用意したので、技術同人誌が新たな執筆者を呼び、どんどん回っていけるようなサイクルを作っていけるよう、継続していく予定です。この活動に興味がある方は、ぜひお声がけください!
著書の紹介欄
PlayCanvasではじめるWeb3Dコンテンツ制作
「すべてをWeb」で作れるWebGLゲームエンジン 初の総合解説本
PlayCanvasは、3Dゲームやインタラクティブな3Dコンテンツを開発するゲームエンジンで、WebGLを活用して高度な3Dグラフィックスをブラウザ上で表示することができます。 Web上で動作するゲーム、インタラクティブな広告、教育コンテンツ、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)アプリケーションなど、さまざまな用途に使用されており、プロフェッショナルな開発者から趣味で3Dコンテンツを作成する人々まで、幅広いユーザーに利用されています。 本書は、WebGLゲームエンジンのPlayCanvasの記念すべき一冊目となる解説本です。 導入チュートリアルからサンプルを利用した解説、一歩先の応用機能まで網羅的に紹介しているので、PlayCanvasが初めての方も、すでに利用を開始してもう一歩先の表現を手に入れたい方にもおすすめの内容になっています
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